森鴎外の「椋鳥通信」(1909年10月8日発)から小噺めいた話(たぶん実話)をふたつ(実質三つ。真ん中の話の「覆盆子(いちご)」を強引に子の話としたら、三つとも「子」つながり。小噺ならぬ子話。)紹介する。
1
アイスランド語の「羊」とデンマーク語の「子」と似ている。
デンマーク妃アレクサンドラがアイスランドの植民地の僧官を訪うたとき、可笑しいことがあった。
妃「子供は何人お持ちです」
僧「二百おります」
妃「お世話が大変でしょう」
僧「なに。草原に放しておいて片端から食べます」
2
ジャン・イルーが殺人犯で死刑になる前に、役人が問うた。
「何か食べたいものはないか」
「覆盆子(苺)です」
「今は十二月だぜ」
「待っても好うございます」
それから女房が子を内に置いて暇乞いに来ると、それにこう言った。
「倅もだいぶ大きくなったからそろそろ職業を教えねばなるまいが、やっぱり俺の跡継ぎが好かろう」
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アイスランド語の「羊」とデンマーク語の「子」と似ている。
デンマーク妃アレクサンドラがアイスランドの植民地の僧官を訪うたとき、可笑しいことがあった。
妃「子供は何人お持ちです」
僧「二百おります」
妃「お世話が大変でしょう」
僧「なに。草原に放しておいて片端から食べます」
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ジャン・イルーが殺人犯で死刑になる前に、役人が問うた。
「何か食べたいものはないか」
「覆盆子(苺)です」
「今は十二月だぜ」
「待っても好うございます」
それから女房が子を内に置いて暇乞いに来ると、それにこう言った。
「倅もだいぶ大きくなったからそろそろ職業を教えねばなるまいが、やっぱり俺の跡継ぎが好かろう」
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