私は、「ガンダム」はまったく興味が無く、一番最初のテレビ版(と思われる)の第一回を途中まで見て、絵柄が嫌いだし、発端部分の話に興味が持てないし、で最後まで見なかったのだが、この前、ふとした気まぐれでアマゾンプライムの「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のⅠを見て、絵柄が自分の知っていた絵柄とは違い、また話の内容が「政治」の話が大半で、非常に面白く思い、それから3日ほどの間で「Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ」とすべて見た。見るに従って面白さも増し、全部見終わると、これは傑作だなあ、と感心したものである。ただし、これは安彦良和が作った、「アムロ・レイ以前の話」であり、つまり、ガンダム「正史」(キャラ絵も話も富野由悠季が中心だろう)の前日談のようだ。主人公はアムロ・レイではなく、シャア・アズナブルと言っていいが、悪役たちも含めた群像劇と言うべきだろう。ただし、悪役とは言っても、シャアも含め、登場人物はそれぞれ自分の行動原理や哲学に従って行動しているにすぎない。単純な善悪二元論ではない。そこがいい。地球連邦とジオン公国とどちらが正義ということもない。そこが凡百の戦争映画や戦争アニメとの違いだろう。
アマゾンプライムに入っていない人は、NHKで(再編集版のようだが)放映するようなので、一見をお勧めする。ハリウッドで実写化したらいい作品だな、と思うが、シャアが「神よ(俺の前に)跪け!」と言うセリフなどはハリウッド的にはアウトだろうwww
ちなみに、シャアは、地球連邦もジオン公国も憎んでいる(と思われる)復讐鬼である。
さらに言えば、私は「巨大ロボット物」のほとんどは馬鹿馬鹿しいとしか思わない人間だ。そういう人間だからこそ、この作品の中の「政治」的部分を凄いと思うのである。戦争と政治の密接な関係を描いた作品を私はほとんど知らない。山本薩男(薩夫だったか?)の「戦争と人間」くらいだろうか。ただ、それも「戦争で儲ける人間たち」は描いても、「政治によって戦争が起こる」こと(つまり戦争の馬鹿馬鹿しさ)を鋭く感じさせることに成功してはいない気がする。
(以下引用)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』TVアニメ再編集版がNHK総合で4月放送決定!
劇場及びOVAとして発表された「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を再編集した「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」が、4月28日NHK総合テレビにて放送決定!毎週日曜日24時35分よりTVで見ることができます。
マンガとして発表され、2015年から2018年にかけて劇場で公開された「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。TVアニメは全13話に再編集したものとなっています。またOPをLUNA SEAが担当することも発表。曲名は「宇宙の詩(ソラノウタ) ~Higher and Higher~」。
ちなみにAmazonでは、プライム・ビデオとして公開中。さらにKindleでは「機動戦士ガンダム40周年記念KADOKAWAガンダムコミックフェア」が2月28日まで開催していて、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」1~19巻が50%OFFとなっています。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」放送情報
放送日
NHK総合テレビ:2019年4月28日(日)より毎週日曜日24:35~(関西は25:09~)
スタッフ
原作:矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
脚本:隅沢克之
音楽:服部隆之
総監督:安彦良和
企画・製作:サンライズ
キャスト
シャア・アズナブル:池田秀一
アムロ・レイ:古谷徹
セイラ・マス:潘めぐみ
デギン・ソド・ザビ:浦山迅
ギレン・ザビ:銀河万丈
ドズル・ザビ:三宅健太
キシリア・ザビ:渡辺明乃
ガルマ・ザビ:柿原徹也
©SOTSU・SUNRISE

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