久しぶりに「反戦な家づくり」記事だが、私は韓ドラ自体にあまり食指が動かないのである。ただし、韓国の映画やテレビドラマが現在の日本より上だろうとは思う。今の日本には黒澤も小津も小林正樹もいないのだから当然だ。いや、制作陣が「いい加減に作っている」のだから当然だ。ただし、その中でも時々優れた作品は生まれるのだから、この記事の筆者のように韓ドラ全肯定、日本ドラマ全否定というのはいかがなものだろうか。日本のドラマにも優れた作品はたくさんある。映画は、ほとんどダメダメだが。
まあ、演技はともかく、日本の俳優の顔のほうが見ていて安心する。そもそも、私は日本人以外の顔は苦手である。ただ、いい脇役俳優、味のある俳優は少なくなったかな、と思う。志村喬など、主役でも脇役でも、実に存在感のある俳優だった。黒澤映画の大黒柱だったのである。小津なら当然、笠智衆。女優だと、沢村貞子や杉村春子のような役者は今はあまりいないのではないか。あるいは、菅井きんとか。金儲け主義だと、こうした脇役俳優は粗末な扱いを受けるだろう。
(以下引用)前半省略
韓国の自殺率は10万人あたり25人前後でOECDで最悪。10代~30代が増えているという。
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ちょっと韓ドラからは外れるが、こちらのグラフを見ていただきたい
(Wikipediaより クリックすると拡大)
韓国の自殺者数が1998年頃から急増しているのがわかる。
1998年に何があったか。アジア通貨危機と、IMFによる支援(支配)である。
(正確には1997年末から)
IMFによる極端な新自由主義と緊縮財政を強いられた。
記事を引用する。
韓国に乗りこんできたIMFは構造改革と称し、金融、貿易の保護政策をすべて撤廃させました。韓国人は経済の国家主権を失ったと嘆き、日本による植民地化に続く「第2の国恥」と呼んだのです。
韓国人が失ったのは面子だけではありませんでした。IMFが実施した厳しい緊縮政策で、多くの人が職を失いました。
経済が回復した後も、企業は非正規職の比率を高めたうえ、正規職に対しても「名誉退職」の名の下、40歳代定年制を導入するなど、厳しい姿勢を維持しました。
IMF危機を境に韓国経済の国際競争力は格段に高まり、サムスン電子や現代自動車など世界に冠たる企業が登場しました。しかし同時に雇用の不安定、貧富格差など現在、韓国が抱える問題も生んだのです。
(引用以上)
ここから25年を経て、確かに韓国は一人あたりGDPで日本を抜き、大きく経済成長を果たした。
その裏側で、極めて厳しい社会格差が広がっていった。
韓ドラが面白いのは、その社会状況と無縁ではない。
というか、裏表の関係にあると言える。
あまりにも厳しい経済状況のなかで、世界で売れる商品を作る、という執念、根性、情念でもって韓国のエンタメは作られている。ジャニーズと吉本でお茶を濁しておけば、とりあえず日本人は見てくれるという、ふやけた日本の芸能界とは、根本が違う。
K-POPにしても、歌がうまい。数年間の徹底した訓練を勝ち抜かないと、デビューはできないからだ。
日本の自称「アーチスト」のような、音程さえ合わないくせに、格好つけて謳ってる連中は、そもそもデビューさえできない。
もっとも、あまりに厳しいので、K-POPアイドルの自殺者が絶えないのだが。
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韓ドラの話に戻ろう。
韓ドラの演出で特徴的なのが、美しい映像と、あるあるの作法である。
ストーリーもさることながら、画面に見入ってしまうのは、どの場面をとっても切り取って壁に貼っておきたいような美しい映像が続いているからだ。
CGで作っている夜景ばかりでなく、場末の路地の場面でも、うまくぼかして色を調整し、光を使って美しい映像にしてしまう。
(愛と、利と より)
なにやら、使ってるカメラが映画用で、日本のドラマとは別格なのだとか。
だが、たぶん原因はそれだけではない。以下は映画の話だが、ドラマにも同じ流れはあるのでなないだろうか。
先取り! 深掘り! 推しの韓流:日韓の現場知る助監督が明かす、世界レベルの作品を生む秘密
2022年5月6日 ひとシネマ 藤本信介
こうした変化は、映画業界の労働組合が、スタッフの賃金上昇や保険加入などを要求し続けた結果だと思う。10年ほど前、最低賃金が厳守されるようになったり、時給計算してギャラを払うという方法が登場したりと、試行錯誤を繰り返していった。
大きく変わったのは15年。映画会社は「標準勤労契約書」を交わすことを義務づけられた。製作費をしっかりかけることで視覚的にも見栄えのある映像となり、ヒットにつながってきた。そのためさらに製作費をかけて、さらに見栄えのする映画を製作する流れは加速している。
(略)
疲れきった肉体状態で耐えるのが当たり前だった撮影現場が、今では人間らしい生活を維持しながら撮影を楽しめる環境になり、スタッフの笑顔が格段に増えた。肉体面と精神面の余裕が仕事の効率と柔軟なアイデアにつながり、クオリティー面にもいい影響を与えていると言える。
(引用以上)
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韓ドラといえば。というような「あるある」が多い。
それを詰め込んだチャミスル(韓国の緑ボトルの焼酎)のコマーシャルがこちら。
これ以外にも、黒い帽子をかぶったら正体はばれない、とか、河原や橋の上で車で落ち合ったら絶対に敵に見つからない、とか、いろんな「作法」がある。
これらは、「これをやったらこういう意味」というお約束で、細かい話は省くという演出だ。
ただし、メインストリームを追っていくなかで、枝葉まで細かく描いてしまうと分かりにくくなるためだろう。
吉本新喜劇のように一番大事なギャグをお約束でお客さんに笑ってもらうのは論外だが、韓ドラの作法は、慣れてしまえばたしかに集中力が切られることがない。
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役者の演技はどうか。
ド素人があれこれ言うのも失礼かも知れないが、韓国の役者には、なにか吹っ切れたものを感じる。
昨年話題になった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」では、パク・ウンビンが自閉スペクトラム症を持つ天才新人弁護士を演じた。
解釈や演じ方によっては障がい者差別になりかねない難しい役を、かなり悩みながら演じたそうだが、映像を見ると吹っ切れている。
この人の演技を見たくて、1月に入院したときに何本かまとめて見てみたけど、ほんとに何にでもなれるのでは、と感じてしまった。
パク・ウンビンさんに限らず、韓ドラの役者さんは、格好つけずに役にのめり込んでいるように感じる。その辺は、制作側の情念と共通しているのかも知れない。
演技だけでなく、言葉の影響も大きいのだろう。
韓国語は日本語に比べると、極端に短い。
わたし が ネ だし、おなかがすいた が ペゴパヨ だ。
しかも、一気にしゃべるので、同じ意味を半分くらいの時間でしゃべっている。
その分、イントネーションが大事で、機関銃のようでありながら、歌のような抑揚があり、意味はほとんど分からないけれども、聞いていて気持ちが良い。
聞くと言えば、なんといってもOSTだ。
Original Sound Track の略で、挿入歌なのだけれども、もはやBGMの域ではなく、台詞や画面と一体のもうひとつの要素になっている。作品によっては、あたかもミュージカルのように歌詞が語りの役を果たしていることもある。
SONDIA とか イ・スヒョンなど、抜群に歌もうまい。
日本は曲を売るためにドラマとタイアップすることが多いが、韓ドラのOSTはほとんどドラマのために作られてオリジナルだし、OSTがひとつの音楽のジャンルになっているそうだ。
歌については、また気がむいたら、書いてみたい。
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先ほどの自殺者数のグラフで、日本は10万人あたり20人未満となっているのだが、実はこれは誤魔化しだという見方が強い。
自殺者7年連続減に“トリック”
2017年2月1日 日刊ゲンダイ
警察庁の「死体取扱数等の推移」を見ると、「変死体」の数は10年前には1万2747体だったが、一昨年は2万211体と約8000体増えている。比例するように自殺者数はこの10年間で8000人減っているのだ。
(略)
「ひと昔前は自殺に対する考え方も緩く、ある程度は自殺として処理していました。ただ、最近は、遺書などの具体的な証拠がなければ、自殺とは認めず、変死体として処理するようになったそうです。すると、見かけ上の自殺者数が減るだけでなく、司法解剖を行うので予算を要求しやすくなる。一石二鳥なわけです。このようなトリックは『統計の魔術』と呼ばれ、考え出した人が警察内部で出世していく」
(引用以上)
人の命をFPSゲー程度にしか思ってないサイコパスが将来の幹部候補だったという事実