ネットフリックスの映画(かテレビドラマか知らないが)「トロツキー」(私は「トロッキー」だとこれまで思っていた。)は、おそらくロシアで制作されたもので、全編ロシア語だが、日本語字幕付きだ。ネットフリックスは日本製アニメにも字幕を付けてくれるので、私のように軽い難聴の人間にはとても助かる。これまでの生活でも、他人の話すことの半分くらいは聞き取れなかったのである。自分が難聴であると自覚したのは最近のことだが、よく考えると若いころから耳は悪かったのだ。
それはともかく、その「トロツキー」は大傑作であり、普通の劇場公開映画と並べても歴代最高の「政治ドラマ」だろう。私のようにロシア革命をあまり知らない人間(これまでは興味も無かった。)でも、全話を見ればその概要が分かり、なるほど、レーニンとトロツキーとスターリンの関係はこうだったのか、とおおよそ理解できる。素晴らしいのは、各人物がまったく美化も神格化もされず、それにも関わらず、それぞれが「政治的怪物」であることが見事に描写されていることだ。特に、スターリンを演じた俳優は、「怪物の中の怪物」という印象である。(若いころと中年では、その怪物としての熟成度が違うのを見事に演じ分けている。)
なお、時々セックスシーンが入るのが私の好みではないが、まあ、私はCM代わりの「目の休憩時間」にしているwww 要するに、どんな人間にも私生活はあり、セックスもそのひとつであるというだけだ。興味の無い人間はわざわざトロツキーの性生活を見るまでもない。ただし、やたらとそういうシーンがあるわけではない。ご家族で見るにはやや不向きかな、と思う。
なお、これもネットフリックスだったと思うが、キューブリックの「ロリータ」の放映期限が3月14日までだったので、中学生か高校生のころのテレビ放映を途中から少し見ただけで駄作だと思い込んでいたが、念のために見直すと、これがかなりの傑作で、「キューブリックに駄作なし」の私の考えは、以前は「ただし『ロリータ』を除く」だったのだが、その補足も不要になった。ただし、この映画は40歳前の人間には理解できないと思う。いわゆる「ロリコン」の語源になったナボコフの小説の映画化だが、セックスシーンは実はひとつもない。在るのは、未成年の少女を心の底から愛してしまった中年男の転落劇であり、それは悲劇的であり喜劇的でもあるのだ。キューブリックが明確なセックスシーンを作品の中から除去したのは、映画の主題はそこには無いからである。
これもついでに書いておくが、どのネットテレビだったか忘れたが、たぶんアマゾンプライムで見た、古い映画「赤い風車」は、ロートレックの生涯を描いた作品だが、この映画の美術は凄い。各シーンの人物やセットが、背景的人物も含め、まさにロートレックの絵の世界なのである。こういう作品も、おそらく若いころには私にはその価値が分からなかったと思う。そのほかにも、昔の白黒映画などで、「今だからこそ理解できる」作品に数点出会い、年を取るというのはこういうメリットもあるのだな、と思っている。
ちなみに、これもネットテレビで見た「旅愁」(似た名前の「旅情」とは別)も、いい作品だった。私は恋愛ドラマ、特に不倫ものは大嫌いなのだが、この作品は、そういう嫌悪感を観客に起こさせない「清潔感のある恋愛・不倫ドラマ」である。私の大好きな「セプテンバーソング」がこの映画の主題曲であり、映画の原題でもあるのは、見始めて初めて知った。昔の映画監督は、特に有名監督でなくても、映画作りが丁寧で誠実であり、特に「観客に不快感を抱かせない」ことには注意深かったと思う。これもちなみに、「赤い風車」の主題曲「ムーランルージュの歌」も名曲である。
それはともかく、その「トロツキー」は大傑作であり、普通の劇場公開映画と並べても歴代最高の「政治ドラマ」だろう。私のようにロシア革命をあまり知らない人間(これまでは興味も無かった。)でも、全話を見ればその概要が分かり、なるほど、レーニンとトロツキーとスターリンの関係はこうだったのか、とおおよそ理解できる。素晴らしいのは、各人物がまったく美化も神格化もされず、それにも関わらず、それぞれが「政治的怪物」であることが見事に描写されていることだ。特に、スターリンを演じた俳優は、「怪物の中の怪物」という印象である。(若いころと中年では、その怪物としての熟成度が違うのを見事に演じ分けている。)
なお、時々セックスシーンが入るのが私の好みではないが、まあ、私はCM代わりの「目の休憩時間」にしているwww 要するに、どんな人間にも私生活はあり、セックスもそのひとつであるというだけだ。興味の無い人間はわざわざトロツキーの性生活を見るまでもない。ただし、やたらとそういうシーンがあるわけではない。ご家族で見るにはやや不向きかな、と思う。
なお、これもネットフリックスだったと思うが、キューブリックの「ロリータ」の放映期限が3月14日までだったので、中学生か高校生のころのテレビ放映を途中から少し見ただけで駄作だと思い込んでいたが、念のために見直すと、これがかなりの傑作で、「キューブリックに駄作なし」の私の考えは、以前は「ただし『ロリータ』を除く」だったのだが、その補足も不要になった。ただし、この映画は40歳前の人間には理解できないと思う。いわゆる「ロリコン」の語源になったナボコフの小説の映画化だが、セックスシーンは実はひとつもない。在るのは、未成年の少女を心の底から愛してしまった中年男の転落劇であり、それは悲劇的であり喜劇的でもあるのだ。キューブリックが明確なセックスシーンを作品の中から除去したのは、映画の主題はそこには無いからである。
これもついでに書いておくが、どのネットテレビだったか忘れたが、たぶんアマゾンプライムで見た、古い映画「赤い風車」は、ロートレックの生涯を描いた作品だが、この映画の美術は凄い。各シーンの人物やセットが、背景的人物も含め、まさにロートレックの絵の世界なのである。こういう作品も、おそらく若いころには私にはその価値が分からなかったと思う。そのほかにも、昔の白黒映画などで、「今だからこそ理解できる」作品に数点出会い、年を取るというのはこういうメリットもあるのだな、と思っている。
ちなみに、これもネットテレビで見た「旅愁」(似た名前の「旅情」とは別)も、いい作品だった。私は恋愛ドラマ、特に不倫ものは大嫌いなのだが、この作品は、そういう嫌悪感を観客に起こさせない「清潔感のある恋愛・不倫ドラマ」である。私の大好きな「セプテンバーソング」がこの映画の主題曲であり、映画の原題でもあるのは、見始めて初めて知った。昔の映画監督は、特に有名監督でなくても、映画作りが丁寧で誠実であり、特に「観客に不快感を抱かせない」ことには注意深かったと思う。これもちなみに、「赤い風車」の主題曲「ムーランルージュの歌」も名曲である。
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