(以下引用)容量のため写真など一部をカット。
あまりにも正確な状況を描く2005年のCIAのレポート
最近、ロシアやフランスなどの比較的メジャーな報道メディアが、アメリカの情報機関である CIA の「 2005年の報告書」についてのことを相次いで報じており、それらの報道で、この CIA のレポートのことを知りました。
2020年3月23日のロシアのプラウダより
・Pravda
この報告書というのは、2005年に書かれた「2025年までの世界の傾向 完全に変わる世界 (Global Trends 2025 / Transformed World)」というレポートです。
こちらが表紙ですが、全部で 120ページもあるレポートです。
・Global Trends 2025 / Transformed World
特に秘密資料とかではなく、一般に公開されているものですが、書かれたのが、今から 15年前のことでしたが、このレポートに、
「世界的なパンデミック発生の可能性」
という項目があり、パンデミックが起きる状況と結果を記しています。
そのページを翻訳しました。
Global Trends 2025 / Potential Emergence of a Global Pandemic
CIA 2005年
世界的なパンデミック発生の可能性
適切な治療法が存在しない、伝染性が高く毒性の強いヒト呼吸器疾患の出現が、世界的なパンデミックを引き起こす可能性がある。
2025年までに世界的パンデミックが発生した場合、この感染を回避したり、感染源からの流入を防ぐために、各国政府は移動の制限などの政策を行うことにより、各国の国力は低下し、国内および国境を越えた緊張と紛争が発生する可能性が高くなる。
パンデミックとなる病原体は、現在すでに存在している疾患株の自然の遺伝子変異または再集合によるものか、ヒト集団への新しい病原体の出現に依存している。
専門家たちは、H5N1などの高病原性鳥インフルエンザ株のような病原体が形質転換したものが候補である可能性があり、また、SARS やコロナウイルスなど他の病原体のパンデミックの可能性もある。
パンデミックが発生した場合、おそらく最初は、人口密度が高く、人間と動物が密接に関連している地域、たとえば中国や東南アジアの地域で人間と動物が近くに住んでいる場所から始まる。
それらの畜産の慣行が規制されていない国や地域では、人畜共通感染症が家畜集団に蔓延する可能性があり、パンデミックの可能性がある系統への突然変異の機会が増加する。病原体が効果的に伝播するには、人口密度の高い地域に病気が伝染する必要がある。
そのようなシナリオの下では、発生源となる国内の不十分な健康監視体制により、病気の拡大の早期発見と同定が妨げられると考えられる。公衆衛生への対応が遅いと、伝染性の高い病原体が出現して広がっているという認識が遅れるのだ。
パンデミックの可能性がある疾患の存在を確認する確定的な検査結果が得られるまでには数週間かかる場合がある。
暫定的に、中国や東南アジアの町や都市にこの病気のクラスターが出現し始める。その後、海外旅行に制限が課せられる段階になっても、症状が軽度な患者や、症状の出ない感染者の旅行は続き、疾患は大陸を超えて運ばれる可能性がある。
新しい症例の波は数ヶ月ごとに発生するだろう。
効果的なワクチンがなく、ほとんどの人に免疫がないために、この疾患は非常に感染しやすい。最悪の場合、アメリカ本土内で数千万人から数億人のアメリカ人が感染し、数千万人が死亡する。
アメリカ以外では、世界規模で全人口の約 3分の 1が感染し、数億人が死亡する。そして、世界規模での重大なインフラの劣化と大規模な経済的損失が発生する。
病気がどれほど速く広がるか、何人が病気になるか、どれくらいの期間パンデミックが続くか、そして死亡率と後遺症はどのようになるかは、パンデミックの原因となる病原体の特定の特徴によって異なる。これらのシナリオは、これらの変数の範囲内での可能性の最も高い特性を示している。
(中略)
このレポートに対して、ロシアのプラウダは、記事で以下のように皮肉げに締めくくっています。
2020年3月23日のプラウダより
2015年の科学誌ネイチャー・ メディスン・ジャーナルには、アメリカの科学者たちがコウモリなどのさまざまな動物にコロナウイルスのハイブリッドバージョンを人工的に作成したと記された記事があった。さらに、2013年に研究者たちは、このウイルスを人間に感染させる可能性を研究していたことが説明されている。
アメリカ政府は先日、アメリカの科学者たちが新型コロナウイルスに対する実験的ワクチンを作成し、それをテストし始めたことを報告している。どの国が売上高から莫大な利益を得るのかを想定するのは容易い。 (Pravda)