これで「この世界の片隅に」は批評家投票、読者投票どちらもベスト1になったわけで、これは素晴らしいことだ。映画にうるさい層にも一般大衆にも支持される、という作品は稀ではないか。あの黒澤でさえ、長い間、大衆からは支持されながら、日本の映画評論家からはけなされ続けていたのである。まあ、当時の映画評論家は、「本物」の数人を除いて、映画やくざとでも言うべき疑似インテリ(スノッブ)が多く、飲み仲間の三流監督を持ち上げるために、大物監督をけなすことが普通だった、と私は思っている。
キネマ旬報でも、読者投票と批評家投票では結果が大違いであることが多かった記憶がある。一般大衆(キネ旬読者)は爽やかな映画、面白い映画を好むが、評論家は深刻な、エロと暴力の描写が露骨な、文学思潮における「自然主義」的な映画を高く評価することが多かったのではなかったか。つまり、そちらを「文学的」だと思っていたのだろう。
まあ、御託を並べすぎた。要するに、「この世界の片隅に」は、文句の無い名作として日本映画史に名が刻みこまれた、ということである。
なお、日常生活の細部を淡々と描くことで人生の喜びや悲哀を見るものに感じさせる、という点で、小津安二郎の映画と「この世界の片隅に」はよく似ている、と思う。だが、その日常性の背後に常に戦争という最大の暴力が存在している、というのがこの映画の特異さである。そういう点ではルネ・クレマンの名作「禁じられた遊び」のほうが近いかもしれない。
(以下引用)
キネマ旬報でも、読者投票と批評家投票では結果が大違いであることが多かった記憶がある。一般大衆(キネ旬読者)は爽やかな映画、面白い映画を好むが、評論家は深刻な、エロと暴力の描写が露骨な、文学思潮における「自然主義」的な映画を高く評価することが多かったのではなかったか。つまり、そちらを「文学的」だと思っていたのだろう。
まあ、御託を並べすぎた。要するに、「この世界の片隅に」は、文句の無い名作として日本映画史に名が刻みこまれた、ということである。
なお、日常生活の細部を淡々と描くことで人生の喜びや悲哀を見るものに感じさせる、という点で、小津安二郎の映画と「この世界の片隅に」はよく似ている、と思う。だが、その日常性の背後に常に戦争という最大の暴力が存在している、というのがこの映画の特異さである。そういう点ではルネ・クレマンの名作「禁じられた遊び」のほうが近いかもしれない。
(以下引用)
【映画】2016年キネマ旬報・読者ベスト10が発表!1位『この世界の片隅に』2位『シン・ゴジラ』、4位『君の名は。』
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<この記事への反応>
読者ベストテンでも2位だった『シン・ゴジラ』。永遠の2位w 一方、気になっていた『君の名は。』は4位。キネマ旬報の読者層的にはこんなもんなんだろうか (´・ω・`)
う~ん、やはり読者ベストテンはわかりやすい結果だなぁ。キネ旬ベストテンでベストテン外だった「君の名は。」が4位にランクインしてる代わりに、8位の「クリーピー 偽りの隣人」が入ってない。
キネマ旬報読者ベストテンも発表に。こっちの方が自分が予想したのに近いな
1位は納得として、「シン・ゴジラ」が「君の名は。」より上になったのがうれしかったり。
読者が選ぶほうのベストテンでは圏外だった君の名は。が4位か。
『この世界の片隅に』おめでとう!
審査員が選ぶ方のキネ旬でも1位で今回の読者が選ぶのも1位とかすごいお
『シン・ゴジラ』もおめでろう!
これも審査員も読者が選ぶのも同じく2位って十分凄くないか
『君の名は。』が入ってるけどまさか『怒り』に負けるとは・・・
映画のランキングは奥が深いお
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読者ベスト・テン|2016年 第90回キネマ旬報ベスト・テン
■読者ベスト・テン(日本映画)
1位 この世界の片隅に
2位 シン・ゴジラ
3位 怒り
4位 君の名は。
5位 リップヴァンウィンクルの花嫁
6位 64-ロクヨン- 前編
64-ロクヨン- 後編
7位 湯を沸かすほどの熱い愛
8位 永い言い訳
9位 海よりもまだ深く
10位 淵に立つ
■読者ベスト・テン(外国映画)
1位 ハドソン川の奇跡
2位 キャロル
3位 スポットライト 世紀のスクープ
4位 ルーム
5位 レヴェナント:蘇えりし者
6位 オデッセイ
7位 ブリッジ・オブ・スパイ
8位 スター・ウォーズ/フォースの覚醒
9位 ブルックリン
10位 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
■キネマ旬報ベスト・テンとは
『キネマ旬報』は、1919(大正8)年に創刊され、現在まで続いている映画雑誌として、日本では最も古い歴史を誇ります。
以下、全文を読む
<この記事への反応>
読者ベストテンでも2位だった『シン・ゴジラ』。永遠の2位w 一方、気になっていた『君の名は。』は4位。キネマ旬報の読者層的にはこんなもんなんだろうか (´・ω・`)
う~ん、やはり読者ベストテンはわかりやすい結果だなぁ。キネ旬ベストテンでベストテン外だった「君の名は。」が4位にランクインしてる代わりに、8位の「クリーピー 偽りの隣人」が入ってない。
キネマ旬報読者ベストテンも発表に。こっちの方が自分が予想したのに近いな
1位は納得として、「シン・ゴジラ」が「君の名は。」より上になったのがうれしかったり。
読者が選ぶほうのベストテンでは圏外だった君の名は。が4位か。
『この世界の片隅に』おめでとう!
審査員が選ぶ方のキネ旬でも1位で今回の読者が選ぶのも1位とかすごいお
『シン・ゴジラ』もおめでろう!
これも審査員も読者が選ぶのも同じく2位って十分凄くないか
『君の名は。』が入ってるけどまさか『怒り』に負けるとは・・・
映画のランキングは奥が深いお
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