第一に、「少女像」は最初は「慰安婦像」と呼ばれていたことを銘記しておきたい。
それがなぜいつのまにか「少女像」と呼ばれることになったのか。
第二に、「慰安婦像」はなぜ未成年の少女の姿で描かれたのか。
まあ、上記の疑問の答えは簡単に想像はつくが、ひとつ分からないのは、この少女の隣の「空席」の意味である。想像を逞しくすれば、「この隣の席に座らされていたのは、あなたのお母さんやお婆さんだったかもしれないのですよ」という暗黙のメッセージだろうか。
美術としてみると、私も貞本義行氏に近い感想にしかならないのだが、政治的メッセージを読み取れ、という趣旨の作品なのだろうから、美術としては論じる必要はないだろう。ただ、何の情報も無しにこの少女像を見て、「これは従軍慰安婦である」と分かる人はいるのだろうか。つまり、最初から「日本大使館前に設置した」という情報込みでの作品であり、美術ではなく政治的プロパガンダでしかない作品だ。
これからは、チマチョゴリを着る韓国人女性は少女像を連想されるリスクを負うわけで、韓国や北朝鮮のチマチョゴリ業界から文句が出てもおかしくない話だと思う。
要するに、誰得? という話であり、得をしたのはこの作品を作った「芸術家」だけだろう。
慰安婦像
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