まず、電気はすべての世帯が使用するものであり、その料金の増大はかなりな負担になる。(イギリスなど、電気料金の高騰で企業も家庭も地獄化しているという話だ。料金高騰を放置すると日本もそうなるわけだ。)「買う事を控える」ことで防衛できる一般物価とは別物だと認識すべきである。ガス代も同様だ。要するに、それらの価格抑制はすべての生活者に平等に恩恵が行き渡るのである。今のように電気使用が生活を支えている時代に、電気料金の高騰ほど庶民を苦しめるものはないと言っていいだろう。
物価が上がっても耐えられるよう、給料をアップさせることが政府の責任なのに、その発想もない。もし、本当に物価高騰を懸念しているなら、期間限定でいいので消費税率を下げるべきです。税率をゼロにすれば、物価は10%下がります
荻原博子のこの発言など、浅慮の最たるものだろう。
第一に、給料アップは政府が命令できるものではない。国民全体の給料が上がるには産業構造の根本的変化と雇用システムの改善が必要なのであり、今すぐに非正規社員を廃止する命令を出せば、人件費増で倒産する会社が膨大に生まれるだろう。
第二に、消費税の引き下げによる売り手側の混乱と損害を考えていない。売り手も買い手も国民なのである。消費者目線でだけしか論じないのは不公平だろう。消費税の害悪を問題にするなら、期間限定ではなく、完全廃止にするのが一番合理的である。しかし、消費税分相当の金額を売り手が価格に上乗せしたら同じことであり、根本問題は輸入原材料と輸入燃料の価格高騰にあるのである。
要するに、下の記事に書かれていることはほとんどが的外れだと言っていい。
(以下「阿修羅」から引用)
岸田首相肝いり「電気代支援策」やっぱり1世帯2000円ぽっち…茂木幹事長明言で批判殺到
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313345
2022/10/24 日刊ゲンダイ
物価高による1世帯当たりの負担増は年間8万円超…(自民党の茂木敏充幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
案の定、国民の怒りを買っている。岸田首相が「前例のない思い切った対策」と予告していた「電気・ガス代の負担軽減策」──。23日、自民党の茂木幹事長が民放番組で具体策を説明すると、予想通り、批判が噴出している。
BSテレ東に録画出演した茂木幹事長は、政府が月内に取りまとめる総合経済対策について、上昇する電気・ガス代の負担軽減策が「一丁目一番地だ」と強調。そのうえで「電気代が1カ月1万円の家庭だと、(原油高の影響で)1万2000円になってしまう。この2000円の値上がり分はきちんと吸収できる対策を盛り込んでいく」と口にしてみせた。
すでに先週、政権が打ち出す「電気代の負担軽減策」は、1世帯あたり上限2000円になりそうだと報道はされていた。しかし、茂木発言が明らかになると、ネット上には改めて批判が殺到した。
《「前例のない思い切った対策」を重ねて検討した結果がコレ 国民をバカにしてるとしか思えない》《物価高騰しているなかで電気代二千円程度の補助だけで何が変わるの?この国の物価・庶民の所得など現実を全く理解できていないよ!》
物価高騰による1世帯当たりの負担増は年間8万円を超えるだけに、わずか2000円の“対策”に怒りが噴出した格好だ。さらに電気代の負担軽減策の実施方法が、事業者に補助金を出すスキームになりそうなことにも《電力会社業界への補助金となっていくのだろう。もともと利権や政治との関わりが深い》と批判が集中している。
経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「岸田首相は支持率を気にするタイプだそうですが、なのに国民の暮らしがまったく分かっていません。同じ2000円でも、即刻、電力会社に連絡して『来月から2000円引いて欲しい』と頼めばスピーディーに見えるのに、動きも遅い。それに、本来、電気代の補填といった小手先ではなく、物価が上がっても耐えられるよう、給料をアップさせることが政府の責任なのに、その発想もない。もし、本当に物価高騰を懸念しているなら、期間限定でいいので消費税率を下げるべきです。税率をゼロにすれば、物価は10%下がります」
これでは支持率は永遠に上がらないのではないか。