【リオデジャネイロ=淵上隆悠】ブラジルのボルソナロ大統領は、サンパウロ州による外出制限措置などに対して「犯罪だ。国を破壊している」といった批判を繰り返している。経済重視で政権を運営してきた立場から、感染防止の徹底は景気の急激な悪化を招くとの危機感があるとみられる。
ボルソナロ氏のSNSには3月29日、安全性の確認されていない薬品名を挙げて「(治療に)効いている」などと語ったり、外出制限を否定するような発言をしたりする動画が投稿された。ツイッター社とフェイスブック社はこうした動画を不適切だと判断し、削除した。
ボルソナロ氏は3月24日のテレビ演説でも「私は感染しても何も感じない。ただの風邪だ」と語った。こうした言動には、隣国アルゼンチンのフェルナンデス大統領から「事の重大性をわかっていない」との批判が出た。