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american way of life

前にも「あしながおじさん」の事を書いたが、これも同じ本からの引用。
ジュディが、半年かけて書いた小説を出版社から突き返され、酷評を受けて意気消沈した翌日、新しい小説の構想がひらめいて、それに夢中になっていることを書いた、その手紙の末尾である。


If I had a husband and twelve children swallowed by an earthquake one day, I'd bob up smiling the next morning and commence to look for another set.

例によって、拙訳。

「もしも私が夫一人と12人の子供を地震で呑み込まれても、私は翌朝には笑顔で跳ね起きて新しい夫一人と12人の子供のセットを捜し始めるでしょう。」

その前に書かれていた言葉は

No one can ever accuse me of being a pessimist! (誰にも私をペシミストという非難は絶対にできないでしょう!)

で、まさに、これこそアメリカ的な生き方だなあ、と私は思う。楽天的で、未来志向。終わったことをくよくよしない。
私はこの「もしも地震で……」云々のジュディの言葉が昔から大好きなのである。アメリカの政治経済支配層は大嫌いだが、アメリカ人の明るさは好きだ。
で、私が最近HULUで見ているアニメが「めぞん一刻」だが、、ジュディとは反対に、ヒロインの音無響子は、亡くなった夫の思い出をいつまでも引きずり、そのために新しい恋愛に踏み切れないでいる。ある意味、男にとって都合の良い理想像としての「貞淑な未亡人」である。日本の男は昔からこういうタイプの女性が好きだから、ジュディのような考え方は(もちろん彼女の言葉は冗談なのだが)毛嫌いされるのではないだろうか。
同じ「めぞん一刻」でも、他の女性群「七尾こずえ」や「八神いぶき」は、ジュディ型に見えるから、これは作者高橋留美子の人物造形力の高さを示すものだろう。
若い頃には見えなかった視点で見ることができるというのは、読む側、見る側から言えば、年をとることの利点である。そして、そういう奥行きのある作品をあの若さで描けた高橋留美子はやはり天才的な創作者だと言っていいのではなかろうか。



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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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