台風21号による被災を契機に、関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港の役割分担を見直そうとする動きについて、関空の地元・大阪府泉佐野市の千代松大耕市長は27日、「火事場泥棒みたいやと思った」と強い言葉で非難した。現在国内線限定の伊丹、神戸両空港での国際線就航に強い警戒感を示した。
9月の台風による浸水被害で関空は一時閉鎖。復旧までの特例として、伊丹、神戸での発着制限が緩和された。実現はしなかったが、国際線の代替も計画された。
官民で3空港のあり方を議論する「関西3空港懇談会」は2005年、当時需要が低迷していた関空救済のため、伊丹や神戸を国内線に限定した。近年は訪日外国人が急増。関空に国際線が集中するのはリスクもあるため、関西経済連合会が3空港懇の年内開催を目指し調整している。
記者会見で千代松市長は「伊丹や神戸は、国際線就航の実績につながると考えていたのではないか。言葉は悪いが、火事場泥棒みたいやと思った」と述べた。さらに「関空の発着枠はまだ満杯ではない。2期島も半分が空き地のままだ」と強調し、見直しの動きにくぎを刺した。【蒲原明佳】