その四十四 再会
「ぼくたちもアスカルファンに行こう。ロータシアに行く前に天国の鍵のてがかりはすべて集めておきたいし、どうせアルカードに行くとちゅうなんだから」
ハンスの言葉にチャックはうなずきました。
「それでいいかい、アリーナ?」
ハンスはアリーナに聞きました。アリーナにとっては、完全にグリセリードの外に出ることになりますから、心細いでしょう。
「もちろんいいわよ。アスカルファンやアルカードを見るのは楽しみだわ」
ハンスだけを相手にしている時とちがって、なんだか上品な口ぶりでアリーナは答えました。
「さて、アスカルファンに行くとなれば、ここから砂漠を横切って西に行き、ボワロンの北の海岸から船に乗ることになるな」
チャックが言うと、アリーナが聞きました。
「あんたたち、空を飛べるんじゃないの?」
「浮かぶのはできるが、飛ぶのはむずかしいな。精神の集中は、限度がある。あまり長い時間はできないんだ。高いところから落ちるとあぶないし、精神も疲れるからね」
チャックが答えます。
「そうか」
とアリーナは納得(なっとく)しました。
その晩は、砂漠の星空を見ながら眠り、翌日、三人は砂漠の北西のボワロンに向かって出発しました。
三人が歩き出して数時間たった頃、上空を飛んでいたパロが何かを見つけて下りてきました。そして、言いました。
「東のほうから、ピエールたちが来る」
ハンスとアリーナは大喜びしました。もしかしたら、ピエールたちはグリセリードで捕らえられて、殺されたのではないかと心配していたのです。
砂漠の彼方から、ラクダに乗って駈(か)けて来るのは、本当にピエールとヤクシーとヴァルミラです。ヤクシーのラクダには、もう一人乗ってますが、だれなのでしょう。
「やあ、ハンス、シルベラ、元気そうだな」
ピエールは、ひらりとラクダから飛び下りて、ハンスとアリーナを抱きしめました。続いて、ヤクシーとヴァルミラも下ります。ヤクシーといっしょに乗っていた子供も下りました。見ると、ロンコンのところにいたセイルンではありませんか。どうしてこの子がピエールたちといるのだろう、というハンスの疑問に答えるようにピエールが言いました。
「この子はセイルンだ。おれたちとアズマハルで遭(あ)って、ハンスたちの後を追っているというんで連れてきたんだ」
「ぼくたちもアスカルファンに行こう。ロータシアに行く前に天国の鍵のてがかりはすべて集めておきたいし、どうせアルカードに行くとちゅうなんだから」
ハンスの言葉にチャックはうなずきました。
「それでいいかい、アリーナ?」
ハンスはアリーナに聞きました。アリーナにとっては、完全にグリセリードの外に出ることになりますから、心細いでしょう。
「もちろんいいわよ。アスカルファンやアルカードを見るのは楽しみだわ」
ハンスだけを相手にしている時とちがって、なんだか上品な口ぶりでアリーナは答えました。
「さて、アスカルファンに行くとなれば、ここから砂漠を横切って西に行き、ボワロンの北の海岸から船に乗ることになるな」
チャックが言うと、アリーナが聞きました。
「あんたたち、空を飛べるんじゃないの?」
「浮かぶのはできるが、飛ぶのはむずかしいな。精神の集中は、限度がある。あまり長い時間はできないんだ。高いところから落ちるとあぶないし、精神も疲れるからね」
チャックが答えます。
「そうか」
とアリーナは納得(なっとく)しました。
その晩は、砂漠の星空を見ながら眠り、翌日、三人は砂漠の北西のボワロンに向かって出発しました。
三人が歩き出して数時間たった頃、上空を飛んでいたパロが何かを見つけて下りてきました。そして、言いました。
「東のほうから、ピエールたちが来る」
ハンスとアリーナは大喜びしました。もしかしたら、ピエールたちはグリセリードで捕らえられて、殺されたのではないかと心配していたのです。
砂漠の彼方から、ラクダに乗って駈(か)けて来るのは、本当にピエールとヤクシーとヴァルミラです。ヤクシーのラクダには、もう一人乗ってますが、だれなのでしょう。
「やあ、ハンス、シルベラ、元気そうだな」
ピエールは、ひらりとラクダから飛び下りて、ハンスとアリーナを抱きしめました。続いて、ヤクシーとヴァルミラも下ります。ヤクシーといっしょに乗っていた子供も下りました。見ると、ロンコンのところにいたセイルンではありませんか。どうしてこの子がピエールたちといるのだろう、というハンスの疑問に答えるようにピエールが言いました。
「この子はセイルンだ。おれたちとアズマハルで遭(あ)って、ハンスたちの後を追っているというんで連れてきたんだ」
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