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日本の住居問題

「株式日記と経済情報」からコメント付きで転載。
コメントの内容には半分同意半分不同意だが、一応全文を転載した。
同意なのは、居住不適格地には住むべきではない、という部分。
不同意なのは、都市に住み、マンションに住むべきだ、という部分。
そもそも都市部への異常な人口集中が現代日本のさまざまな問題を生み出しているのだから、都市に住む人口は減らしていくべきだろう。日本は狭いとは言っても地方には住める場所は広大にある。また、空き家も膨大にある。土地さえ十分にあれば、マンションに住むより平屋に住むほうが人間らしい生活ができる。そもそも、分割された土地所有権しか無いマンションなど、本物の財産とも言えない。自分の財産であれば、管理費や駐車費用など請求されるいわれもないだろう。老朽化した時には(住民のほぼ全員の同意が必要だから)改築や改装をするのが厄介だ、など難点が多すぎる。
まあ、日本のように自然災害が多い国では、賃貸のほうが気楽ではあるが、毎月、給料の3分の1から4分の1くらいも家賃支払いに充てるというのもキチガイじみた話だ。家賃に払った金はすべて消えていくだけだ。つまり、毎月5万円の家賃ならば、毎年60万円、それを50年続ければ3000万円が空中に消えていくわけだ。ローンで家を買って毎月5万円支払えば、その家は自分の財産となる。老後を考えるなら、貧弱でもいいから土地付きの持ち家を持つほうがいいと私は思う。そうすれば、家賃がゼロだから、たとえ所得が20万円以下でも生活できる。年金がある人間なら、年金以外の所得は10万円程度(すなわちパート労働)でも十分だ。それなら、若い人の職を奪わなくても、自然とワークシェアリングができ、社会もうまく動くことになる。


(以下引用)


この一帯では、一九九九年六月の豪雨でも三十二人の死者・行方不明者を出した。
今回と同じように、まさ土の地盤に造成された山裾の新興住宅地に集中した。

2014年8月22日 金曜日

豪雨土砂災害 情報が生死を分ける 8月21日 中日新聞


 山裾の新興住宅地で、また…。局地的な豪雨に見舞われた広島県で土砂崩れが相次ぎ、多くの犠牲者を出してしまった。過去の教訓は生かせなかったのか。命を守るため、先手先手の情報発信を。



 広島市安佐南区、安佐北区で多数の住宅が土砂崩れや土石流にのみ込まれ、多くの住民が生き埋めになった。犠牲者の冥福を祈るとともに、まずは、救助や被災者支援に全力を尽くさねばならない。



 広島県は、花こう岩が風化した「まさ土」と呼ばれる地質が広がる。真砂土とも記され、水を含むと崩れやすい。



 この一帯では、一九九九年六月の豪雨でも三十二人の死者・行方不明者を出した。土砂災害の被害は、今回と同じように、まさ土の地盤に造成された山裾の新興住宅地に集中した。



 九九年の広島豪雨災害をきっかけに、国は土砂災害防止法を制定した。土砂災害の恐れがある場所を、都道府県が特別警戒区域、警戒区域に指定する。警戒区域では避難態勢の整備と周知徹底が義務付けられ、特別警戒区域なら、宅地開発などが規制される。



 今回、災害が発生した地域は、一部を除き、まだ、指定されていない場所だった。広島県砂防課によると、危険箇所は全国最多の三万二千カ所をリストアップしているが、詳細な基礎調査が必要になるため、まだ、一万二千カ所しか指定できていないという。



 現住者もいて、なかなか指定が進まない、というが、人々の命に関わる問題である。指定されていれば、災害の危険性に対する住民の意識も違っていただろう。



 広島市が避難勧告を出したのが土砂崩れの通報が相次いでからだったことと併せ、後手に回った対応が被害の拡大を招いた。未明の急激な豪雨ではあるが、情報の早期伝達は重要な課題だ。



 今月十六~十七日に記録的な大雨が降った岐阜県高山市では、約百七十カ所で崖崩れが起きたが、人的被害は一件もなかった。民間の気象情報会社のサービスも活用した素早く、きめ細かい避難勧告が奏功した。



 十七日昼に避難勧告を出した地区でその夜、土砂災害が発生して民家一棟が全壊した。住人は防災無線を聞いて小学校に避難しており、無事だった。



 なかなか指定が進まないとはいえ、土砂災害防止法の警戒区域は既に全国で三十五万カ所。危険を知らせる、危険を知る努力が命を守る第一歩であろう。



(私のコメント)

広島の集中豪雨災害は100名近い死者が出ているようですが、なかなか被害の実態がつかめないのはどうしてだろうか。現場は広島市の近くであり山裾を切り開いて造成して作られた造成地だった。山裾を造成して作られた住宅が山崩れで被害に遭った。集中豪雨があれば山崩れを心配しなければならないような所に住宅が建て続けられている所に問題の根源がある。

これからの住宅政策は、都市部の再開発であり、果てしなく広がった郊外地に一戸建ての住宅を建てる事は水道や電気ガスなどのインフラ整備に金がかかるばかりだ。それよりも都市部の中心に高層マンションを建てるべきであり、山裾や崖の上や浸水するような川べりに住宅を建てさせてはならない。

しかし一戸建てが欲しい場合は、今まで建てられなかった山裾や崖の上や河川敷に住宅が建てられて、集中豪雨があると山崩れや浸水騒ぎが起きる事になる。優良な住宅地には住宅が建てられているから新しい住民は住むことが出来ない。本来ならば優良住宅地に高層マンションを建てて新しい住民を吸収すべきなのですが、都市の再開発には時間がかかる。

東日本大震災の時も書きましたが、木造一戸建てでは災害に弱く津波や山崩れで簡単に住宅が流されてしまう。高層マンションなら低層階は浸水や津波が来て被害を受けても高層階に逃れれば命は助かる。今度の広島の土砂災害でもコンクリートのマンションが砂防ダムのように土砂を防いでいた。木造だと流されて瓦礫になってしまう。

日本の住宅政策は、都市計画がなかなかできずに乱開発が進んで災害に弱い都市づくりがなされてきた。人々は木造の一戸建てに拘るから住宅地は果てしなく拡大を続けてきましたが、山裾や崖の上や河川敷に住宅が建てられてしまう。欧米などでは市街化区域と非市街化区域がはっきりと分かれて都市計画がなされている。

ところが日本では都市計画が上手く行かないのは、住宅そのものが資産であり、山林地主や農家などの地主は農地をいつでも住宅に出来るように市街化区域になるように運動しながら、固定資産税は農地や山林として安くしたい。このような思惑が入り組んでいるから市街化区域と線引きしようとしてもなかなか線引きが出来ない。

中日新聞の記事にもありますが、特別警戒区域に指定されると住宅としての資産価値にも影響が出るから、役所もなかなか指定が出来ないという事情もあるのでしょう。なぜ山裾や崖の上や河川敷に住宅が建てられるのかは安いからであり、地主たちはそういう住宅不適格地から土地を手放す。

日本のように自然災害を受けやすい所では災害に強い都市づくりをしなければなりませんが、線引きすら行われず再開発も地権者が入り組んでなかなか再開発が上手く進まない。少子高齢化が進んで空き家が増えてきた事を書きましたが、日本の人口の減少は都市計画を進めるには追い風であり、都市部の空き家を集約化して高層マンションを建てるべきだろう。その事によってコンパクトシティー化を進めるべきだ。

電車に乗って郊外に行くと、電車の窓からは果てしなく一戸建ての住宅が建ち並んでいることが分かる。そして通勤に1時間も2時間もかけて通勤していますが、都市中心部のマンションに住めば通勤時間を30分に短縮できる。広島も大都市であり郊外の宅地化が進んで山を切り崩していますが、そんな事をするよりも都心部に高層マンション化して住宅を供給すべきなのだ。

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