原節子が今敏に影響を与えて「千年女優」が生まれ、「千年女優」がハリウッド監督のギレルモ・デル・トロに影響を与える。優れた文化はそうして国籍や年代を超えて受け継がれるものである。
日本映画界の駄目な点は、そういう「文化の継承」「先輩や古典への尊敬」が欠如しているところだ。あの「世界のクロサワ」でさえ、日本の映画評論家や三流監督(新宿二丁目の居酒屋にたむろしているような連中)からは散々に悪口ばかり言われていたのである。
なお、私は「千年女優」よりは「パプリカ」がより好きだが、その「パプリカ」の中には、ハリウッド映画のパロディ、あるいはオマージュ(賛辞的引用)がたくさん入っている。これが文化の相互浸透である。経済界のグローバリズムが「先進国大衆の貧困化」「搾取構造」を生むのとは異なり、そういう意味での国際交流(相互影響)は良いことだ。
黒澤明は世界的に影響を与えているが、彼はジョン・フォードに大きな影響を受けているし、その他の古典映画からも影響を受けている。たとえば、「影武者」のワンシーンは、「会議は踊る」へのオマージュだ、と彼自身はっきり言っている。(初見でそれに気づいた観客は数少ないと思うが、私はその一人であったことが自慢である。ww)
ゆうき まさみ @masyuuki
- 「マスト見るべし」と言っておられる。 https://twitter.com/uranichi/status/669765725473517568 …
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