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「解像度」という言葉の便利さ

私は流行語は基本的に嫌いだが、「解像度」は流行語になるかなり前から私自身が使っていた。つまり、「大きく見える」のと、「精細に見える」のはまったく違うのであり、これは耳(聴力)に関して私が昔から感じていたことなのである。「解像度」という言葉は、その違いをかなり世間に気づかせたと思う。もちろん、視覚についても使用できる。私の目は、日常生活では何の不便も無いが、30センチ以内の距離の書物のルビや濁点・半濁点は明確に見えない。つまり、解像度が悪い。

(以下引用)


イシデ電
@IshideDen
「見える化」「気付きがある」は気持ち悪い。「学びを得た」はとくになんとも思わない。「解像度」は慣れたし試しに使ってみたらとても便利で困った。

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ハードボイルド小説という「強い男」幻想ジャンル

先ほど、寝床の中で「湖中の女」を読み終えたのだが、水中の死体の謎については、私の推測通りであった。ただ、作中の謎はその後いくつも出てきて、しかも富豪夫人が生きて活動しているらしい話が長々と続くので、「俺の推理(推測)は間違いだったかなあ」と思いながら最後まで読んだが、一番最初の謎自体は私が最初に考えた通りである。つまり、「The lady in the lake」という題名で最初から明白だったわけだ。
推理小説としてはどうなのかね、と思うが、チャンドラーは「パズラー」としての推理小説を全否定し、「小説」としてのハードボイルドの旗を掲げていた人間だから、謎自体には重きを置いていないと推測はできる。しかし、次から次へと人間が殺され、暴力行為が起こり、しかもたいていはその殺し方に芸が無いのだから、暴力やセックス自体にあまり興味の無い、むしろ暴力に嫌悪感を持つ私のような人間にはあまり読書対象にはならないジャンルのようだ。
ついでながら、謎というのは、犯罪行為があれば、「誰が」「なぜ」やったのか、という謎が自然発生するのだから、その犯人を追う行為の中で必ず謎解きは発生するのである。問題は、それ(犯人や犯行動機)を作者が意図的に隠すということをしながら、「途中段階での重要事実提示や推理行為」を最小限にし、そのことで最後の「名探偵、みなを集めてさてといい」という推理小説の結びを「決め」ながら、リアルぶってみせるインチキにあるのではないか。
チャンドラーの美文のせいか、ジャンルの一般特性か分からないが、とにかく、事実描写が読み取りにくいので、「推理小説」としては読解に難儀なジャンルであるようだ。まあ、暴力描写があれば、それが嬉しいという読者向けだろう。人間の汚さを描くジャンルという点では、「自然主義」文学に近いか。しかし、汚い現実など、なぜ小説の中までそれを読みたい人間がいるのだろう。

今思いついたのだが、「湖中の女」のメインの謎(トリック)は、チャンドラーが「簡単な殺人法」というエッセイの中で散々にけなして批判しているA・A・ミルンの「赤い館の秘密」のトリックの換骨奪胎ではないかと思う。その疚しさがあるから、チャンドラーはミルンの「赤い館の秘密」を批判した気がするwww あまり「男らしくない」行為のようだ。ただし、「簡単な殺人法」自体は面白いエッセイである。

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「推理小説」としての「湖中の女」

ハードボイルド小説を推理小説の範疇に入れていいのかどうか分からないが、今では「探偵小説」(このほうが、まさにハードボイルド小説にふさわしい。)という名称は廃れているので、一応推理小説としておく。もちろん、だいたいは「謎」の要素はあるからだ。
しかし、チャンドラーの「湖中の女」は、推理小説としてはどうなのかなあ、という気がする。そもそも、題名(原題)が「The lady in the lake」なのだから、話の前半(まだ第5章までしか読んでいないが)の「謎」である、お金持ちの夫人の失踪の謎は、彼女が「湖の中の死体」となって解決されるのではないか。何しろ「in the lake」なのだから、このlady(レディと呼べる女ではなく、淫乱で万引き常習犯で無軌道な女だが)は、湖中の死体になっているしかない。on the lakeなら、湖の傍(onは「上」ではなく、接触を示す。「上」でも接触状態としての「上」である。)ということも考えられるだろうが、わざわざ「in」としているのだから、水中だろう。
つまり、推理小説としては、この題名はダメダメだ、と言えるかと思う。まあ、死体のありかではなく、死体になった理由が問題ということだろう。そうなると、私の推理は、湖畔のロッジの管理人の、同じく失踪した女房が(殺人犯として)一番怪しいと思う。というのは、管理人の退役軍人は色キチガイの富豪夫人と寝たことで、その女房と喧嘩し、女房は失踪したからだ。(経済関係では、この富豪夫人を殺して利益を得る者は、今のところ出てきていない。まあ、せいぜい、殺害のついでに身近な品物を盗む程度だろう。)つまり、怨恨による殺人事件である。この失踪した管理人夫人が「lady in the lake」であるというのは無理がありそうだ。さすがに、山小屋の管理人夫人をレディとは呼ばないだろう。大富豪夫人も資質はレディではないが、階級は上流階級だ。
ついでだが、富豪夫人の失踪の数日後に夫人が打ったとされる電報は、山小屋管理人夫人がメキシコだかどこかから打ったわけである。
ちなみに、以上の推理は、全41章の5章までを読んだ段階でのものである。もちろん、解説などは読んでいない。まあ、ハードボイルド小説は「冒険小説」であって、謎解きなど添え物にすぎない、と考えるのが正しいかと思うので、上に書いた「推理」はただの思考娯楽としての推理だ。

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美文と名文の違い

私は、翻訳者というのを尊敬している。外国語を熟知しているだけでなく、日本語の達人でないと翻訳はできないだろう。だが、先ほど読み始めた、レイモンド・チャンドラーの「湖中の女」は、冒頭の2ページを読んだだけで、頭の中に「?」が幾つも浮かんできて困るのである。翻訳は清水俊二で、映画字幕の専門家でもあったと思う。で、その疑問が原文のせいか、翻訳のせいかは不明だが、日本人が日本文を読んで理解できない以上、その日本語を書いた翻訳者に一応の責任は帰せられるのではないかと思う。
きちんと抜き出さないと説明不十分になると思うが、長い抜き出しは面倒なので、簡単に書く。主人公の探偵が依頼主と思われる化粧品会社社長を訪ねる場面のようだ。

1:一方の隅に背の高い三角形のショウ・ケースがおかれてあった。

ショウ・ケースは立体だが、「三角形」は平面図形である。とすると、このショウ・ケースは、どこがどのように三角形になっているのだろうか。一番該当しそうなのは(三角形ではなく)「三角柱」だと思う。まさか、正面から見て三角形、つまりピラミッド型というわけではないと思う。

2:すべてのシーズンとすべての場合のクリームとパウダーと石けんとトイレット・ウォーターがあった。

これは純粋に私自身の無知によるものだと思うが、化粧品と並べられた「トイレット・ウォーター」とは何なのだろうか。まさか、水洗便所で流す水ではあるまい。「トイレット」が化粧室の意味なら「化粧水」(というのがありそうな気がするが)とでもすべきではないのか。


3:息を吹きかけただけでふっ飛ぶのではないかと思われる背の高い細い瓶に入った香水

これは作者チャンドラーの比喩(彼は比喩が大好きなようだが)が下手なのだと思う。背の高い細い香水瓶は、息を吹きかけたら「倒れる」だろうが「ふっ飛び」はしないだろう。お前は「三匹の子豚」の狼か。

4:(その香水は)咽喉のくぼみに一滴たらすだけで粒のそろったピンクの真珠が夏の雨のように降りそそいでくるだろう。

咽喉に「くぼみ」があるか?それに、なぜ香水を咽喉に垂らすのだ?
まあ、チャンドラーがお得意の比喩をできるだけ奇抜にしようとした勇み足だろう。

5:部屋のすみの手がとどきにくいしきりの中の小さな交換台に小ざっぱりした金髪娘が座っていた。

「交換台」とは何だろうか。そして、交換台とは「座る」ものだろうか。「手がとどきにくい」とは誰の手が何にとどきにくいというのだろうか。電話交換台(?)席の娘に客の手が届きにくいのか?客は何のために娘に手を届かせようとするのか。
 
6:ドアから正面の飾りのないデスクには背が高く、ほっそりした、薄い色の髪の娘が座っていた。

娘は「座っていた」のだから、その娘が「背が高い」かどうかは分からないだろう。座っていても背が高く見えるほど座高が高いとしても、足が短ければ背は低いかもしれない。

ほかにも、どういう情景なのか、はっきりイメージできない描写が多い。チャンドラーは名文家だと見られているようで、確かに良く知られた名セリフが多いが、文飾が過ぎて、読者が明確なイメージを作れないことが多い気がする。


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顔(マスク)と「本当の自分」

山本弘という作家の「ビブリオバトル」シリーズの中に、こういう一節があって、まったく同感である。(この作家の言動を全肯定するわけではない。「陰謀論」否定論者というのは馬鹿だ、と私は思っているから。まあ、「頭のいい馬鹿」だろう。作品には面白いものもある。)

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自分を装っている人は大勢います。でも、本気で自分を内面から変えたいと思ってる人なんて、ごく少数じゃないでしょうか。だって、自分を変えるということは、それまでの自分を殺すこと――一種の自殺ですから。

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たいていの人は他人の前で演技をしているものだが、その演技が苦痛である人と苦痛でない人がいる。で、その苦痛の解決法のひとつは「自分を変える」ことで演技の自分に近づけることである。だが、それは上記の言葉の言うように、一種の自殺だから、それ自体も非常な苦痛であるわけだ。この種の「自分を変える」行為ができない人間が引きこもりになったりする。外界との接触を断つことは、当人には天国なのである。これが第二の解決法だ。もちろん、自分を変えることに成功して、幸福になる人もいるだろう。

外面(そとづら)、内面(うちづら)という言葉は、人間の二面性(社会的自己と本質的自己)をよく示している。だが、その内面(うちづら)というものさえ、「家族の前での演技」であることも多いだろう。つまり、「本当の自分」は心の中にしか存在しないし、その自己認識すら自分への欺瞞であることも多い。

演技と同様に、自分の真実の顔を隠すのが「マスク」である。女性の場合は化粧もマスクのひとつだろうか。マスクとは「仮面」なのだが、最近は衛生マスクで顔を隠すということも、顔を隠したい人の助けになっている。

山本弘の同じ本の中に、「美少女仮面ポワトリン」への言及があったが、私は、このテレビ番組の題名は実に秀逸だなあ、と昔から思っている。番組自体は一度も見たことはない。番宣か何かの断片的な紹介シーンでは、主人公役の少女俳優は仮面をつけていなかったが、まあ、普通の顔で、美少女には見えなかったが、「ポワトリン」という名前が秀逸だなあ、と思っていたわけだ。何となくポワポワした感じで、語尾の「~リン」が可愛さを強調している。よくこんな名前を考えられたものである。しかし、問題は「美少女仮面」とは何か、ということだ。「美少女の仮面」で、中身は凄いブスということか、それとも、「仮面の下は美少女」ということか。後者なら、題名に偽りあり、である。

私は「オーバーロード」のイビルアイというキャラが大好きなのだが、こちらは。不気味なマスクの下の顔が美少女らしい描写がちらりと出て来る。私はこのキャラの性格が好きで、そうすると、その不気味なマスクまで好きになる。顔というのは、マスクと大差ないと見ることもできる。顔など、整形手術でどうにでもなるのだから、問題は内面(ないめん)なのだろう。



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BBCとNHK

ネットフリックスで、時々「モンティ・パイソン」を見ているが、もちろん、ギャグの数分の一くらいしか理解できない。しかし、教養がある人間ほど面白いだろうな、というのが分かる。
先ほど見た回だと、テレビの前に、色黒で半裸(褌ひとつ)の男が間抜けな顔で立っていて、頭のターバンからインド人だと分かる。そして、そのテレビの前のソファに座ったイギリスの上流婦人ふたりがテレビを見ているのだが、番組が退屈だったらしく、手元の「リモコン」を操作する。すると、テレビの前に立っていたインド人に電流が流れたらしく、苦悶しながら、必死にテレビのチャンネルを変えるのである。つまり、「(電動だが)人力リモコン」であるwww
イギリスのインド支配と人種差別とイギリスの階級社会を皮肉っているわけだが、これがイギリスの国営放送であるBBCが放映した番組だというのが凄い。日本のNHKの「政府の飼い犬」ぶりと大違いである。こういうあたりだけは、イギリス人が私は好きである。

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SMILE!

まあ、だいたい犯罪者に多い顔だよなあ、しかし、不細工だが普通の顔も少しいるなあ、と思っていたら、下段は非犯罪者だったwww 上段との違いは、眼光の鋭さが無いことくらいか。つまり、凶悪犯は「欲望への意志」が目力になっているわけで、戦国時代なら英雄になる顔ではある。
東海アマ氏も、人を殺したことのある人間は目で分かる、と書いていた。
下段が非犯罪者といっても、詐欺師や教師や政治家に多い顔で、単に「粗暴犯ではない」だけのことではないか。ついでに言えば、笑顔でいれば、悪党も含め、ほとんどの人間は善人に見える。運転免許証の写真が犯罪者にしか見えないのは、笑顔ではないからだ。

(以下引用)

【衝撃】AI「犯罪者の顔の特徴がこれです!」パシャ

1:風吹けば名無し:2023/06/06(火) 15:25:39.97 ID:ex7D86nS00606.net





2:風吹けば名無し:2023/06/06(火) 15:26:25.24 ID:XmqyKwgFr0606.net
一重=犯罪者




3:風吹けば名無し:2023/06/06(火) 15:26:45.92 ID:SFZsgifA00606.net
Scは大阪




4:風吹けば名無し:2023/06/06(火) 15:27:15.02 ID:8/LaLMKa00606.net
校長おるやん




13:風吹けば名無し:2023/06/06(火) 15:28:44.43 ID:Ma8xL4PD00606.net
>>4
なお下段は非犯罪者

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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