公開日 2017年06月28日
最終更新日 2017年06月28日
沖縄戦、前田高地での戦いの実話をベースにした映画作品
2017年第89回アカデミー賞にノミネートされたメル・ギブソン監督作品『ハクソー・リッジ(原題:HACKSAW RIDGE)』。
この作品は沖縄戦に従軍した衛生兵デズモンド・T・ドスを主人公とし、ドスが前田高地にある険しい崖での攻防戦の最中、衛生兵として多くの負傷兵の命を救ったことを中心に描く物語です。
既に米本国では昨年の11月に公開され、多くの人々がこの前田高地での戦いに関心を持ち、日本人、外国人を問わず前田高地、浦添城跡に足を運ぶ数が増えています。
浦添における日米両軍の戦闘は実に激しく、当時の浦添村の状況は住民の44.6%にもおよぶ4,112人が死亡。 一家全滅率も22.6%という状況で、多くの住民が犠牲となりました。
以下のグラフは『浦添市史』に掲載された「戦災実態調査票」をマッピングしたものです。青は生存者、赤は戦死者の数を各字別にグラフ化したものですが、ハクソー・リッジ周辺となる浦添市の前田高地周辺の戦死率の高さが目立ち、ハクソー・リッジをめぐる戦いの激しさ、それに巻き込まれてしまった住民の苦しみが可視化されます。
毎年6月は沖縄県にとっては大切な時期であり、平和を願い、あの激しかった沖縄戦を忘れることなく、後世に伝えるための数々の催し物が行われます。
浦添市では、本作『ハクソー・リッジ』を通じて沖縄戦や前田高地での戦いに関心をもった人への平和学習や、平和パネル展といった企画の実施により平和を学ぶ機会を設けるなど、平和事業に取り組んでまいります。各事業については以下の内容でご案内する予定です。準備が整い次第、市民のみならず県内外の皆さんに広くご案内してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
名称 | 日程 | 場所 | 所管課 |
---|---|---|---|
広報誌の特集展開 | 広報誌6月号に掲載 | 広報うらそえ | 国際交流課 |
過去、現在…そして未来へ -平和な未来を考える- | 6月1日〜29日 | 市立図書館 | 図書館 |
浦添城跡出土の沖縄戦遺物展 | 6月6日〜7月30日 | 浦添グスク・ようどれ館 | 文化課 |
「戦がやってきた」原画展 儀間比呂志 作 | 6月14日〜7月2日 | 浦添市美術館 | 美術館 |
映画「ハクソー・リッジ」から見る浦添・前田高地の戦い | 6月16日 | 中央公民館3階ホール | 中央公民館 |
前田高地の戦跡めぐり | 6月18日 | 浦添グスク・ようどれ館 | 文化課 |
沖縄戦パネル展「沖縄・浦添戦(いくさ)展」 | 6月19日〜29日 | 市役所1階ロビー | 国際交流課 |
<追記>ご要望がたいへん多かった現地のガイドツアーを、浦添市観光協会が『映画「ハクソー・リッジ」の舞台となった浦添城跡前田高地を巡るツアー』としてご用意しました。7月からの土日に設定されております。ご希望の方はリンク先をご参照ください。
6/16開催 映画『ハクソー・リッジ』から見る浦添・前田高地の戦い から
6/18開催「前田高地の戦跡めぐり」から
6/18開催「前田高地の戦跡めぐり」から
6/19開催『ハクソー・リッジ』先行上映会から
『ハクソー・リッジ』関連コンテンツ
浦添市史 第五巻資料編4 戦争体験記録より抜粋
写真は米国陸軍公刊戦史 「Okinawa The last battle」 より。
日本軍の総反撃と死闘の末 態勢を整えた日本軍は、前田守陣地を死守すべく物量に勝る米軍と死闘を展開していった。戦闘のあまりの激しさに米兵の中には発狂者も続出したといわれている。次にその戦闘状況を資料で跡づけていく。 「四月二十九日の未明から朝にかけて、日本軍は、第九六師団前線の前面にかけて総反撃にでた。午前五時十五分、第三八三連隊の第二大隊は、手榴弾や槍をもった日本軍の強襲をうけ、G中隊の一小隊などは、この戦闘で三十名から九名になってしまった。とはいえ、第三八三連隊では二回にわたる日本軍への猛反撃で、およそ二百六十五名の日本兵を倒し、またその日の午後の戦闘では、戦車隊や火炎砲装甲車を先頭に、二百名以上の日本軍をやっつけたのである。(一三四頁) この前田の戦闘では、血なまぐさい肉弾戦の末、米兵でさえ、日本軍の“バンザイ攻撃”を地でいくような行動に出たことが記録されているが、第三十二軍残務整理部資料によると、弾の尽きた日本軍の中には、石を投げつけて抵抗しようとした部隊もあったことが記録されている。 |
映画のご案内
※本作品は、シネマQ、シネマライカムにおいて6月24日(土)より公開されます。