甲斐谷氏の理論だと「ねじ式」などのつげ義春の作品など、どうなるのかね。あれの「意味」を論理的に説明してみろ、と言いたい。そもそも「ねじ式」という題名と漫画内容との関係は何だよ。吉田戦車のギャグ漫画も、意味を考えて笑うというものではないだろう。
意味とは、個人の心の中で作られるものであり、対象物が意味を持っているわけではない。ある対象を見て、それにどのような意味づけをするかは個々人の内面の問題だ。前にも書いたが、私の友人は満開の桜を見ても「白いだけ」としか思わないそうである。世間の多くの人は「素敵、美しい」と思うのだろうが、どちらの感じ方も間違いというわけではない。物事の感じ方が千差万別だからこそ豊穣な創作物がこの世にはあるのである。創作物の意味など、会社のお偉方やスポンサーに説明する時にこじつければいい。
ただし、甲斐谷氏が構成を重視する意図は分かる。構成意識が無いというのが、多くの素人創作家の欠点だろうから。
要するに、「構成が適切だから、大きな効果がある」と言うべきであって、「意味不明だが面白い」というのもまた構成が適切だからだろう。意味不明だから構成が悪いとは限らないわけだ。
南部寛永さんがリツイート
- この理論が正しいとすると楳図先生やジョージ秋山先生の作品のほとんどは駄作になるな!
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- 意味とかよりも「なんかよく分かんなかったけどスゲーよ!ありがとな!」的な感動を大事にしたい。
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- うるせーよタコ!
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- もしあなたが自分の漫画を人に読んでもらって「よく意味が分かんなかった」という感想をもらったら、あなたの構成力はほぼ0点です。「まずは意味を理解してもらう」は構成において最低限守らなければいけないハードルです。「わかんない」は「面白くない」より深刻にダメです。