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「ちびくろサンボ」と黒人蔑視

「インドやアフリカの人の肌を白く描けって、それこそ逆の差別で侮辱だろう」はまさに正論であるが、表現規制問題は、その表現された事柄が差別に当たるかどうかの判断が難しいので出版社が「えーい、面倒くせえ。黒人は一切漫画に出すな」としたのだと思う。組織の上部層は何よりも組織防衛(要は上層部の自己防衛だが)を最優先するので、下の人間(この場合は表現者である漫画家)に負担をすべて押し付けて我が身を守ったわけである。

私はロフティングの「ドリトル先生」シリーズが好きなのだが、その中に、黒人部族の王子が白い肌に憧れて膚を白くする薬をドリトル先生に作ってもらうというようなエピソードがあり、それが黒人蔑視だというので欧米で問題になったことがある。これはどう決着がついたのだろうか。それに比べると「ちびくろサンボ」には特に黒人蔑視の思想は無いと私は思うのだが、こちらは世界的に発禁になったはずである。どこが黒人蔑視なのか。サンボの行動が愚かしいなら、それは「子供だから」であり、「黒人だから」ではないはずだ。虎が木の周りをグルグル回っているうちに溶けてバターになる、という愉快な発想だけでも、児童文学史に残るべき作品だと思うのだが。




「ちびくろサンボ」発禁事件当時の表現規制はすごかった。ビビった出版社の「自主規制」で、ちょうど『シンバッド』のインド篇を描いてた私は編集者の意向でインド人の肌からトーンを全部はがして白い肌にさせられた。インドやアフリカの人の肌を白く描けって、それこそ逆の差別で侮辱で失礼だろう。





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