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心が繊細なばかりに僕はすべてをふいにした(ランボー)

私は男で恋愛音痴なので、前に書いた(「アイズ・ワイド・シャット」に関して書いた)恋愛論がアホ極まるものだろうとは思うが、男と女で恋愛に対する姿勢がまったく違うのは断言していいと思う。
下の記事は映画評論ブログを書いているfragileさんの「500日のサマー」評の一部だが、私はもちろんこの映画を見ていない。恋愛を遊戯視する女性はまったく趣味に合わないからである。そして、原題「500days of Summer」を映画配給会社が「500日のサマー」という日本語題にしたのは愚の骨頂だと思う。これは明らかに「サマーの500日」とすべきである。サマーが人名であることが明瞭になるし、原文の英語の正確な訳でもある。あるいは意訳だが「サマーとの500日」と、男性の立場から訳すのもいい。下のfragileさんの恋愛観には私は男への絶望とニヒリズムを感じる。

注:fragile(壊れやすい、繊細な)

(以下引用)


私はよく恋愛をパフェに例えます。


私は恋愛をパフェのようなものだと思っていて、上の方の、キラキラして華やかで果物がきれいに乗っている、おいしいところだけを食べているのが一番良いと思っている。パフェは下の方もまあおいしいが、だんだん色んなものが混じってしまってコーンフレークでごまかされた気もしてしまう。(略)これはもうどうしようもないことだ。パフェの上の方だけ食べて生きていくことはできない。


花束みたいな恋をした/私のような貴方との恋 | 映画感想 * FRAGILE


サマーは私と同じで、恋愛のキラキラした美味しいところだけ食べていたいんだと思います。関係に名前がつき、第三者から恋人同士と認識され、次第に将来のことを考えたりしていくうち、それが破綻してしまうのを嫌がっているのではないのかなと。そうだとしたら、彼女が思わせぶりな態度ばかりとって、キスやセックスやちょっとした「好き」という言葉でトムを束縛していくことに不思議はないんです。深入りせず、美味しいところだけ楽しむ。享楽的と思えますが、そうすることで自分を守っているんだとも思うんですよね。


最後のほう、「サマーが他の人と結婚したことをわざわざ改めて報告する理由がわからない」と言われたことがあります。これは私はよく分かる話で、この場合の私の立場はトム側なんですよね。


一時期、男性の友人が結婚する直前に私に会いたがって、食事をしたひとが2〜3人いました。そういうふうに会った人の中で、今も良好な友人関係を続けていられている人はいません。このことについて「RPGをやっているとき、ラスボス戦直前に『そういえば、最初の村にあった宝箱には何が入っていたんだろう』って思って開けに行くようなものですよ」と言われ、爆笑しながら納得したことがあります。私が男性の気持ちを慮ることがなかったように、一部の男性は私の気持ちを慮ることがなかった。お互い様だと思いますね。

(夢人追記:今回のブログタイトルはもちろんfragileにかけたものだが、その元ネタはランボーの「最高の塔の歌」である。下の壺斎氏の訳は今ひとつだが、借用しておく。)


 至高の塔の歌:ランボーの恍惚

  俺は爛堕な小僧
  何にでも夢中になり
  余りにナイーブだったせいで
  人生を無駄に使い果たした
  おお!時よ来い
  恍惚の時よ来い

  あるがままであろう
  誰にも見られずにいよう
  約束などせずに
  きままに行動しよう
  何者にも邪魔されず
  堂々と振舞おう

  辛抱ばかりしたために
  何もかも忘れてしまった
  恐れも痛みも
  空の彼方に吹き飛んだ
  得体の知れぬ渇きが
  血の流れを鈍くする

  かくて草原は
  忘却に引き渡され
  かの地で花開く
  乳香やエンドウの花を
  おびただしいハエたちが
  群がって飛び回る

  千の死別も
  貧乏人たちには
  聖母の像のほかには
  見守るものもない
  処女マリアのために
  人は祈りうるだろうか

  俺は爛堕な小僧
  何にでも夢中になり
  余りにナイーブだったせいで
  人生を無駄に使い果たした
  おお!時よ来い
  恍惚の時よ来い

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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