千葉県市川市内のマンションの一室で起こった凄惨な事件。千葉県警は6月28日、死体損壊・遺棄の疑いで新(あたらし)かほり容疑者(45)を逮捕した。残忍な犯行内容と彼女の語る不可思議な動機は、大きな話題を呼んでいる。殺害されたのは、新容疑者の母・博子さん(享年75)だった。
【写真】キャラクターTシャツを着て踊る新かほり容疑者。他、新容疑者のFacebookなど
「霊媒師になるために修行に行く必要があり、母がいると行けないので殺した」などと供述しているという新容疑者。彼女は、今年6月から急速にスピリチュアル団体「K」に傾倒していたことが、NEWSポストセブンの取材で分かった。
新容疑者は、博子さんと長らく二人暮らしだった。県警の調べに対して「寝ている間に母の首を絞めて殺して、浴室に連れていき、家にあった包丁で切断した。遺体の一部を食べた。ほかの一部は後で食べるつもりだった」という趣旨の発言もしているという。
「死亡解剖の結果、遺体の首には圧迫された窒息死の形跡があり、足や胴体が刃物で切断されていた。食道や膀胱などは丸ごとなかったことから、同容疑者の供述内容に矛盾はないと県警は判断し、さらに詳しい動機や経緯などを慎重に調べています」(社会部記者)
千葉県内や、都内の複数のトレーニングジムなどで、リズムフィットネス、ヨガ、南米発祥のフィットネスプログラム「ZUMBA」などの講師をしていた新容疑者。今年1月、都内でレッスンを受けた生徒が振り返る。
「彼女は信頼できる先生でした。とても人当たりがよくてね。私が腰痛や膝痛といった悩みを話すと、体の動かし方やケアの仕方を丁寧に教えてくれて、後日“この間おっしゃってた痛み、その後どうですか?”ってフォローもしてくれて。本当に親身に相談に乗ってくれました。このジムでの仕事は、年度末に辞めたんじゃないかな。報道を見て驚きました。まったく別人に見えるほど怖い顔で。いまでも、とても事件を起こすような人には思えなくて……」
新容疑者は事件を起こす数週間前から、スピリチュアル団体「K」に傾倒していた。「K」は、男性シンガーソングライターのAさんが主催する団体だ。Aさんは、音楽活動歴30年、シャーマン歴20年と謳い、メインの活動の音楽ライブについては「浄霊・浄化の『浄音(きよね)』」と説明。全国各地で行う講演会では、スピリチュアルな内容を中心とした環境・飢餓問題、食育、未来について語り、ワークショップ(体験型講習会)では「魂の浄化」「心の解放」「自己の探求」「覚醒」を目的に「自分を変える」というテーマで開催しているという。
チャリティーイベントも開催しているが、「祈り唄やスピリチュアルなお話をさせて頂いておりますが、如何なる宗教団体にも属しておらず、宗教・政治団体の勧誘及び資金集め宗教団体設立等を目的とした活動には、一切関与致しておりません」と、「K」は宗教団体ではないということが強調されている。
新容疑者は、事件直前の数日間、「K」の関連アカウントのFacebook投稿を何本もシェア。犯行日前日の6月26日には、同25日の「K」の京都での5時間講演会のお礼投稿に、「お疲れさまでございます! 見守り下さり、感謝いたしております」と、笑顔の絵文字付きでコメントしていた。
「『K』に関連するコミュニティに登録してから日が浅いですが、新容疑者は、すでに“トップファン”の認定バッジを持つほど熱心に『K』を信奉していました。『K』のFacebookグループには3万人ほどのメンバーがいますが、そのうち、“トップファン”はごく一部。新容疑者の『K』への傾倒ぶりは一般には理解できないほどの領域に入っていたかもしれません」(前出・社会部記者)
一部報道では、新容疑者は5年ほど前から霊媒師のところに足を運び、ときには博子さんを連れてくることもあったという。なぜ新容疑者は博子さんを殺害し、遺体を切断したのか──捜査の進展が引き続き注目される。