17日正午前、愛知県豊田市梅坪(うめつぼ)町の市立梅坪小学校(児童数730人)の教室で、校外学習先から戻った1年の男子児童(6)の意識がなくなり、倒れたと学校から119番通報があった。児童は救急搬送されたが間もなく死亡が確認された。重度の熱中症である熱射病と診断されたという。
市教育委員会と学校によると、午前10時ごろ、1年生4クラスの112人が校外学習の一環で約1キロ離れた和合公園へ歩いて出発。虫捕りや遊具を使った遊びをした後、11時半ごろに学校へ戻った。11時50分ごろ、担任の女性教諭が男子児童の唇の色の異変に気づき、児童は間もなく意識を失ったという。
児童に持病はなく、出発前の健康確認では異常を訴えていなかった。だが、公園に向かっている途中から「疲れた」と話し、ほかの児童からも遅れ気味になっていて、教諭が手を引いて歩いたという。
豊田市内は午前9時に気温が30度を超え、11時には33・4度、正午には34・8度を観測。児童たちは水筒持参で、こまめに飲むよう指示していたという。教室にはエアコンはないが扇風機が設置されており、戻った際も動かしていた。
今回の校外学習では、ほかにも3人の女子児童が体調不良を訴え、1人は保護者と一緒に早退したという。近く保護者会を開き、経緯を説明するという。
校外学習は虫捕りを目的に毎年夏に実施していた。出発前、学校が測定した校内の敷地の気温は32度。最高気温35度以上が予想される「高温注意情報」が気象台から出されていたことも学校は把握していた。記者会見で籔下(やぶした)隆校長は「これまで校外学習では大きな問題は起きておらず、気温は高かったが中止するという判断はできなかった。結果として判断が甘かったと痛感している」と釈明した。