「夢の高校」考
「夢の高校」の具体的内容を考えてみる。
まず、基本コンセプト(広告業界では単に「コンセプト」と言うようだが、コンセプトは「概念」の意味だから、「中心的コンセプト」か「基本コンセプト」と言うべきではないだろうか。)から。
1)これまでの、「大学入試」だけのために存在するような、学力向上あるいはテスト能力向上のみを目的とする高校、あるいは運動部による売名で生徒集客のみを目的とする高校ではなく、生徒自身がそこに通うことが喜びでありつつ、社会で生きていく能力を増大させられる高校。
2)教師主体ではなく、生徒主体の学校。つまり、教師はあくまで生徒活動の補助と、一部の専門的分野での講義を主とし、その他の生徒活動にはほとんど口を出さない。同様に、生徒も教師のプライベートに口を出さない。基本は生徒の自学自習である。
3)教科内容は大きく二種類あり、第一種はこの高校だけで終了する教科、第二種は大学での勉強につながる教科。後者のための「受験教科」も第二種に含む。つまり、大学入試を完全に無視するわけではないが、基本的には、高校の学習は高校で終了、とする。受験対策は、一部の希望者のみが対象となる。
ここから、詳細内容に入る。
1)第一種の教科はだいたい次のようなものを考えているが、追加や削除は随時行う。
イ:身近な法律(道交法、住民登録その他の登録義務、民法の一部、その他)
ロ:身近な経済(税、公共料金、保険、銀行、会社の基礎知識、その他)
ハ:芸術(楽器演奏、美術実技、文芸実作、書道実技、茶道、その他)
ニ:自動車(特殊車両含む)運転
ホ:家庭科(大工仕事、工作、電気系修理技術、裁縫、手芸、料理、その他)
へ:体育(純粋体育、各種スポーツ、各種武道)
ト:ヘルスケア(栄養学、身体機能学、初歩の生理学、基礎の生物学、市販薬の知識、その他)
チ:情報リテラシー(スマホ、パソコンその他の情報機器の取り扱い方とネットの注意など)
リ:災害対策常識(災害救助、応急処置、サバイバル、その他)
ヌ:身体表現(発声法、演技、ボイスコントロール、メーキャップ、衣装知識、その他)
ル:外国語(エスペラント、英語、中国語、その他)
ヲ:政治学(歴史含む)
2)第二種は現在の高校の授業内容とほぼ同じなので省略。
3)時間配分は、1日に第一種2コマ、第二種2コマの各50分4コマが基本。午後は課外活動、クラブ活動、もしくは自由。土日は授業無しだが、学校は使用可。(3年間、午後は野球だけでも図書館に入り浸りでもピアノばかり弾いていたでも可)
4)校則1「校内でのセックスは禁止」(笑)この種の高校で、これを認めたら風紀退廃は確実。
5)校則2「身近な他者への嘲笑と愚弄、暴力を禁ずる」。目に余る校則違反者は退学。べつにこの高校はDQNの救済機関ではなく、一般の子供の全的な能力を伸ばすことを目的としている。