ナカムラクリニック 中村篤史 院長
取材・構成 吉田繁光 本誌発行人
・がんは早期発見が大事だと言われますが、かからないことに越したことはありません。先生は日頃何かがん予防はされていますか?
癌にならないためにと、あえて何かをしていることはありません。ただ、サプリとか健康食品の類いはかなり取っているほうです。それは日々の健康を維持し、生活の質を高めるために取っています。でもそういうサプリが結果的に癌予防になっている可能性はあると思います。たとえばアサイゲルマニウムは患者にもよく勧めますし、僕自身も飲んでいます。
・早期発見のために検診は受けていらっしゃいますか?
癌の早期発見は無意味なので癌検診は受けません。いや、無意味ならまだマシで、むしろ有害じゃないかと思っています。これは僕の意見というか、検診の有効性を調べた論文があって、結果は負の有効性だった。つまりむしろ有害無益というのが研究の示唆するところです。「早期発見早期治療」というのは、医療業界が生み出した単なるマーケティングフレーズに過ぎません。
実際のところ、癌は見つけてはいけません。よく言うでしょう。「人間は誰しも1日5千個くらいの癌ができている」と。それでも、ほとんどの人は癌を発症しない。免疫系が適切に機能していれば、発生した癌もすみやかに処理されるからです。
しかし検診なんか受けてしまうと、うっかり見つかってしまう。レントゲンで「影がありますね。癌の可能性があるので精査が必要です」などと言われて、CTを撮る。生検をする。さらにリンパ節への転移の有無なんかも見る。
まず、検査自体のリスクを軽視し過ぎです。レントゲン100回分とも言われるCT被曝。日本はCT大国だから、CT由来の発癌が絶対あるはず。仮に被曝とは無関係の癌だったとして、生検のせいで癌が転移する可能性もある。せっかく癌が被膜に包まれておとなしく寝てるのに、針を突き刺して起こしてしまう。それで散って全身転移してしまっては、元も子もない。
「癌です。リンパ節に転移しているので少なくともステージ3です」なんて言われて、ショックを受ける。放っておけば何も悪さをしなかったものを、わざわざ見つけに行って、それで癌宣告されて、絶望している。バカみたいですね。検査に行きたい人をあえて止めることはしませんが、僕自身はそういう茶番には付き合いません。
・残念ながら、がんが発見されてしまったらどうされますか?治療法などをお聞かせください。
自分が癌になったら、という仮定ですが、そんな仮定をすること自体、癌のことを分かっていません。先ほども言いましたが、癌は健康な人にも毎日5千個くらいはできていると言われています。だから、僕らはいわば「毎日癌になっている」わけです。
しかしその質問の意味はもちろん分かりますよ。たとえば肺とか大腸に5㎝くらいのしこりがあって、調べてみると癌だった。さて、どうしますか、ということですよね。
基本的には放置ですね(笑)何もしない。
「癌は体の中の濾過装置」という考えがあります。僕らの日常生活って、毒まみれでしょ。農薬、添加物、電磁波、ワクチンなど、僕らはさまざまな毒を日々摂取しているはずで、こういう毒のなかには発癌性がある物質も含まれている。僕は普段、極力そういう毒を摂取しないようにしていますが、それでも完全に回避できるわけじゃない。そんなふうに少しずつ体内に蓄積した毒が、癌を起こす可能性もゼロではないでしょう。
となれば、やるべきことは解毒です。解毒の方法はいくつかあると思いますが、たとえば酵素風呂に行って、しっかり汗をかく。あるいは断食。3日断食を断続的に繰り返すと、体内のマクロファージの貪食能が高まって、解毒力が高まります。あと、アサイゲルマニウムの服用量を増やすでしょうね。たとえば1日2gとか。
・今お話しになったことで、がんの発生時期が若い時期であったり、もっと先の老年期だったりした場合であれば、何か違いがあるか、お話ください。
高齢者が癌になるのは自然なことです。癌以外の死因で死亡した高齢者を解剖したところ、ほとんどの人で小さな癌が見つかったという研究があります。男性なら前立腺に、女性なら乳房に癌があるものです。しかしその癌は、何ら悪さをしません。ただ、そこにあるだけ。
でも、健康マニアの高齢者は「早期発見早期治療」なんていうお題目にだまされて、定期的にがん検診に行ってたりする。それで、癌を見つけてしまい、治療レーンに乗ってしまう。無症状の癌は、見つけてはいけません。やはり、寝た子を起こしちゃいけないんです。
若い人が癌になったとなれば、必ず原因があると考えます。たとえば今なら、コロナワクチンの接種歴の有無を聞きます。女性なら併せて子宮頸癌ワクチンの接種歴なんかも聞きます。食生活の習慣、たとえば砂糖菓子ばっかり食べてるとか、IHや電子レンジで加熱したものをいつも食べてるとか、何かしらの問題がないか、詳しく問診します。
・考えたくないことですが、万が一がんが進行して、医師より「もう治療法はない」と言われたらどのようになされますか?
それは考えたことがなかったな。「もう打つ手なし」と言われたら、どうするか。
うーん、どうするだろう。考えたこともなかったから、ちょっと即答はできないな。
でも、今しゃべりながら考えると、そういうことを考えたことがないのは、僕が、癌というのがどういう病気か、一応分かっているからだと思います。先ほども言ったように、癌は毒の病気です。だから、上手に排毒すれば治らないはずがないと思っているし、日々毒を避けるように努めていればそもそも癌にならないと思っています。だから、癌が進行して「もう打つ手なし」と言われる可能性は、僕としては極めて低いと思っている。だから、そういう仮定を考えたことがないわけです。
癌が手のつけようもなく進行した人というのは、なまじっか西洋医療に頼った人だと思います。先ほども言ったように、癌は体内の濾過装置ですから、本来ありがたいもののはずです。しかしそれを「悪の根源」などとみなして切除すれば、体は別の個所に再び濾過装置を作ります。僕らはそれを「再発」とか「転移」と呼びます。毒物を一点に集約することで全体の恒常性を保とうとするありがたい生命力の現れを、あろうことか、憎むべき病的状態だととらえているわけです。まったく、現代医学の癌治療は野蛮極まりない。
あちこちに転移が広がって切除不能となれば、抗癌剤治療をします。これが決定打です。治療と称して投与する抗癌剤こそが、患者にとっての致命傷となります。
癌という、免疫系が本来持っている生理的な解毒作用を悪とみなし、手術、抗癌剤、放射線などで、免疫系がズタボロになった状態。ここに至って、「もう打つ手なし」となるのが多くの癌患者がたどる道だと考えています。
僕はこういう構造を知っているので、自分自身が「もう打つ手なし」と言われることを想像したこともなかった。ただ、質問の意味は分かりますよ。仮にそうなったら、どうするかってことですよね。
まず、仕事をやめるでしょうね。それで、自分のやりたいことだけをやる。日中は日光浴をして過ごして、飽きたらうちの子供(1歳半の男児)と遊ぶ。あるいは、飼い犬(2匹のゴールデンレトリバー)と遊ぶ。それにも飽きたら、ネットで将棋の対局をしたり。とにかく、自分の楽しいことだけをやります。あ、今気づいたのですが、それって今の僕の休日の過ごし方そのものでした(笑)