世田谷区保健センターというところのホームページから転載。
ふと、乳酸がなぜ肉体的疲労(筋肉疲労)の原因になるのか、そのメカニズムが知りたくなってネットを見たところ、驚いたことに、乳酸は疲労の原因ではない、とか、乳酸を疲労物質と呼ぶのは間違いだ、と書かれたサイトが最初にずらっと並んで出てきた。
これはまたしても、医学界の陰謀かな、という気がするので、根気よく、乳酸と疲労との関係を説明したサイトを探して、見つけたのが下の記事だったわけだ。
この説明は実に腑に落ちる。筋肉は酸に弱いから、乳酸が蓄積されると十分に働けなくなる、それが疲れやだるさ、筋肉の張りになる、というのは合理的な説明ではないか。実際、肉類を酸に漬けると変性する現象は私も知っている。要するに、薄切りの生ハムにレモン汁をかけると白くなる、といったことだ。乳酸もクエン酸も同じく酸である。肉の赤身は鉄分であり、それが白くなるというのは鉄分が失われか変質したということだろう。ということは、酸素を保存する力が失われたということではないか。こう言うと、クエン酸は疲労回復に効用があるはずではないか、と言われるかもしれないが、それも怪しいものだ。少なくとも、クエン酸が筋肉に直接働きかけて疲労回復させるのではない、と思う。
ところで、乳酸は筋肉の無酸素活動で生じるらしい。ということは、酸素供給をきちんとしながら活動すれば肉体疲労は最小限度に抑えられる、ということだろう。実際、そうであるらしい。私は肉体労働者だが、仕事に慣れるまでは「力をこめて仕事をする」のが常で、そのころは毎日のように死ぬほど疲れていた。というのは、力を入れる運動とは自然に「無酸素運動」になるのである。要するに、息を止めないと全力は出せない、ということだ。逆に言えば、全力を出す必要も無いのに息を止めて無酸素運動をすると、死ぬほど疲れる、ということである。
百姓仕事などもそうだと思うが、長時間の肉体労働をする人は、実にゆったりと仕事をする。力などほとんど入れることはない。力は道具や機械が出してくれるのであり、自分自身の力をいかに使わないようにするかが、肉体労働の秘訣だと言えると思う。
で、私自身の経験から言えば、「呼吸をゆっくりとすること」が「疲れない労働」のポイントだった。別の言い方をすれば、「常に静かに呼吸をしながら動くこと」「無酸素運動をしないこと」が秘訣である。切迫した呼吸は、どうしても切迫した動作になり、無意識的に無酸素運動になりがちなのである。呼吸をうまくコントロールできれば、肉体労働者の初段くらいにはなったと言えるのではないだろうか。
なお、付記すれば、無酸素運動による急激な疲労は、完全にではないが、呼吸を整えながら有酸素運動をしている間に回復するものである。つまり、筋肉に酸素を送り込むことで疲労の一部は回復できる。「運動をしながら疲労回復できる」わけだ。これも長時間の肉体労働の秘訣で、ここでも呼吸を整えることが大事である。
念のために言うが、乳酸は肝臓でブドウ糖などに変わるから、乳酸自体が完全に悪というわけではない。ただ、疲労に関してはやはり悪玉だろう、という話である。
なお、ここは疲労の問題を話しているのであり、筋肉細胞の分裂、つまり筋肉の増大は筋肉の無酸素運動で起こると言われており、若者が肉体を作り上げる過程では無酸素運動も大事である。まあ、筋肉など、現代生活でそれほど必要だとは私は思わないのだが、男の「見た目」には筋肉も大事だろう。ただし、日本の女性は男性の筋肉をそれほど魅力的だとも思っていないと聞いたことがある。特に、ボディビルダーの体は滑稽でグロテスクだと思うようだ。実は私もそう思う。必要以上に筋肉のついた体は、男でも美しくはない。優れたアスリートは必要以上の筋肉は体につけないものだ。というのは、たとえばボクサーなどが上腕二頭筋などを鍛えると、(それは腕を縮める筋肉なので)パンチのスピードは落ちるからである。ただし、一般的には力やスピードは筋肉の量に比例してはいる。私が言うのは、無目的な筋肉は無意味だ、というだけの話だ。男なら多少は筋肉質のほうが見た目はいいだろうから、若者が体を鍛えることは結構だ。だが、それより自分の頭で物事を正しく判断できる程度に頭を鍛え、友人と政治の話がまともにできる程度に本を読み教養をつけるべきだろう。
(以下引用)
ふと、乳酸がなぜ肉体的疲労(筋肉疲労)の原因になるのか、そのメカニズムが知りたくなってネットを見たところ、驚いたことに、乳酸は疲労の原因ではない、とか、乳酸を疲労物質と呼ぶのは間違いだ、と書かれたサイトが最初にずらっと並んで出てきた。
これはまたしても、医学界の陰謀かな、という気がするので、根気よく、乳酸と疲労との関係を説明したサイトを探して、見つけたのが下の記事だったわけだ。
この説明は実に腑に落ちる。筋肉は酸に弱いから、乳酸が蓄積されると十分に働けなくなる、それが疲れやだるさ、筋肉の張りになる、というのは合理的な説明ではないか。実際、肉類を酸に漬けると変性する現象は私も知っている。要するに、薄切りの生ハムにレモン汁をかけると白くなる、といったことだ。乳酸もクエン酸も同じく酸である。肉の赤身は鉄分であり、それが白くなるというのは鉄分が失われか変質したということだろう。ということは、酸素を保存する力が失われたということではないか。こう言うと、クエン酸は疲労回復に効用があるはずではないか、と言われるかもしれないが、それも怪しいものだ。少なくとも、クエン酸が筋肉に直接働きかけて疲労回復させるのではない、と思う。
ところで、乳酸は筋肉の無酸素活動で生じるらしい。ということは、酸素供給をきちんとしながら活動すれば肉体疲労は最小限度に抑えられる、ということだろう。実際、そうであるらしい。私は肉体労働者だが、仕事に慣れるまでは「力をこめて仕事をする」のが常で、そのころは毎日のように死ぬほど疲れていた。というのは、力を入れる運動とは自然に「無酸素運動」になるのである。要するに、息を止めないと全力は出せない、ということだ。逆に言えば、全力を出す必要も無いのに息を止めて無酸素運動をすると、死ぬほど疲れる、ということである。
百姓仕事などもそうだと思うが、長時間の肉体労働をする人は、実にゆったりと仕事をする。力などほとんど入れることはない。力は道具や機械が出してくれるのであり、自分自身の力をいかに使わないようにするかが、肉体労働の秘訣だと言えると思う。
で、私自身の経験から言えば、「呼吸をゆっくりとすること」が「疲れない労働」のポイントだった。別の言い方をすれば、「常に静かに呼吸をしながら動くこと」「無酸素運動をしないこと」が秘訣である。切迫した呼吸は、どうしても切迫した動作になり、無意識的に無酸素運動になりがちなのである。呼吸をうまくコントロールできれば、肉体労働者の初段くらいにはなったと言えるのではないだろうか。
なお、付記すれば、無酸素運動による急激な疲労は、完全にではないが、呼吸を整えながら有酸素運動をしている間に回復するものである。つまり、筋肉に酸素を送り込むことで疲労の一部は回復できる。「運動をしながら疲労回復できる」わけだ。これも長時間の肉体労働の秘訣で、ここでも呼吸を整えることが大事である。
念のために言うが、乳酸は肝臓でブドウ糖などに変わるから、乳酸自体が完全に悪というわけではない。ただ、疲労に関してはやはり悪玉だろう、という話である。
なお、ここは疲労の問題を話しているのであり、筋肉細胞の分裂、つまり筋肉の増大は筋肉の無酸素運動で起こると言われており、若者が肉体を作り上げる過程では無酸素運動も大事である。まあ、筋肉など、現代生活でそれほど必要だとは私は思わないのだが、男の「見た目」には筋肉も大事だろう。ただし、日本の女性は男性の筋肉をそれほど魅力的だとも思っていないと聞いたことがある。特に、ボディビルダーの体は滑稽でグロテスクだと思うようだ。実は私もそう思う。必要以上に筋肉のついた体は、男でも美しくはない。優れたアスリートは必要以上の筋肉は体につけないものだ。というのは、たとえばボクサーなどが上腕二頭筋などを鍛えると、(それは腕を縮める筋肉なので)パンチのスピードは落ちるからである。ただし、一般的には力やスピードは筋肉の量に比例してはいる。私が言うのは、無目的な筋肉は無意味だ、というだけの話だ。男なら多少は筋肉質のほうが見た目はいいだろうから、若者が体を鍛えることは結構だ。だが、それより自分の頭で物事を正しく判断できる程度に頭を鍛え、友人と政治の話がまともにできる程度に本を読み教養をつけるべきだろう。
(以下引用)
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