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冤罪には巨額賠償請求訴訟が当たり前になるべき

無関係な人間を共犯者として巻き添えにするのが犯人たちにとってどういう利益があるのか分からないので、この大学生の事件が冤罪事件なのかどうか私には判断できないが、判決に従って冤罪だとするなら、この大学生はこの起訴によって「あいつは怪しい人間だ」と周囲から見做され、就職も不利になり、一生をフイにしたようなものだから、検察や警察を相手に巨額の損害賠償を請求してもいいと思う。なぜそのような訴訟が日本では滅多にないのか、不思議である。だからこそ日本ではあきれるほど冤罪事件が多いのだろう。


(以下引用)






無罪の確定に、心境を語る男子大学生=大阪市内で © 毎日新聞 無罪の確定に、心境を語る男子大学生=大阪市内で

 特殊詐欺事件の容疑者として逮捕され、約10カ月勾留された後、先月11日に大津地裁の無罪判決が確定した大阪市の男子大学生(22)が、毎日新聞の取材に応じた。男子大学生は「無罪になっても、逮捕される前のような生活に戻れるわけではない。今後、このようなことがないようにしてほしい」と訴えた。【諸隈美紗稀】


 男子大学生は昨年7月、友人らと共謀し、他人の息子になりすまして高齢者から現金200万円をだまし取ったとして、県警に逮捕された。その後、同様の手口で計1500万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で3回にわたり再逮捕された。男子大学生は一貫して容疑を否認し続けた。


 大津地裁での公判で検察側は、共犯とされた友人ら2人の証言から、男子大学生は「詐欺グループのリーダーと実行役を結ぶ『連絡役』だった」と主張。一方、弁護側は「2人の証言は信用性できない」と無罪を訴えた。判決は「友人らの証言は矛盾が多く、信用性に疑問が残る」とし、無罪を言い渡した。


 最初の逮捕は、男子大学生が前期の試験を目前に控えていた中でのことだった。「実際に手錠をされて捕まり『夢かな』と思った。滋賀の警察が何をしに来たのか分からなかった」と振り返る。共犯とされた友人とは、大学に入ってから働くようになった飲食関係のアルバイト先で知り合い、毎週顔を合わせていたという。


 男子大学生によると、逮捕当日から「やってません」と否認したが、取り調べを担当した警察官から「お前、起訴されるのだから、何しゃべっても一緒」「このままいったら、懲役10年や」などとプレッシャーを掛けられた。取り調べの際に「お茶をください」とお願いしても「面倒くさい」「後で」などと断られ、数時間たっても最後まで出されたことはなかったという。


「就職活動にも響くのでは」


 3回の再逮捕で勾留期間は10カ月に及び「また逮捕されるのか、とびくびくしていた」。その間、弁護士と母親以外とは話すことが禁じられ、元々話し好きだったにもかかわらず、今年5月の保釈直後は日常会話をするだけで声がすぐかれるようになった。弁護士費用は母親に借り、大学も留年することになり「就職活動にも響くのではないかと不安だ」と胸の内を明かす。


 判決は「共犯者が自らの刑事責任を軽減するために虚偽の供述をし、捜査機関を通じて知らされた別の共犯者がそれに合わせるように虚偽の供述をした可能性もうかがわれる」と判断。「検察官が共犯者に、別の共犯者の供述を詳細に教えて誘導するかのような質問を重ね、迎合する供述を引き出した」と捜査の問題点を挙げた。


 男子大学生の永井誠一郎弁護士は「客観的な証拠が無い中、2人の証言だけで検察側が起訴できると思ったところに問題がある」と指摘。共犯者とされた2人のうち1人について、検察の取り調べの様子が録音・録画されており、裁判官も様子を確認したという。永井弁護士は「可視化されていなかったら、有罪判決が出ていたかもしれない。証言はもっと慎重に判断すべきだった」と検察側の姿勢を批判した。


 一方、大津地検の高橋和人次席検事は毎日新聞の取材に「関係証拠を精査するなどした結果、控訴しないこととした」とコメントした。









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