ポイントは、
なぜクーポンを使った男性を揶揄したかについて、会社の飲み会で幹事をしたこの男性が、マクドナルドで全員からお金を集めた後、クーポンを使って疑いのある会計をしていたからだと説明している。
という部分にあるかと思われる。
つまり、飲み会の後、マクドナルドで飲食した際の会計も、飲み会の幹事をやった流れで幹事役の男性がカネを集めて会計をしたのだろうが、その時、集めたカネは正規料金で、支払う時にクーポンを使ったのを見て、この女性は男性が「僅かなカネを着服した」のだろう、と考えて非常な不快感を覚えたのではないか。「もしかしたら、飲み会の会費にも同じような着服があったのかもしれない」、とも思ったかもしれない。
だが、その疑いを表に出せば事が荒立つし、そうしたわずかなカネを問題にすること自体が恥ずかしい気もする。
そのようなモヤモヤを抱えていることも不愉快なので、この女性は「いい年をした男がクーポンを使うのは恥ずかしいことだ」というように「貧乏人男性全体への軽蔑の言葉」として軽率にSNSで発信するということをしてしまったのだろう。
つまり、わずかなカネを問題にしているのは実は女性自身なのである。その自分への嫌悪感を、「私はクーポンを使うような男性を軽蔑する」という筋違いな攻撃の言葉として発信してしまったところに間違いがあったのだろう。
さて、この結果がどうなったか興味深い。おそらく、最近飲み会の後でマクドナルドで飲食した会社員は限られているだろうし、そのツィートをした女性を知っている人間(同僚たち)からは、この飲み会の幹事をした人間が誰かも分かるはずだ。そうすると、幹事の男性は「実にみみっちい不正行為をした」と告発されたも同然であり、その釈明をしなければ、一生、そういう人間だという評価を甘受しなければならなくなる。これは些細なことではない。人生そのものに関わる重大事であり、ある意味、殺人や強姦をした人間と見られるより辛い話である。
わずか数十円のクーポンを使うかどうかで、人生は狂うこともある。
(以下引用)
30代男性がマックでクーポンに「吐き気催す」 女性告白ツイートに男性の異論殺到
マクドナルドでクーポンを使っている30代男性を見て、生理的な嫌悪感を持ってしまった――。ある女性がツイッターでこう告白し、異論が相次ぐ状態になっている。
割引券のクーポンについては、使う人の性格がにじみ出るとも指摘され、ネット上でもちょっとした話題のひとつになっている。
「生理的に気持ち悪い」
今度は、クーポンを使うことそのものに否定的な見方をする意見がツイッターに投稿され、物議を醸している。
「30代男性がマクドナルドでクーポン使ってるの見てドン引きどころか吐き気を催してしまった。生理的に気持ち悪い」
こんなつぶやきをした女性は、その男性がスマホの画面を店員に見せながらドリンクなどを注文するのが見るに堪えなかったと言う。ところが、ツイッター上では、たちまち異論が相次いだ。
「ええー...許してやれよ」「別に使ったってよくねクーポン」などと、男性らから嘆きや怒りの声が上がり、リツイートも1万件以上に増えた。
ツイート主の女性は、多くの共感を得られると思っていたようで、「えっそのレベルなの世間的に」と驚き、「アレってお小遣いでなんとかやりくりしてる学生が使うものじゃなかったの!?!?」と疑問を投げかけた。
この考えにも批判が相次ぎ、「クーポンあるのにそれ使わずわざわざ高いお金払う方が変じゃない?」「家族のために取ったとも取れる行動」といった指摘が出た。
こうしたネット上の声を受け、当の女性も「クーポンはみんなのもの」「感覚が世間一般と乖離しすぎ」と考え直したとしている。また、なぜクーポンを使った男性を揶揄したかについて、会社の飲み会で幹事をしたこの男性が、マクドナルドで全員からお金を集めた後、クーポンを使って疑いのある会計をしていたからだと説明している。
「そもそもクーポンで節約にはならなそうだ」との声も
こうした騒ぎをきっかけに、クーポンによる値段が適正価格なのではないかとか、メニューを選択するときに便利なので使っているだけ、店側にとっても普段来ていない客が来るのでメリットがある、などといったクーポンにまつわる話題で盛り上がる事態になっている。
もっとも、ツイッターなどでは、「そもそもクーポンで節約できた人なんているのか」「節約にはならなそうだから、気分だろうな」などと、女性の意見にある程度同意する声も出ている。