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「君の瞳に乾杯」

前に引用した小鷹信光の英語蘊蓄本の中に「カサブランカ」の例の「君の瞳に乾杯」の名セリフは誤訳だ、みたいな言葉が出て来るが、ズルいことに、「正しい訳」は何かは書いていない。
元の台詞は

「Here's looking at you」らしいが、さて、あなたはこれをどう訳すだろうか。

私の意見では、「君の瞳に乾杯」は、苦心の訳であり、名訳だと思う。
直観的な解釈だが、この台詞は

Here's something loooking at you

のsomethingを省略したもので、そのsomethingとは、グラスの酒を意味していると思う。
つまり、「酒が(飲んでほしいと)君を見ている」のだから、「君に乾杯」であるが、グラスの酒が「美しいあなたを見ている」のだから、「君の瞳に乾杯」は名訳だというわけだ。lookingという言葉が瞳を暗示しているということである。

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つまり、柔道の「自然体」と「自護体」ね

まあ、カネのかかる話なので庶民には無関係な話題だが、「免震」と「耐震」というのがどう違うのか、読んだついでに転載する。もっとも、記事中にその説明はないが、想像はできる。
要するに、「免震」は、基部(土台)をゴムなどで作ることで、地震の際に建物が「地面と共に揺れる」ことがないというものだろう。基部は地面と共に揺れるが、主体構造部は慣性でその位置にとどまるわけだ。「耐震」は、建物全体が揺れるので、根本的には被害は防げないというか、大きな揺れには「耐えられない」ということだと思う。「耐震」も耐える限度があるわけだ。
法隆寺五重塔などが一種の「免震」構造らしいと聞いたことがある。

(以下引用)

免震化で被害なし 耐震化は被害 明暗分かれた建物 能登半島地震


配信

読売新聞オンライン

免震化で損傷なし 耐震化で損傷


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児童文学から見る経済考察

リンドグレーンの「ラスムスくん英雄になる」という児童文学を読んでいると、スウェーデンの通貨単位である1ヨーレが日本の「70銭」に相当する、という注釈があり、念のためにこの本の第一冊発行年を確認すると1965年である。その年でも日本本土では「銭」という通貨が使われていたのだろうか。そして、銭という単位が無くなったのはいつなのだろうか。
ちなみに、1965年当時の沖縄は米国統治下にあり、ドルが使用されていた。25セントで「Cランチ」と呼ばれた立派なトンカツ定食(+サラダなど)が食えたから、25セントが今の500円硬貨くらいの価値だったのではないか。いや、今の物価高の日本なら1000円くらいの価値か。つまり、(1ドル=150円どころか)今の4000円が昔の1ドルの価値しかないわけである。まあ、カネの価値がどんどん低下しているのは日米とも同じだから、こうした比較は「GDPの増大とは結局はカネの価値が低下しただけ(単なる金融バブル状態)である」という結論になりそうである。


(以下引用)

あの日の沖縄



1958年9月16日 B円からドルへ法定通貨の切替え

 この日、沖縄での通貨がB型軍票(いわゆるB円)から米国ドルに統一されました。当時、沖縄は米国施政権下にあり、米軍が発行する緊急通貨であるB円が流通していました。琉球列島米国民政府高等弁務官は布令第14号「通貨」を発してB型軍票を廃止し、琉球列島における法定通貨を米国ドルと定めました。
 米軍は、沖縄の経済発展のために外国資本を積極的に導入して、雇用創出と新しい技術知識の導入を図ろうとしました。国際基準通貨であるドルへ移行することは、外資導入促進政策の一環とされました。ドル通貨制への賛否両論の渦巻く中で、9月16日から20日の間に1ドル120B円と、B円高の比率で通貨交換が実施されました。

銀行窓口でのB円からドルへの通貨交換 1958年9月16日【0000108928/059482】
 米軍は沖縄における通貨制度を二転三転しました。終戦直後の無通貨時代(配給や物々交換)を経て、緊急通貨B円の発行、新日本円への移行、B円を法定通貨に再指定(新日本円との二本立て通貨制)、その後B円を再び法定通貨に統一しました。
この1958年(昭和33)の通貨切替えから日本への施政権返還まで、沖縄では米国ドルが流通しました。1972年(昭和47)5月15日の日本復帰の日に米国ドルから日本円への通貨交換が行われ、沖縄は27年間に7回も法定通貨の変更を経験したことになります。

「ドル交換 首里支所」1958年9月17日【0000112303/10-56-1】


【参考・引用文献】
・牧野 浩隆 「通貨制度」『沖縄大百科事典 中巻』 1983年 沖縄タイムス社
・牧野 浩隆 『戦後沖縄の通貨(下巻)』 1987年 ひるぎ社
・与那国 暹 『タイムス選書 戦後沖縄の社会変動と近代化』 2001年 沖縄タイムス社



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般若心経と「ルール・ブリタニア」

今朝の未明の散歩の浮遊思考は、最初が仏教哲学のことで、その真髄は「色即是空 空即是色」にある、ということで、さらに、なぜ「色=空 空=色」になるかと言えば、その中間に「この世界の観察者」としての「我」があるからだ、ということで、当たり前と言えば当たり前だが、あまり誰も言っていないことのような気がする。
仏教とは畢竟、これだけのことで、だから、これは宗教ではなく哲学だ、と私は言っているのである。単純だが、このことを理解すれば、解脱できる。まあ、輪廻とは結局「迷いの世界」のことだ、というのが私の解釈だ。このことは前に何度か書いてあると思うが、いずれまた書くかもしれない。ちなみに、「色」とは、すべての現象のことである。
それから、源実朝の歌になぜ字余りが多いのか、という浮遊思考が浮かんできたが、そのきっかけというか、連想の元になったのが「もの言はぬ 四方(よも)のけだものすらだにも あはれなるかなや 親の子を思ふ」という歌で、正確な引用かどうかは保証しない。つまり、前の仏教思想からの関連で、「人間の情」と「色即是空 空即是色」は折り合いがつくかどうか、というのが潜在意識にあったのだろうと思う。で、源実朝という「政治家」は、感情過多の人間だったと私は想像しているのだが、「あまりに同情深い」というそれは人間としての美質だが、彼が若くして暗殺されたことは周知の事実だ。つまり、「用心深さ」が足りなかったのかもしれない。
さらに、これらのことを考えながら歩いている間中、通奏低音のように、あるメロディが心の底で流れていたのだが、それが何かと考えて、しばらくの思考の後、「ルール・ブリタニア」だと判明した。帝国主義イギリスを象徴するような軍歌(第二国歌とも言われる)で、行進曲でもあるから、散歩の伴奏曲向きではある。その歌詞をネットから探して載せておく。日本の軍歌とはかなり趣が違うことが分かるだろう。帝国主義、侵略主義の堂々たる正当化であるwww ちなみに、ブリタニアは「ブリテン」の語源と言われる女神である。意味を補って歌の題名を訳すなら「ブリタニア女神(英国)よ、世界を統治せよ」だろうか。







(以下引用)



歌詞[編集]

When Britain first at Heav'n's command
Arose from out the azure main;
This was the charter of the land,
And guardian angels sang this strain;
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
この世のはじめ 神の命を受け
碧海の中から興る ブリタニア
「これこそ証 国の証ぞ」と
守護天使らは斯く 歌い合えり
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
The nations not so blest as thee,
Shall in their turns to tyrants fall;
While thou shalt flourish great and free,
The dread and envy of them all.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
汝より祝福されえぬ国は
暴虐なる支配者の前に伏すだろう
なれども汝、豊かに自由に繁栄し
他の恐れと羨望 その身に浴びるを 感じるだろう
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
Still more majestic shalt thou rise,
More dreadful from each foreign stroke;
As the loud blast that tears the skies,
Serves but to root thy native oak.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
他国らがさらに畏怖して見つめる程
汝は尚も威厳もて育つべし
自然の樫の根付くことを除き
汝に服す 天裂く疾風の如く
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
Thee haughty tyrants ne'er shall tame,
All their attempts to bend thee down
Will but arouse thy generous flame;
But work their woe, and thy renown.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
汝を屈さす力無き 暴君の
汝をおとしめんとする 試みは全て
怒りに代えて 寛大なる情熱と
彼らの悲劇と 汝の名声立たしむ
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
To thee belongs the rural reign;
Thy cities shall with commerce shine;
All thine shall be the subject main,
And every shore it circles thine.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
汝にとって 支配は田舎の平和な地までも
汝の都市は 商業の繁栄をうけ
汝のものは全て 僕なる海原と
汝を取り巻く 数多の海の国
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
The Muses, still with freedom found,
Shall to thy happy coast repair;
Blest Isle! With matchless beauty crowned,
And manly hearts to guide the fair.
Rule, Britannia! Britannia, rule the waves:
Britons never never never shall[will] be slaves.
自由を見いだし給う 九女神
汝の幸福のため 浜辺を整えり 
ああ聖なる島よ! 無比の美を冠し
正義を守る 雄々しき心を秘めた
統べよ、ブリタニア! 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ

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「Stone me!」

トイレに置いて、少しずつ読んでいる、小鷹信光の「私のアメリカン・グラフィティ」という、アメリカ雑学談義の本、あるいは英語雑学談義の本があるが、その中に「stone me」という言葉がある。さて、これはどういう意味か、少しお考えいただきたい。












はい、時間切れ。
この本では、これは「おっ、凄い!」と訳されている。この訳が適切かどうかは置いておいて、なぜそう訳できるのか、その「理屈」を、まあ、屁理屈でいいから、少しお考えいただきたい。私の「解答」は数行の空白の後に書く。











さて、私の解答だが、これは文字通り、「俺に石をぶつけろ!」という意味だと私は思う。つまり、stoneを動詞として使ったわけだ。で、この言葉は、何かに驚いたりひどく感心したりした場合に使うから「おっ、凄い!」と訳されたのだろう。で、なぜそうなるのかと言えば、前に書いた「ダッシュボード(=衝突板)」と同じく、ユーモアだろう、というのが私の推理である。
つまり、何かにひどく驚いたという状態は、いわば茫然自失の状態だから、その自分を正気に戻すために、「誰か俺に石をぶつけろ」と言っているのだ、というのが私の解釈である。
まあ、世の学者や学習者は真面目な人が多いから、こういうふうにユーモアの観点から物事を考えるのが苦手なのではないか、と思われる。もちろん、私のこの考察が正解だと言い張る気はない。私を馬鹿だ阿呆だと思う人は私に石を投げてもいい。ただし、「罪無き者、まず石を投げよ」である。学習の面で間違ったことの無い者にだけ石を投げる資格がある。





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「健康」とは何か

今朝の未明の散歩の中での浮遊思考の最初のテーマ(?)は「健康」とは何か、という問題だが、その前に考えたのが、前から何度か書いている「身なりに構わないのは社会的自殺である」というバルザックの言葉で、その対語として考えたのが「自分の周囲や他人の思惑にだけ拘泥するのは自我の自殺である」という命題(テーゼ)だ。身なりに拘るというのは基本的に「他人の目を気にする行為」だと私は思うのだが、もちろん、「自我の表現だ」と主張する人もいるだろう。だが、その「表現」も他人に向けての行為だというのは変わらない。まあ、この件はこれだけでいい。

で、その次に考えたのが「健康とは何か」だが、これは散歩という行為が健康のためでもあるという深層心理から出て来た想念だろう。
漢字熟語としては「健康」は「健」と「康」から成るが、「康」の字の意味のほうが分かりやすい。これは人名で「やすし」とも読まれるように、「安らかである」意味だろう。「国家鮟鱇」、じゃない「国家安康」の「安」も「康」も安らか、安泰の意味かと思う。
問題は「健」の字で、これは「すこやか」と読まれるし、「健全」などの熟語があるが、実は私は「すこやか」の意味がよくわからない。よく、子供に「すこやかに育てよ」などと言ったりするらしいが、その「すこやか」はどういう意味か。「にぎやか」とか「さわやか」の語から見て、「すこ」に意味があると思うが、その「すこ」の意味が分からないのである。すこやかに通じるような、他の「すこ」を使った言葉を知らないのである。
そこで、漢字から考えてみると、「健」の字はニンベンに「建」である。つまり、「人が建設(建造)される」上での根本や基本、土台ということだろうか。つまり、健全な肉体に健全な魂が宿る(元の格言では「宿れかし」という祈願らしいが)という思想に近いか。まあ、要するに、人生を満足に生きるための土台が健康である、というのはたいていの人が賛成するとは思う。もちろん、不健康な人間が不幸だと言っているわけではないが、健康なほうが「望ましい」のは確かだろう。

その後もいろいろ考えたが、浮遊思考だから、おそらく他人にとってはどうでもいい話題ばかりである。前に書いた話題も同じだろうが、書いたから載せただけだ。

これもついでに言えば、カタカナ英語だと「ヘルス(健康)」の中に「ヘル(地獄)」があるwww

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「ダッシュボード」の謎

私は退屈するということがほとんど無い人間なので、「退屈まぎれに」何々をする、という事もほとんど無いのだが、気まぐれに何かをすることはよくある。本を読むのもそうで、読みかけの本が家には無数にあって、その時その時の気まぐれで、そのうちの何かの一節に目を走らせたりする。英語の本などはまったくそれで、一冊全部を読み通した経験はほとんどない。しかし、本の中のほんの一節(洒落である)に目が止まって、そこから浮遊思考が始まると面白い。

先ほど、気まぐれで手にした、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」は、日本語訳も読んだことがないが、その英語原書の冒頭部分を少し読んで、「dash lighter」という言葉に引っかかり、すぐに、「ああ、これは車のダッシュボードに付属しているライターのことだろうな」と思ったのだが、その時、「ダッシュボードという言葉は正しいのだろうか」という疑問が起こった。私は、物や物事の名前を間違って覚えていることがよくあるのである。
そこで、英和字典(中学生向きの、字の大きい、絵が多い奴だ)で調べると、「dash board」で正しいようだ。ところが、問題は、その「dash」という言葉である。辞書でその訳語を見ると、大まかに書くとこんなところだ。

動詞
1:投げつける 2:ぶっかける 3:くじく
1:突進する 2:衝突する 

名詞
1:突進、突撃 2:衝突 3:短距離走 4:少量(の混ぜ物) 5:記号のダッシュ(ー)

などだ。そのどこに、車のダッシュボードと関係するものがあるか、今、これをお読みの方にクイズとしよう。私の答えは、数行の空白部の後。








さて、答えだ。
私は、これはアメリカ的ユーモアだと思う。つまり、これは日本語訳の中にある「衝突」の意味だと私は考える。ダッシュボードとは「衝突板」なのである。
ご存じのように、車が他の車などと衝突したら、運転者や助手席の人間は慣性の法則によってその身体が「ダッシュボード」に激突するのである。となれば、ダッシュボードは「衝突板」だということになる。
まあ、ブラックなユーモアだというのは、私の考えすぎだろうか。(運転者はダッシュボードよりハンドルに衝突するはずだ、という異議は認めるが、ハンドルには「ステアリングホイール(steering wheel)」という名前があるし、ハンドルを「衝突何とか(たとえばダッシュホイール)」とするのは捻り過ぎだろう。)*steerは「操縦する」意味。
ちなみに、運転席より助手席のほうが、衝突の衝撃は大きいらしい。運転者はハンドルを握っているので、激突の慣性力がある程度手で防げるからだろう。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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