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負傷兵士(役立たず)は捨てていけ、という思想

「カラパイア」から抜粋転載。
負傷兵士を救助するという思想が自衛隊には最初から欠如している。兵士は使い捨て、というのが日本軍の伝統的思想。
人間を道具視する思想は軍隊だけには限らない。日本社会全体がそう。




(以下引用)



 コメント欄で日本の自衛隊はどうなのか?という話があったので調べてみた。文献は毎日新聞社のものである。

 「日本の戦闘に伴う医療は、まったく駄目だ」。陸上自衛隊の元衛生官で、今は民間の立場で 戦傷医療の啓発に取り組む照井資規(もとき)さん(43)は言う。米軍は負傷時の処置を兵士に たたき込み、止血帯2個、包帯2種類、手袋、気道確保用経鼻管、油性ペン(負傷や処置の日時を 傷口の近くに書き込む)など12の救急品を常に携行させている。自衛隊員は――。照井さんの言葉に 無念さがにじんだ。

 「包帯1個と、止血帯1個。使い方もろくに教えていない」

 4年前の米国研修での苦い思い出を、取材に打ち明けた。自衛隊員の携行する救急品について 米軍関係者に聞かれ、「包帯くらいしか持っていない。訓練もそんなにやらない」と答えた。  厳しい言葉が返ってきた。「自衛隊は頼りにならない」

 「海外で一緒に活動中、けがをした時に同じレベルの手当てをしてくれない国は信用されません」。 ベトナム、アフガニスタン、イラクと実戦を重ねる米軍の備えは最先端だ。救急品は常時携帯する 12品目に加え、戦地では胸を撃たれた時などに使う減圧針などが追加支給され、20品目を超える。 それらを入れる袋は破損で開かなくなるファスナーを使わない。2個の止血帯も爆発で一度に失うことを 避けるため、分けて携帯する。兵士を何としても死なせまいとするポリシーに貫かれているという。

 自衛隊は包帯と止血帯に加え、海外派遣時には手袋やハサミなどを支給する。全部で8品目。 照井さんはそれらを机上に広げ、語気を強めた。「隊員の命って、この中のどこにあるんでしょうか」

 遅れを取り戻そうと防衛省は昨年4月、第一線救護での的確な救命のあり方を話し合う有識者の 検討会をスタートさせた。今も議論を続けている。

 「昨年のいつだったか、検討会で座長が怒鳴った」と防衛関係者が振り返る。 「あなた方は医学も知らないし軍事も知らない。一体何の専門家だっ」と声を荒らげたという。 座長は、東京都保健医療公社副理事長で内閣官房参与の佐々木勝医師(64)だ。 怒声については「そういう話は尾ひれがつく」と笑う。

 自衛隊には戦傷医療の知識も装備も経験もない。「それ自体は幸いなことだ」と佐々木さんは言う。 戦後一発も撃たず、撃たれず、そもそも必要性がなかった。しかし、これからは違う。

 検討会では自衛隊側から積極的な問題提起がなく、議論は白熱しないという。佐々木さんは いらだっている。「彼らにはリアリティーが欠落している」


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