安倍総理を弁護するわけではないが、私は「敷居を踏んではいけない」というマナーを知らなかった。そもそも、敷居を踏んだ記憶もあまり無い。こういうのは自己防衛の無意識で自然な行為であって、マナー扱いするようなことだろうか。
で、下の質問への回答を見ても、マナーと言うよりは、やはり、当人の安全のために生じた「日常生活の注意事項」でしかないものが、なぜか「礼儀作法」になっているようだ。「畳のへりを踏むな」などはもはや化石的マナーだろう。
(以下引用)
敷居や畳のへりを踏んではいけないのは何故ですか。 恥ずかしながら私は日本人で...
敷居や畳のへりを踏んではいけないのは何故ですか。
恥ずかしながら私は日本人です。
できればこの質問に最もふさわしいカテゴリーも教えてください。
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ベストアンサーに選ばれた回答
マナー、作法というのには全て意味、目的、理由、歴史といった背景があります。
作法として語られる内容には全て「生活に密着した」狙いがあります。
例えば「布団を踏むな」「座布団を踏むな」という話。
このような戒めを語る場合、「布団にはその家の先祖が宿り…」というような説明をしてタブー視するようなことがありますが、こういうのはいわば方便。
そのような「宗教的な理由」ではなく、もっと現実的な理由があります。ただ「ご先祖様が…」と厳しく戒めておけば、より守るであろうということが期待出来ます。
寝具は寝るもの、座布団は座るもの。中に入っている綿は重みをかけるとつぶれてしまいます。
寝る、座るという使い方なら体重は分散されますが、踏む=立って乗ると一点に体重が集中し綿の劣化が早まります。これは「布団を長持ちさせるための知恵」です。
「畳の縁を踏むな」
よく言われるのは「昔の畳のヘリにはその家の家紋を入れる慣習も見られ、その場所を来客が踏むのは、訪問宅を侮辱するに等しい行為だ」という話。これが方便です。
確かにオオーダーメードの畳なら家紋を入れることもありましたがそれは本来の理由ではありません。
こちらももっと日常的です。
畳の縁というのは小さな段差になっています。今でこそ基礎や畳の性能も良くなりましたが、かつては畳の反りは縁の部分に発生するものでした。そこに足を引っかけると転倒したり滑ったりする恐れがあります。思わぬ事故を防ぐために日頃から踏まないように心がけるということです。
「敷居を踏むな」
柱が家屋を垂直面で支える構造物であるのと同様に、敷居というのは水平面で支える構造物です。
ここを踏むと「家が歪む」という物理的な不具合があったために戒めた訳です。
もちろん「敷居は段差になっているので躓きやすい」という意味においては畳と同じ要素もあります。
作法というのは全て意味がある訳ですから「畳の縁には家紋が…」などという縁起だけを云々して形だけ受け継いでもなんにもなりません。
しかし「綿が傷む」「転倒する」「家が傷みやすくなる」という部分については現代社会においても生きています。
形だけではなく意味とセットにして語り継いで行きたいです。
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