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介護業者倒産が最悪更新確実 アベノミクス“負の影響”直撃
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介護業者倒産が最悪更新確実 アベノミクス“負の影響”直撃
「老人福祉・介護事業」の倒産が過去最悪のペースになっている。東京商工リサーチによると、今年1~8月の倒産件数は62件。介護保険法が施行された2000年以降では、過去最多だった昨年(76件)を大きく上回るペースだ。
特徴は設立5年以内の事業者の倒産が29件と約半数を占めていることだ。特別養護老人ホームが全国で約50万人待ちなど、各地で“介護難民”が発生する一方で、新規参入が非常に難しいことが浮き彫りになった。また、昨年4月に行った「介護報酬」改定も大きく影響しているという。
東京商工リサーチ情報部の関雅史氏はこう言う。
「本業が不調なため、将来有望そうな介護事業に参入する業者が増えています。しかし、単純にモノを売るのではなく、人と人との商売なので、ある程度のノウハウがないと難しい。介護報酬改定では、基本報酬がダウンする一方、充実したサービスを行う施設には加算されています。サービス向上のためには、多少の淘汰は仕方がないかも知れないが、新規参入が難しい業種だからこそ、基本報酬を下げてはいけなかったと思います」
■求人は増えるも現場は人手不足
老人福祉・介護事業の倒産は、12年の安倍政権発足後、毎年のように過去最多を更新している。安倍首相は「介護離職者ゼロ」「福祉の充実」なんてスローガンを掲げているが、介護事業の倒産増加を放置してきたのが実態だ。
「アベノミクスによって“求人”が増えているのはよいことでしょう。でも、介護の現場は、その“負の影響”をモロに受けています。労働環境が過酷で給料も安い。仕方なく働いている人も多かった。求人が増えたことで、そうした人たちが次々に他業種に移りはじめている。その結果、現場は人手不足となり、会社側も人を確保するために給料を上げなければならず、それがさらなる負担となっています。小規模な事業者は耐えきれないでしょう」(関雅史氏)
安倍政権は介護現場で働く人の給料をアップすべきだったのに、基本報酬を下げているのだから、やっていることがアベコベ。これでは倒産が増えるのは当たり前だ。一番の被害者は老人ホームなどに入居していた高齢者だろう。事業者が突然倒産すれば、サービスを受けられなくなるばかりか、下手をすれば住む場所も失う。一体どこが「介護離職ゼロ」「1億総活躍」なのか。