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226事件とは何か

録画してあった、例の「226事件」のNHK特番(か通常番組かは知らない)を見たが、評判通り興味深い内容だった。
この番組の私なりの理解で226事件を総括したら、要するに軍部の跳ね上がり分子が「天皇親政」による軍事政権を作ろうと策謀し、それを陸軍上層部(おそらく主力派)もひそかに応援し、海軍はこの、政府に対するクーデターを事前に察知しながら(これが、この番組の最大のポイント)それを意図的に放置することで軍事政権の成立か陸軍の崩壊を期待していたということだろう。一言で言えば、軍隊という脳筋集団を中心とした権力闘争が、天皇の一喝によって大事にならずに終息した事件だ、というのが私の理解だ。

226の若手将校たちへの同情はまったくできない。政府そのものが天皇の重要な補佐機関であるというのが明治憲法の示すところであるにも関わらず、政府要人を暗殺して、天皇にそれを褒めてもらえると思うのがまったくの幼児的思考である。
暗殺のターゲットである政府要人が、誤認暗殺されたひとりを除いて、海軍が入手していた情報と実際が一致していることから、海軍がこの3人(軍隊の邪魔になる3人)の暗殺を黙認していたというのは決定的だと思う。そして陸軍も当然、それを黙認していたのである。

陸軍も海軍も、軍事政権を作りたいという点では、226事件の青年将校たちとまったく同じだったのだ。海軍は、そのクーデター(政府要人暗殺)が成功しようが失敗しようが、自分たちの得になる、と判断していたのは確かだろう。軍事政権ができるなら、軍人である自分たちの利益だし、失敗して陸軍が責任を取らされたら、軍隊の主導権を海軍が握れるわけだ。陸軍上層部は、この事件が成功したら、軍事政権の中心は自分たちが握れるし、失敗したら、実行犯たちにすべての責任をおっかぶせればいいと思っていたわけである。そして、実際、後者の見込みどおりになった。
226事件よりも、その後の処分(特に陸軍上層部への処分)が大甘だったことが、その後の日本の針路を決定的にキチガイコースにし、太平洋戦争への道を開いたわけである。











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