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「おもろ」考

私は沖縄の人間だが、昔から沖縄の古代歌謡集「おもろさうし」の「おもろ」の意味が分からなくて心の底にその疑問が蟠っていた。「おもろさうし」だけならいいが、今では地名にまで「おもろ町」という地名までできているのに、その意味が分からないとなると問題だと思うのだが、他の沖縄県人は気にしないのだろうか。
で、「おもろ」の意味についての現在の代表的な説は次のようなものらしい。
の解説

沖縄奄美 (あまみ) 群島に伝わる古代歌謡。神事や宮廷の祝宴などに歌われた叙事詩。

[補説]「思い」と同語源の「うむい」の変化した語で、神に申し上げるの意というが、ほかにも諸説がある。

この説には、先ほど読んだ法政大学文学部助教授(現職は知らない)の間宮厚司氏も疑念を出している。その疑問点の詳細は忘れたが、私なりに考えると、まず「思い」と「申し上げる」はまったく別の事であって、しかも名詞と動詞の違いもある。
で、間宮氏が推奨している説は、(「思い」説が定説扱いされる以前にはこの説を主張する人も何人かいたようだ。伊波普猷などもそうだったのではないか。)貴人や神の所在の場所を意味する「御室(みむろ)」が「おむろ」と別読みされて、その「む」が前の「お」に引きずられて「も」と音韻変化して「おもろ」になったのではないか、という説だ。
これは京都の仁和寺が「御室(おむろ)」と呼ばれていること(おそらく、天皇が一時期所在したのではなかったか。)に通じるものだ。
そういう「貴人や神の前で歌う歌」を「おもろさうし」は集めたのだろう。
で、「おもろ」が場所のことなら、「思い町」とは段違いに「御室町」のほうが地名にふさわしいわけである。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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