たまに映るメーテレの朝番組「ドデスカ」を見ていると、グルメレポートが花盛りで、毎日たくさんのスイーツや料理が紹介されている。
うまそうなのはいいが、価格が表示されると驚くしかない。みんな高くて手が出るような値段ではない。藤井聡太で有名になったピヨリンは、小さなケーキなのに一個400円前後、番組で紹介される普通のケーキは、一個1000円を超えるものが多い。
料理類など、大半が1000~3000円程度で、私の日食費予算500円からみると、逆立ちしても手を出せない。私は自炊しなければ餓死してしまうのだ。
私は特に貧乏ではあるが、テレビ局は、庶民の生活感覚から、あまりにも乖離しているのではないだろうか?
そりゃ、テレビ局職員は、金銭的に恵まれているだろうから、1000円くらいのケーキなどポンポン買えるのかもしれないが、こんな番組を見ていると、私はシラケてしまって嫌な気分になり電源を落としてしまう。
今は、いわゆる「中流家庭」であっても、自民党による法人税減税のための消費罰金税のせいで、本当に生活が苦しくなっている。毎日豪華なスイーツを食べられる人たちなど、ごくわずかしかいないはずだ。
いったい誰が、毎日2000円のランチを常食できるだろう?
私が買えるのは、一個20円のうどん玉、蕎麦玉とか、スーパーの夜7時台に売られる一個200円の半額弁当とかだ。半額サービス以外は手を出せない。私の住む中津川は、和菓子で有名だが、栗きんとんでも、もらい物以外、20年間住んで一度も買ったことがない。
野菜類も安くないので、畑でたくさんの野菜を育てている。自給できているのは、馬鈴薯とタマネギくらいだが……。(以下は、今撮影した畑、最近、地獄の山歩きが功を奏して呼吸が楽になってきたので、数年ぶりに畑をスコップで耕せるようになった)
白菜は追肥食いだが、ウクライナ戦争の影響で肥料が高騰していて、最近ではホームセンターではなくダイソーの100円肥料ばかり使っている。
まあ、この寒さなので、基本は大根と蕪になるが、あとは葱があればなんとかなる。
変な加工食品より、この野菜の方が安全で価値が高いかもしれない。
私は1970年代に、多少の特殊技能や資格があったので50万円程度の給与をもらっていた。だから当時は、贅沢三昧で、風俗も行き放題、結構なご身分だった。
それが1990年代はタクシー24時間勤務でも30万円くらいになり、その後は、普通の仕事でも20万円程度もらえればマシな方だった。
現在は、月5万円に満たない年金暮らしだ。貯金を食い潰さねば生活できない。
以下のグラフは、日本人の平均年収推移だが、最高は1992年の470万円、2009年に最低の420万円になり、2022年現在は、たぶん同程度か、それ以下のはずだ。
ただし、これは世間の実感よりも、たぶん100万円くらい高く表示されているように感じる。
2000年代に入って、平均年収が激減した理由は、小泉純一郎政権で、竹中平蔵が正規職員を激減させ、大半を、すぐに解雇できる、社会保障のない派遣社員に切り替えさせたことによる。日本人の生活を悪化させた最大の戦犯は、竹中平蔵である。竹中のせいで、7割あった正規雇用が4割以下に減ってしまった。
非正規には、ボーナスも退職金も、まともに支払われなくなったので、こうなった。
2018年頃から、私のような低年金生活者の生活水準が悪化し始め、昨年あたりから「苛酷」という表現を使わねばならないレベルになった。
私の年金では、大都会では暮らせない。坪3000円で取引される私の土地は、多少の畑作ができるので、必死になって馬鈴薯や甘藷を育てている。
だから近所に住む泥棒が、私の工具類を盗んでゆくことに殺意を抱いて激怒しているのだ。
今では、貧乏なのは私だけではない。日本には、すでに「中産階級」はいない。いるのは特権を持った大金持ち階級と貧乏人階級だけだ。
これから、我々貧乏人は、自給自足しなければ生きぬいていけないと何度も書いている。自給自足を個人で行うのは困難で、必ず昔の「五人組」のような小さな共同体を作って、頭を寄せ合って困難に対処してゆかねばならない。
団結すれば「三人寄れば文殊の知恵」が涌く。
しかし、今年に入って、ウクライナ戦争の影響で、多少の節約ではどうにもならないほど生活が追い詰められている。
冬を迎えて、マイナス10度以下に下がる当地では、灯油が命の綱だが、その灯油が18リットルで2000円近い。薪ストーブも用意してあるが、その薪を手に入れるのに、2年前からコナラなどを切って乾燥させておかねばならない。山林の所有者に許可を得るのも難しくなった。
炊事用のカセットガスも、昨年の三本260円→350円に上がった。この先、どれほど値上がりするのか見当もつかない。
こんなときを見越して、私は10年前に、林の落木で煮炊きできる竈を作った。
これまでは役に立たず放置していたが、これ以上ガス代が上がるなら、この竈を利用して炊事するしかない。裏山には木切れが無数に落ちている。
作り方は、セメントと耐火セメント、赤土を等量混ぜて、クズ針金やシュロ縄などの繊維を短く切ってから、たくさん入れて攪拌し、廃材の型枠に流し込んで、コテを使って仕上げてゆく。耐火セメントは3割で十分。1000度くらいなら余裕で使える。
灰は甘藷畑に入れれば良い。プラスチックは燃さないこと。
室内暖房は石油ストーブだが、設定温度を18度に下げ、こまめに切るようにしている。灯油ボイラーの風呂は、原則シャワーだけで済ませ、それも三日に一回に減らしたので、これまでの半分で住んでいる。
電気代は下がらなくて困っている。自作EMトイレを、これまで汚泥ポンプで流動させていたものを、散気管を使った曝気だけに切り替えたが、今のところ問題はなくなっている。散気管は柳田ファームから買える。EMBC菌叢も売ってもらえる。
屎尿汚泥の処理水を全量畑に流しているが、ほとんど変化はない。
電灯は、ほぼLEDに切り替えた。最近では電球もダイソーで購入している。今や、庶民の味方はダイソーだけかもしれない。
日常生活の必需品の9割はダイソーで購入できるので本当に有り難い。今や街の商店街で賑わっているのはダイソーだけではないのか?
1980年代バブル時代の夢が醒めやらず、「セレブ御用達」なんてお高くとまっている商店は、今や閑古鳥ばかりだ。冒頭に紹介したメーテレも、1000円のケーキを庶民が食べてるなんて勘違いしているようでは、この先、未来はないので相手にしない方がいい。
とにかく節約に次ぐ節約、スーパーは18時前に行ってはいけない。ストーブの設定温度を下げて羽毛服を着込んで過ごすというライフスタイルで生き延びるしかない。
最大の節約は、孤立した単家族生活をやめて共同体生活に変えることだ。
10~20名の大家族で暮らせば、食事や介護、冷暖房などを大きく節約できるし、子供たちも、身近に人がいることで、たくさんの知恵を学ぶことができる。
今や、優れたスポーツ選手でも、小家族出身者は少なく、ほとんど大家族ばかりだ。
そして、何よりも田舎暮らし、大家族なら公共交通機関が乏しくても、やってゆける。畑で自給自足できる。薪ストーブの燃料も容易に手に入る。
いいことづくめだが、プライバシーが守れないという弱点がある。
これは、個室を充実することで解決出来る。坪5000円以下の土地に住んで、個室を増やせばいい。そして共同室を目一杯暖かくしてみんなで楽しむこともできる。