次の言葉は、私が思うには、地上の天国を作る唯一の決まり、道徳だが、誰が言った言葉か、少し想像してほしい。答えは、空白部の後に書く。
「人類の全道徳は、次の一語のうちに含まれております。すなわち、『みずから幸福たらんとせば、これを他にも施すべし』そして、他より害を受けたくなければ、けっして他にも害を及ぼすな、です。
これこそ神父さん、これこそ、われわれが従わねばならぬ唯一の原理です。この原理を受け容れ承諾するためには、別だん宗教も神も要りません。一個の善き心さえあれば足りるのです」
答えは、マルキ・ド・サドである。そして私はこれをサドはまったく本心から書いたと思う。
出典は河出文庫「恋の罪」所載の「末期の対話」。訳は澁澤龍彦。
「人類の全道徳は、次の一語のうちに含まれております。すなわち、『みずから幸福たらんとせば、これを他にも施すべし』そして、他より害を受けたくなければ、けっして他にも害を及ぼすな、です。
これこそ神父さん、これこそ、われわれが従わねばならぬ唯一の原理です。この原理を受け容れ承諾するためには、別だん宗教も神も要りません。一個の善き心さえあれば足りるのです」
答えは、マルキ・ド・サドである。そして私はこれをサドはまったく本心から書いたと思う。
出典は河出文庫「恋の罪」所載の「末期の対話」。訳は澁澤龍彦。
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