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差別側に「仁を崇める」気持ちはあるか

「新とうふのかど」というブログから転載。
たまたまテレビでちらっと見たNHK番組で京都の崇仁地区を扱っていて、そこが京都の被差別地域だということを初めて知った。下の記事によれば「水平社」発祥の地でもあるらしいが私は部落問題にはほとんど関心の無い人間なので、それも下のブログで初めて知った。
その番組を断片的に見ただけでも、部落差別の理不尽さや、差別が今でも平気で行われれていることに痛ましさを感じたが、そう言えば、京都に住むと決めた時に、妻が知人の誰かから、京都の南の地域(京都駅から南側)には近づかないようにと「忠告」されたらしい。つまり、「差別する側」は親切心から、自分の身近な人にそういう「忠告」をするのだろう。実際、それがその人にとってトラブルを避けることにつながるのだから、親切な忠告ではある。その一方で、こうして差別は延々と続いて、拡散されていくわけだ。


(以下引用)

日本有数の被差別部落、崇仁同和地区を歩く。 [日々雑録]

列車が京都駅を出るとすぐ、高いビルがまったくない地区が目に飛び込んでくる。
京都駅の東側に広がる崇仁(すうじん)同和地区と呼ばれるこのエリアは、
日本有数の被差別部落のひとつ。
※「部落」という言葉にはもともと差別的な意味合いは無いので使用します。
とうふのかど
江戸時代の士農工商という身分制度が敷かれていた時代、
さらにそれらの下にエタ、非人という最下層に設定された階層があった。
彼らは刑場や屠殺場の雑務に従事させられ、居住地も強制的に指定された。
なかでも高瀬川の下流、七条から九条にかけてのこの崇仁地区が、
最大規模の賤民居住地域だった。

崇仁地区は日本で初めて人権宣言を行なった水平社が創設された場所。
世界的にも有名な観光都市「京都」の中心部にありながら、
長い期間、繁栄から置き去りにされてきた地域。
同和対策事業として、被差別部落の改善を目的に対象地区として設定されたはいいが、
逆にその線引きが新たな差別を生み、
今も依然として時代に取り残されたような路地が広がっていた。
「同和」という言葉の由来はどこにも記されていないようで、
その言葉に込められた意味は分からないが、
「同和地区」「部落」、いずれの言葉も、一部の人たちの心のなかに
命を差別する卑しい気持ちがある時点で、
社会的に使用することが憚られるような空気を孕んでいってしまう。
それはどんな言葉だってそうなっていく。「痴呆」しかり、「めくら」しかり。
(※「め●ら」など、これらの言語を伏せた表現をしようと思うこと自体が差別だと思うので、
僕は他の言葉と同じように使います。ふだんから使っています。)
とうふのかど
環境改善のためとはいえ、行政的に線引きをされ、
「ここから先は同和地区」というおかしな意識が人々のなかに生まれたことで、
ここ崇仁地区も退廃が進んでしまったようだ。
差別の目から逃れるために住民がこの地区を出ていってしまう、
その流れは当然だろう。
これは鹿児島の苗代川(現・美山)と同じ現象だ。
京都市が何を目指して、この地区を改善しようとしているのかは不明だが、
少なくとも被差別部落の解放にはまったく繋がっていないように思う。
むしろ、このまま地区の高齢化と人口減を待ち、
崇仁地区が壊滅する日を待っているようにさえ感じた。

京都は日本全国、そして海外からも多くの観光客がやってくる。
京都という街の存在は、日本人の一人として、僕も誇りに感じている。
京都は世界中の人たちの心を捉えているにもかかわらず、
京都駅の目の前にある崇仁地区のことはまるで放置して、
逆に観光客の目に止まらないよう周囲に高いビルを建てるなど腐心しているありさま。
これはとても恥ずかしいことだ。
僕は国民のひとりとして、日本の誇りである京都に
こうした現状があることを微力ながらも発信したいと思った。
とうふのかど
崇仁に限らず、社会的歴史的理由による不当な差別地域は数多くあるだろう。
そこだけにしかない街の魅力を楽しく共有しながら、
そうした差別の意味の無さを、発信していきたい。

今回のメインは長宗我部氏の取材で素通りした程度だったから、
次に京都に行ったときは崇仁の街の魅力を堪能しようと思う。



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