もちろん、人間の主観で書かれた文章の良さも大事だが、人間の場合は書いている本人が主観と客観の区別ができていないので、ダメ文章になることが多い。昔から、理系の人のほうがいい文章を書くのはそのためだ。(いい文章にもいろいろあるが、新聞記事を詩人が書いたらダメだろ、という話だ。)
なお、「おーとりぃ」とは「auto wrighter」の後半を略して縮めたものだろうが、「auty」のほうが愛称らしいのではないか。
(以下引用)記事後半略
「AI、戦評書くってよ」。第100回全国高校野球選手権大会から、朝日新聞社が新しい取り組みを始めました。勝敗の分かれ目や経過を評し、原則的に試合終了と同時にデスクへの提出が求められる「戦評」を人工知能のAI記者「おーとりぃ」が1秒で書くのです。3回戦からニュースサイト「朝日新聞デジタル」で公開しています。準々決勝の4試合について、実際に記者が書いた戦評と比べてみると……。(朝日新聞スポーツ部記者・井上翔太)
【全文比較】8万件の試合を学習したAI戦評、記者との違いはどこ? 準々決勝4試合を太字で徹底比較
まずは金足農と近江の一戦です。
【AI記者・おーとりぃ】息詰まる投手戦を金足農が逆転サヨナラで制し、準決勝進出を決めた。1点を追う九回、無死満塁から斎藤のスクイズで逆転し、勝負を決めた。先発吉田は被安打7、10奪三振、2失点で4試合連続の完投。近江は四回、住谷の右適時二塁打により先行。六回は北村の三遊間適時打で勝ち越したが、リードを守り切れなかった。
【記者執筆(いずれも朝刊紙面)】金足農は1点を追う九回、無死満塁から斎藤の三前2ランスクイズでサヨナラ勝ち。五回にも佐々木大夢のスクイズで一時同点とした。先発の吉田は7安打、10奪三振の力投。近江は五回から佐合を継いだ林が変化球を軸に好投したが、九回の奇襲に屈した。
4試合の中で、個人的に一番差が出たと思うのは、29年ぶりの秋田勢4強を決めた金足農の攻撃。劇的な幕切れとなった「逆転サヨナラ2ランスクイズ」です。
記者戦評では「奇襲」と表現しています。確かにこれは、めったに見られるプレーではありません。AI記者「おーとりぃ」は、事前に約8万件の戦評を学習しているそうですが、その中にもなかったのではないでしょうか。
ただ、これを機にAIが学習すると、次に同じプレーが起きたときに「逆転サヨナラ2ランスクイズ」と書いてくるかもしれません。
残りの3試合も比べていきます。
【AI記者・おーとりぃ】大阪桐蔭が4本の本塁打を含む12安打で11得点し攻守に圧倒した。二回、1死走者無しで根尾の左中間本塁打で先制。六回にも青地の左適時打、藤原の中適時打など打者一巡の猛攻で6点を挙げ、試合を決めた。浦和学院は五回、中前の右適時打など2点を返したが、八回の1死二塁の好機をいかせなかった。
【記者執筆】継投が明暗を分けた。大阪桐蔭は5回2失点の先発根尾に代え、六回から登板したエース柿木が被安打1、無四死球と隙を見せなかった。浦和学院は1点差に追い上げた直後の六回途中、先発渡辺の後を継いだ永島が制球に苦しみ、大量失点を招いた。