<ざっくり言うと>
- 首里城が赤い理由について、「首里城は元々赤くなかったのに、中国に阿って赤くした」「中国に尻尾を振るキチガイが赤にした」「China色」と言った批判があふれ、「今度再建するときは正しい色で再建しろ」と言っている人が大勢いるが、嘘である。
- 彼らが「戦前の首里城のカラー写真」として提示しているものは、モノクロ写真に手彩色したものであり、本当の色ではない。
- 柱や壁の色については、18世紀の改修記録『寸法記』に「朱ぬり」「赤土ぬり」という記述があることをもとにしている。
- 赤い柱や壁の建物は、平等院や厳島神社など日本にも数多くあり、中華風であるとは言えない。
- 瓦については赤ではなく黒だという主張もあるが、赤瓦は沖縄の文化であり、一般の民家にも使われているものである。中華風ではなく沖縄風である。これを「中華風だ」と非難するのは、「漢字を使うなんて中華風だ」と非難するのと同レベルである。
- 再建された首里城の赤瓦や赤い柱や壁を「中華風だ!」と批判している人たちは、中国と結び付けて沖縄を中傷できるネタを求めているだけである。
「脱『愛国カルト』のすすめ」というサイトから転載。
沖縄出身の私も、あの写真に騙されていたが、なるほど、言われてみれば、白黒写真に後で部分着色したもののようだ。全体に黒っぽい写真だから、戦争で焼失する前の首里城の瓦の色は黒だったのか、と思ってしまうが、沖縄の土はほとんどが赤土であり、だから瓦は当然赤瓦である。首里城だけ黒い瓦なのではなく、白黒写真だから黒く見えるだけだろう。
(夢人追記)同記事から転載するが、実は、戦前の首里城は完全に老朽化していたのは事実であり、全体に黒っぽく見えたのも事実のようだ。問題は、再建するとして、「老朽化した状態の首里城」を再建するか、新築時の首里城の姿を再建するか、という話であり、前者を選ぶ馬鹿はいない、というだけのことである。
もっとも、私自身は沖縄離島の生まれであり、尚王朝による離島搾取という先祖の恨みがあるから、首里城には何の思い入れも無い。まあ観光資源としては有益だし、再再建するのもいいが、それは沖縄県の第一優先課題か、と言うとそうも思わないのである。辺野古新基地建設のお詫びに政府が再建のカネを出すなら結構なことだ、という程度だ。なお、赤土でも焼成温度を高くすると黒瓦になるようだが、沖縄では黒瓦の家はほとんど見た記憶はない。単に赤瓦が歳月を経て黒っぽくなることは多い。
ネット上で、こんな写真が出回っております。
戦争で焼失する前の首里城のカラー写真だとして、「首里城は赤くなかった」「今度再建するときには正しい色で作れ」などと言っている人が大勢います。
しかし、騙されないでください。このカラー写真は嘘です。
実はこの写真、戦後の再建の最中にも「首里城のカラー写真発見」として話題になったものです。琉球大学付属図書館から発見されたということだったんですが、モノクロ写真に色を付けたものであることがわかっており、首里城再建を描いたNHKの『プロジェクトX』でも、「白黒写真を絵の具で塗った偽物」として言及されています。
↑NHK『プロジェクトX』「炎を見ろ 赤き城の伝説 ― 首里城・執念の親子瓦」(2002年2月5日放送)。この写真は「白黒写真を絵の具で塗った偽物」だと紹介されている
沖縄出身の私も、あの写真に騙されていたが、なるほど、言われてみれば、白黒写真に後で部分着色したもののようだ。全体に黒っぽい写真だから、戦争で焼失する前の首里城の瓦の色は黒だったのか、と思ってしまうが、沖縄の土はほとんどが赤土であり、だから瓦は当然赤瓦である。首里城だけ黒い瓦なのではなく、白黒写真だから黒く見えるだけだろう。
【首里城炎上】「首里城は元々赤くなかったのを中国におもねって赤くした」というのは嘘である
(夢人追記)同記事から転載するが、実は、戦前の首里城は完全に老朽化していたのは事実であり、全体に黒っぽく見えたのも事実のようだ。問題は、再建するとして、「老朽化した状態の首里城」を再建するか、新築時の首里城の姿を再建するか、という話であり、前者を選ぶ馬鹿はいない、というだけのことである。
もっとも、私自身は沖縄離島の生まれであり、尚王朝による離島搾取という先祖の恨みがあるから、首里城には何の思い入れも無い。まあ観光資源としては有益だし、再再建するのもいいが、それは沖縄県の第一優先課題か、と言うとそうも思わないのである。辺野古新基地建設のお詫びに政府が再建のカネを出すなら結構なことだ、という程度だ。なお、赤土でも焼成温度を高くすると黒瓦になるようだが、沖縄では黒瓦の家はほとんど見た記憶はない。単に赤瓦が歳月を経て黒っぽくなることは多い。
「戦前の首里城のカラー写真」というデマを根拠に首里城をディスる人たち
ネット上で、こんな写真が出回っております。
戦争で焼失する前の首里城のカラー写真だとして、「首里城は赤くなかった」「今度再建するときには正しい色で作れ」などと言っている人が大勢います。
しかし、騙されないでください。このカラー写真は嘘です。
実はこの写真、戦後の再建の最中にも「首里城のカラー写真発見」として話題になったものです。琉球大学付属図書館から発見されたということだったんですが、モノクロ写真に色を付けたものであることがわかっており、首里城再建を描いたNHKの『プロジェクトX』でも、「白黒写真を絵の具で塗った偽物」として言及されています。
↑NHK『プロジェクトX』「炎を見ろ 赤き城の伝説 ― 首里城・執念の親子瓦」(2002年2月5日放送)。この写真は「白黒写真を絵の具で塗った偽物」だと紹介されている
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