イギリス人はEU離脱を悔やんでいるという論調の報道
6月23日に行われた国民投票で、イギリスのEU離脱への支持が残留を上回って以降、イギリスの動向はこれまで以上に世界中の注目を集める状況になっています。
加えて、日本のメディアでは、よくイギリス国民が今回の投票結果を悔やんでいるという論調で報じられています。
例えば、国民投票のやり直しを求めるイギリス議会への請願が400万人集まっている、離脱派が国民投票後に公約を撤回した離脱に投票した人が憤っているなどというものがあります。
また、中には、EU離脱の意味も分からずにEU離脱に投票したんじゃないか?などという報道もあります。
実際のところはどうなんでしょうか?
国民投票のやり直しには反対が多数
先般の国民投票を巡って繰り替えし世論調査を行って注目を集めたYouGovが、また興味深い世論調査(https://yougov.co.uk/news/2016/06/29/little-support-second-referendum/)を行っています。
6月27、28日に、国民投票のやり直しについて賛成・反対を尋ねた結果、
賛成:31% 反対:58% 分からない:11%
という結果でした。
この結果で興味深い点は、離脱に投票した人では、91%がやり直しに反対だということです。
この結果によれば、日本のマスコミで盛んに報じられている、離脱に投票して悔やんでいる人って1割いないんですよね。
ちなみに、国民投票で残留に投票した人も29%が、国民投票のやり直しに反対です。
こちらは、どう見るか判断の分かれるところでしょう。
スコットランドが独立した場合でも、国民投票のやり直しには反対多数
合わせて、このような世論調査も行われています。
もし、スコットランドが独立する事態となった場合に、国民投票をやり直すことをどう考えるか尋ねた結果、
やり直すべき:30% やり直すべきではない:51% 分からない:19%
という結果でした。
6月23日の国民投票における投票別で、改めてみていきましょう。
国民投票で離脱に投票した人の83%が、スコットランドが独立するような事態でも、国民投票をやり直すべきではないとしています。
悔やむという言葉がいかに当てはまらないかがよくわかります。
むしろ強い確信というべきではないでしょうか。
加えて、国民投票で残留に投票した人でも、その24%がやり直すべきではないと言っている点も注目すべきでしょう。
やはり、しっかり数字を追いかけていくことは大事です。
日本のマスコミは、一旦決めた自社の方針にあわない記事は載せない傾向にあります。
我々視聴者も、マスコミの報道をしっかり吟味する必要がありますね。
それでは、また日曜に!