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山のあなたの空遠く幸い住むと人の言う

前に、英語では愛や恋を何でもloveでひとまとめにしてしまう、と書いたのだが、日本人にはこういう大雑把さは無いというか、嫌うのではないか。
若いころの異性への感情を分類しても「関心→憧れ→好き→恋」くらいの段階がありそうだ。まあ、好きと恋の間に段階があるというのは私の判断だ。
で、この中の「憧れ」という時期が日本人はわりと長いのではないか、という気がするのだが、英語で憧れを何と言うのか、思いつかないのでネットで調べると、次の3種類が出てきた。
憧れ」の翻訳
名詞

longing
憧れ, 切望, 熱望, 渇望, 憧憬, 慕情

yearning
憧れ, 思慕, 共感, 追悼

aspiration
願望, 抱負, 希望, 向上心, 憧れ, 野心

この3つとも日本語の「憧れ」とは少し違うような気がするが、まあ、この中では「yearning」だけは英語の古い歌(ジャズ系統の歌だったか)で見たことがある。longingは知っていたが「切望」の意味が最初に思いつくので、「憧れ」の印象は無い。とは言っても、確か石黒正数の漫画で無名のシンガーソングライターの作った歌のタイトルが「憧れロンジング」だったような記憶もある。で、aspirationとなるとアスピリンとインスピレーションの間の子供か、としか思えない。yearningにしても、何だかうめき声みたいである。
まあ、少なくとも、英語人種は「憧れ」という感情とはあまり縁が無さそうである。憧れる段階をすっ飛ばして、即座に行動し、即座にセックスして気に入らないと即座に別れそうであるwww
昔、枯堂夏子という作詞家がいて、彼女の「恋愛の達人」という作品だったと思うが、「片思いの間(「恋をしたその瞬間」だったか)が一番いい」という趣旨の一節があって、至極感心したものである。何しろ、相手の正体や正味を知らないのだから、幻滅する心配が皆無だ。www
ただ、英米人でも憧れという感情が無いわけではなく、相手が人間の場合は「憧れ即行動」なだけだろう。或る種の「理想郷への憧れ」となると、日本人よりむしろ強いようで、「虹の彼方に」とか「ムーンリバー」とか「酒と薔薇の日々」とか名曲・佳詞が色々ある。タイトルに使ったカール・ブッセの詩もそうである。(英米人ではないが、似た民族だろうから一緒にしておく。)
理屈を言うなら、日本人は日常生活や周囲や社会への不満というものをあまり持たない民族なのではないか。不満があるのは自分のせいでしかない、というわけだ。だから「革命」などと縁が無いのだろう。

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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