「逝きし世の面影」の直近の記事が面白く、非常に示唆的だが、長くて、そのまま引用すると私が示唆的だと思った部分が不明瞭になるので、少しカットして転載する。
保守主義者の私がなぜ日本共産党に一番親近感や共感を持つのか、ということに今までほとんど何の疑問も持たなかったが、下の文章で理由が少し分かったwww
いや、まあ、冗談抜きで言えば、現在の日本の政治にもっとも欠けている「人道主義的」部分を一番持っているのが日本共産党だからだが。
憲法も、終身雇用制も「人道主義」「人間尊重思想」の表れなのである。
人間をモノや道具扱いし、カネと数字だけしか見ない思想を新自由主義と言う。モノや道具だから必要でない場合は簡単に切り捨てる。それが派遣社員という存在だ。現在の自民党はけっして保守政党ではなく、新自由主義政党にすぎない。
(以下引用)
みんなが思うほど左右の立場に、それほど大きな意味が無いというか、そもそも東のはずれの東経180度の地点とその真逆の地点である西経180度とはまったくの同一地点なのである。
保守の定義ですが、今の日本国で最高の『古き良き権威と伝統』といえば政治なら間違いなく日本国憲法で、経済なら若者の完全雇用と職業訓練を可能にした日本独自の終身雇用制と年功序列賃金である。
危機的な有様の憲法と正規雇用に一番拘っている政党とは共産党なのですから、一番の保守政党とは、自民党ではなくて今の日本共産党で間違いない。
『自民党よりも共産党の方が保守思想に近い!』 むしろ共産党の政策を取り込むことによってこそ、本来の保守へと接近するという逆説
『岐路に立つ「同盟依存」 トランプ政権と日本 中島岳志』
2016年11月29日東京新聞
日本時間の九日夕方、アメリカ大統領選挙でトランプの勝利が確実になった。
この直後からさまざまな分析や見通しが語られたが、中でも興味深かったのが翌十日にBSフジ「プライムニュース」が放送した「脱“アメリカ属国”論」だった。
出演者は保守思想家の西部邁(すすむ)と日本共産党の小池晃。一見すると立場が真逆に見える二人の見解は、ほとんどの点で一致していた。
二人が声をそろえて主張したのが、対米従属からの脱却と新自由主義への批判である。
トランプは選挙中に、日本における駐留米軍の撤退をにおわせる発言を行ったが、二人はその方向性を歓迎する。もちろんTPPにも反対。アメリカのいびつな格差社会を問題視し、新自由主義やグローバリズムを批判する。
西部が顧問を務める『表現者』67号では、「日本共産党とは何ものか」という特集を組み、西部、小池、西田昌司(しょうじ)、富岡幸一郎による座談会「日本共産党に思想と政策を問う」を掲載している。
この中で西部は、日本共産党がその首尾一貫性において「断トツに優れている」と評価し、「グローバリズム反対」や「日本の中小企業や農業への保護」、「マーケットにおける利潤最大化のみを追求する資本主義」への批判などを高く評価する。
一方で、小池も「対米従属の根源にある日米安全保障体制は打破しなければならない」と述べ、これこそが真の意味での「戦後レジーム」からの脱却であると主張する。
そして、保守思想への敬意を示しつつ、「死者の叡智も含めてしっかり受け継ぐ政治でなければならないというのが、我々の基本的な考え」と述べる。
strong>保守と共産党。防衛論における齟齬が存在するものの、自公政権が親米・新自由主義へと傾斜する中、それに抵抗する両者の立ち位置は限りなく接近している。
自民党の西田は、「共産党が言っていることは光り輝いている」とエールを送り、西部は「自共連合政権を実現させてくださいよ」と、半ば冗談交じりに迫る。
西部も西田も、現時点においては自民党よりも共産党の方が保守思想に近い政策を説いていることを認め、率直な評価を表明しているのだ。
これは、現在進行中の野党共闘に重要な示唆を与える。
民進党の中には、共産党と手を組むことによって保守層の支持が離れていくことを恐れる向きがあるが、むしろ共産党の政策を取り込むことによってこそ、本来の保守へと接近するという逆説が存在する。
トランプ政権誕生は、世界各地で思想の地殻変動を加速させるだろう。
もはや「左」と「右」という二分法はリアリティーを持たなくなっている。
日本においては、野党共闘による合意形成こそが、ネオコン・新自由主義勢力に対するオルタナティブ(代案)な選択肢となるはずだ。
『週刊東洋経済』11月12日号では、白井聡「自分の論理を構築して対米従属から脱却せよ」は、対米従属が自己目的化する日本外交を厳しく批判し、「自分の論理を構築していくこと」を要求する。
いずれにせよ、トランプ大統領の誕生を目前に、日米同盟に依存してきた戦後日本は、大きな岐路に立たされている。
11月29日東京新聞 なかじま・たけし=東京工業大教授(抜粋)
保守主義者の私がなぜ日本共産党に一番親近感や共感を持つのか、ということに今までほとんど何の疑問も持たなかったが、下の文章で理由が少し分かったwww
いや、まあ、冗談抜きで言えば、現在の日本の政治にもっとも欠けている「人道主義的」部分を一番持っているのが日本共産党だからだが。
憲法も、終身雇用制も「人道主義」「人間尊重思想」の表れなのである。
人間をモノや道具扱いし、カネと数字だけしか見ない思想を新自由主義と言う。モノや道具だから必要でない場合は簡単に切り捨てる。それが派遣社員という存在だ。現在の自民党はけっして保守政党ではなく、新自由主義政党にすぎない。
(以下引用)
みんなが思うほど左右の立場に、それほど大きな意味が無いというか、そもそも東のはずれの東経180度の地点とその真逆の地点である西経180度とはまったくの同一地点なのである。
保守の定義ですが、今の日本国で最高の『古き良き権威と伝統』といえば政治なら間違いなく日本国憲法で、経済なら若者の完全雇用と職業訓練を可能にした日本独自の終身雇用制と年功序列賃金である。
危機的な有様の憲法と正規雇用に一番拘っている政党とは共産党なのですから、一番の保守政党とは、自民党ではなくて今の日本共産党で間違いない。
『自民党よりも共産党の方が保守思想に近い!』 むしろ共産党の政策を取り込むことによってこそ、本来の保守へと接近するという逆説
『岐路に立つ「同盟依存」 トランプ政権と日本 中島岳志』
2016年11月29日東京新聞
日本時間の九日夕方、アメリカ大統領選挙でトランプの勝利が確実になった。
この直後からさまざまな分析や見通しが語られたが、中でも興味深かったのが翌十日にBSフジ「プライムニュース」が放送した「脱“アメリカ属国”論」だった。
出演者は保守思想家の西部邁(すすむ)と日本共産党の小池晃。一見すると立場が真逆に見える二人の見解は、ほとんどの点で一致していた。
二人が声をそろえて主張したのが、対米従属からの脱却と新自由主義への批判である。
トランプは選挙中に、日本における駐留米軍の撤退をにおわせる発言を行ったが、二人はその方向性を歓迎する。もちろんTPPにも反対。アメリカのいびつな格差社会を問題視し、新自由主義やグローバリズムを批判する。
西部が顧問を務める『表現者』67号では、「日本共産党とは何ものか」という特集を組み、西部、小池、西田昌司(しょうじ)、富岡幸一郎による座談会「日本共産党に思想と政策を問う」を掲載している。
この中で西部は、日本共産党がその首尾一貫性において「断トツに優れている」と評価し、「グローバリズム反対」や「日本の中小企業や農業への保護」、「マーケットにおける利潤最大化のみを追求する資本主義」への批判などを高く評価する。
一方で、小池も「対米従属の根源にある日米安全保障体制は打破しなければならない」と述べ、これこそが真の意味での「戦後レジーム」からの脱却であると主張する。
そして、保守思想への敬意を示しつつ、「死者の叡智も含めてしっかり受け継ぐ政治でなければならないというのが、我々の基本的な考え」と述べる。
strong>保守と共産党。防衛論における齟齬が存在するものの、自公政権が親米・新自由主義へと傾斜する中、それに抵抗する両者の立ち位置は限りなく接近している。
自民党の西田は、「共産党が言っていることは光り輝いている」とエールを送り、西部は「自共連合政権を実現させてくださいよ」と、半ば冗談交じりに迫る。
西部も西田も、現時点においては自民党よりも共産党の方が保守思想に近い政策を説いていることを認め、率直な評価を表明しているのだ。
これは、現在進行中の野党共闘に重要な示唆を与える。
民進党の中には、共産党と手を組むことによって保守層の支持が離れていくことを恐れる向きがあるが、むしろ共産党の政策を取り込むことによってこそ、本来の保守へと接近するという逆説が存在する。
トランプ政権誕生は、世界各地で思想の地殻変動を加速させるだろう。
もはや「左」と「右」という二分法はリアリティーを持たなくなっている。
日本においては、野党共闘による合意形成こそが、ネオコン・新自由主義勢力に対するオルタナティブ(代案)な選択肢となるはずだ。
『週刊東洋経済』11月12日号では、白井聡「自分の論理を構築して対米従属から脱却せよ」は、対米従属が自己目的化する日本外交を厳しく批判し、「自分の論理を構築していくこと」を要求する。
いずれにせよ、トランプ大統領の誕生を目前に、日米同盟に依存してきた戦後日本は、大きな岐路に立たされている。
11月29日東京新聞 なかじま・たけし=東京工業大教授(抜粋)
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