欧米メディアと、その尻馬に乗った日本メディアやネット界発言の、この安倍総理発言への嘲笑がひどいので、逆に興味を持ったからである。それほどひどい発言なのかどうか、伝聞ではなく、発言に直接当たって確認するわけだ。
とりあえず、先にコピーしておき、後で読んでみたい。感想も後で書くつもりである。
メディアが白と言えば、事実は黒、メディアが黒と言えば、事実は白、というのが私の信念であるwww
分析のために、私の注意を引いた部分は色字でマークしておく。
さて、ざっと読んでみた限りでは、特におかしいこと、嘲笑されるようなことは言っていないと思う。特に、赤字にした世界の現状分析部分は、なかなかいいと思う。だが、その対策部分である青字部分は抽象的内容でまったく実効性が感じられない。これは、文中で言及されている「伊勢志摩経済イニシアティブ」を読んでみないと判断不可能だ。
緑字で書いたロシアとの関係も、他のNATO諸国が概してロシア敵視政策を取っているのに比べれば、はるかに良識的だと言えるだろう。
要するに、「リーマンショック」の語が何度も出てきたことが、ユダ金とそのマスコミの逆鱗に触れたのではないか、と私は推測する。「リーマンショック」は、彼らの悪事の記念碑のようなものであり、彼らが触れられたくないことなのだろうから。また反安倍の人間には「アベノミクス」への自画自賛が片腹痛い思いをさせたことだろう。それは私も同感だが、この冒頭演説全体は、「欧米支配層」の目からは不愉快ではあっても、日本人が自国の総理を否定する材料になるようなものではないと思う。要するに、欧米マスコミの尻馬に乗って、自分の目で現物を見ないまま発言する輩を信じるな、ということだ。
あ、再度念のために言うが、私が「反安倍」であることは変わってはいない。www だが、案外欧米の首脳たちよりはマシかもしれない、くらいに思うようにはなっている。
(以下引用)
平成28年5月27日G7伊勢志摩サミット議長記者会見
【安倍総理冒頭発言】
まず冒頭、日本の総理大臣として、この度、世界中から、この伊勢志摩の地を訪れてくださった皆さんを、心から歓迎したいと思います。
美しい入り江、豊かな自然、おいしい海の幸、山の幸。日本の「ふるさと」の魅力を、味わっていただけたのではないでしょうか。
伊勢神宮の、荘厳で、凛とした空気に触れると、私は、いつも、背筋が伸びる思いがいたします。神宮は、五穀豊穣を祈り、平和を祈り、人々の幸せを祈りながら、2000年もの悠久の歴史を紡いできました。
今日の平和と繁栄は、そうした人々の祈りの上に築かれたものであります。その神宮から、今年のG7サミットはスタートしました。
「我々がここに集うこととなったのは、共通の信念と責任とを分かち合っているからである。」41年前、「オイルショック」という世界経済の危機を前に、先人たちは初めてフランスのランブイエ城に集まり、歴史的な政策協調に合意しました。
今日の平和と繁栄は、そうした先人たちが「未来は変えられる」と信じ、共に立ち向かってきた結果であります。
そして、今日の平和と繁栄を、私たちの子や孫の世代へと、しっかりと引き渡していく。そのためには、今を生きる私たちもまた、目の前の課題から逃げることなく、力を合わせて立ち向かっていかなければなりません。
自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有するG7、これまで世界の平和と繁栄を牽引してきたG7には、その大きな責任があります。世界が直面する様々な課題に、協調して取り組む明確な意志を、G7の友人たちと共に、ここ伊勢志摩から世界へと発信することができました。
最大のテーマは、世界経済でありました。
株式市場の下落により、世界では、この1年足らずの間に1500兆円を超える資産が失われました。足元では幾分か回復し、小康状態を保っていますが、不透明さは依然残っており、世界的に市場が動揺しています。
それは何故か。最大のリスクは、新興国経済に「陰り」が見え始めていることです。
今世紀に入り、世界経済を牽引してきたのは、成長の活力あふれる新興国経済です。リーマンショックによる経済危機が世界を覆っていた時も、景気回復をリードしたのは、堅調な新興国の成長。いわば、世界経済の「機関車」でありました。しかし、その新興国経済が、この1年ほどで、急速に減速している現実があります。
原油を始め、鉄などの素材、農産品も含めた商品価格が、1年余りで、5割以上、下落しました。これは、リーマンショック時の下落幅に匹敵し、資源国を始め、農業や素材産業に依存している新興国の経済に、大きな打撃を与えています。
成長の糧である投資も、減少しています。昨年、新興国における投資の伸び率は、リーマンショックの時よりも低い水準にまで落ち込みました。新興国への資金流入がマイナスとなったのも、リーマンショック後、初めての出来事であります。
さらに、中国における過剰設備や不良債権の拡大など、新興国では構造的な課題への「対応の遅れ」が指摘されており、状況の更なる悪化も懸念されています。
こうした事情を背景に、世界経済の成長率は昨年、リーマンショック以来、最低を記録しました。今年の見通しも、どんどん下方修正されています。
先進国経済は、ここ数年、慢性的な需要不足によって、デフレ圧力に苦しんできましたが、これに、新興国の経済の減速が重なったことで、世界的に需要が、大きく低迷しています。
最も懸念されることは、世界経済の「収縮」であります。
世界の貿易額は、2014年後半から下落に転じ、20%近く減少。リーマンショック以来の落ち込みです。中国の輸入額は、昨年14%減りましたが、今年に入っても、更に12%減少しており、世界的な需要の低迷が長期化するリスクをはらんでいます。
現状をただ「悲観」していても、問題は解決しません。私が議長として、今回のサミットで、最も時間を割いて経済問題を議論したのは、「悲観」するためではありません。
しかし、私たちは、今そこにある「リスク」を客観的に正しく認識しなければならない。リスクの認識を共有しなければ、共に力を合わせて問題を解決することはできません。
ここで、もし対応を誤れば、世界経済が、通常の景気循環を超えて「危機」に陥る、大きなリスクに直面している。私たちG7は、その認識を共有し、強い危機感を共有しました。
そして、新興国経済に弱さが見られる今こそ、G7がその責任を果たさなければならない。G7で協調して、金融政策、財政政策、そして構造政策を進め、「三本の矢」を放っていく。そのことを合意いたしました。アベノミクスを世界で展開してまいります。
TPPや日EU・EPAにより、自由で、公正な経済圏を世界に広げていく。女性を始め誰もが活躍できる環境づくりや、公衆衛生の危機への対応を含む国際保健の前進は、世界の持続的な成長の基盤となるものです。新興国の成長を支え、世界の需要を底上げするために、共通の「原則」の下に、質の高いインフラ投資を活性化することも必要です。こうしたG7のコミットメントを「伊勢志摩経済イニシアティブ」として取りまとめました。
当然、日本も議長国として、今回のG7合意に従い、率先して世界経済の成長に貢献する。世界経済が「危機」に陥るリスクに立ち向かうため、あらゆる政策を総動員して、アベノミクスのエンジンを、もう一度、最大限にふかしていく決意であります。日本として何を為すべきか、消費税率引上げの是非も含めて検討し、夏の参議院選挙の前に明らかにしたいと考えています。
世界の平和と安定を守る。このこともまた、普遍的な価値を共有する、私たちG7の大きな役割であります。
暴力的過激主義は、全ての人類に対する挑戦です。テロリストの逃げ場をなくし、テロ資金の流入を根絶する。新たな行動計画は、国際社会が連携してテロと闘うための大きな一歩であります。欧州へと大量に押し寄せる難民の問題についても、その根本原因を断ち切るため、グローバルな支援を強化することで合意しました。
いかなる紛争も、武力の行使や威嚇ではなく、国際法に基づいて、平和的に外交的に解決すべきである。この原則を私たちG7は、しっかりと共有しています。
世界のどこであろうとも、海洋の自由は保障されなければなりません。一方的な行動は許されず、司法手続を含む平和的な手段を追求すべきである。そして、その完全な履行を求めていくことで、私たちは一致いたしました。
ウクライナにおける紛争もまた、国際法に基づく平和的・外交的な手段によってのみ解決される、と確信しています。G7として、全ての当事者に対し、ミンスク合意に基づいて情勢を平和的に解決するため、具体的な行動をとるよう求めます。
ロシアには、国際社会のあらゆる課題に対し、建設的な役割を果たしてもらいたいと思います。シリア情勢などにおける平和と安定を達成するためにも、プーチン大統領との対話を維持していくことが重要であると考えます。
北朝鮮による1月の核実験と、複数にわたる弾道ミサイルの発射を、私たちG7は最も強い表現で非難します。北朝鮮には、国連安保理決議の即時かつ完全な遵守、拉致問題を含む国際的な懸念に直ちに対処するよう強く求めます。
「核兵器のない世界」を目指す。核不拡散と軍縮に向けたG7の強い決意を、私たちは改めて確認しました。
「核兵器のない世界」の実現は、容易なことではありません。それでもなお、私たちは、手を携えて前に進んで行く強い意志を共有しています。
私は、この後、アメリカのオバマ大統領と一緒に、被爆地・広島を訪問する予定です。
被爆地に足を運び、犠牲となった全ての人々を追悼する。そして、被爆の実相を世界へと発信する。
それは、「核兵器のない世界」の実現に向けた大きな力になると確信しています。あの悲惨な経験を、二度と繰り返してはならない。これが、今を生きる私たちの世代の大きな責任であります。
私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちのために、より良い世界をつくりあげる。今回の伊勢志摩サミットは、その「決意」をG7のリーダーたちが確認し、明確な「行動」へと移していく、大きなきっかけとなる充実したサミットになったと考えております。
最後となりましたが、今回のサミット開催に当たって、大変な御協力をいただいた、伊勢志摩の地元の皆さん、三重県の皆さんに、心から感謝を申し上げたいと思います。
私からは、以上です。