https://earthreview.net/pfas-in-bandaid/
<転載開始>
CDC, ehn.org
非常に身近な「直接皮膚につける」衛生用品に
アメリカの消費者監視団体などが、バンドエイドなどに代表される、いわゆる「絆創膏」に含まれる PFAS についての調査結果を発表していました。
その結果は、これはアメリカでの話ですが、
異なるブランドの 40個の絆創膏のフッ素検査を行ったところ、そのうち 26個で検出可能なレベルのフッ素が検出された。
とのことで、かなりの割合で PFAS などが含まれているようです。
PFAS は、水を弾いたりするようなものに使われるため、おそらくは、絆創膏製品の中でも「水に強い」と銘打たれている製品には、PFAS 等が使われている可能性が高いのかもしれません。
絆創膏製品は、たとえば、日本で使われるものは日本製が主流ですので、日本の絆創膏の PFAS 使用状況がどうなっているのかはわかりません。
しかし、アメリカでそうなら、ある程度は同じような感じとなっているのかもしれません。
なお、研究者たちが懸念しているのは、絆創膏は一般的には「傷などができたときに使う」ものです。つまり「出血部位に直接使用する」ものであり、
「血流から体内に入るおそれがあるのではないか」
ということのようです。
以前、「廃棄されたマスクから、膨大な量の PFAS が環境中に垂れ流され続けている」ことを、こちらの記事で書きましたが、衛生関係の製品には、ジャンルを問わず、かなり広く使われているようです。
今回ご紹介する記事でも、その後半は「女性の生理用品からの PFAS の検出」についてふれていますが、生理用品などを使用する人体の部位も非常に繊細な部位です。
なお、仮に血流に入った場合、PFAS は、「脳に達する」ことが問題のひとつでもあるかもしれません。血液脳関門を突破するのです。
先ほどリンクしました In Deep の記事に、2021年の「脳内の PFAS の吸収、分布、毒性」という論文から抜粋していますが、以下のように書かれています。
「脳内の PFAS の吸収、分布、毒性」より
…生体モニタリング研究および PFAS 曝露実験によると、PFAS は人間および野生生物種の脳に蓄積する可能性がある。
特定の脳領域における PFAS の分布に関しては、脳幹、海馬、視床下部、延髄、および視床などが PFAS の蓄積に優勢だ。
脳内での PFAS の蓄積と分布は、PFAS 誘発性の行動障害や認知障害など、中枢神経系に有害な影響を引き起こす可能性がある。
以下、絆創膏からの PFAS の検出についての調査の結果を取り上げていたデイリーメールの記事です。
永久に発がん性のある化学物質がバンドエイズに含まれており、開いた傷口から直接血液に入り込む可能性があると報告書が警告
Cancer-causing forever chemicals found in BAND-AIDS where they can get directly into blood through open wounds, report warns
dailymail.co.uk 2024/04/03
バンドエイドや Curad など、最も評判の高いブランド群の絆創膏には、危険なレベルの永久化学物質が含まれていることが衝撃的な報告書で明らかになった。
大手監視機関による検査では、 全国の何百万もの薬品棚にある 20種類以上の絆創膏から化学物質フッ素が検出された。
PFAS 化学物質は接着剤の製造に使用されることがあるが、監視機関はこれらは(絆創膏の)通常の製造プロセスの産物であると考えている。ロケット燃料の製造にも使用されるフッ素は、皮膚の火傷や目の損傷を引き起こす可能性があるが、吸入するのが最も危険だ。
毒物学者であり、臨床検査を共同主導した国家毒性プログラムの元責任者であるリンダ・バーンバウム博士は、危険な化学物質が開いた傷口に直接接触するという事実は「厄介なこと」だと述べた。
PFAS 化学物質は、水を飲んだり、PFAS 化学物質が含まれた食べ物を食べたりすると、簡単に血流に入る可能性がある。 PFAS は血流に入ると健康な組織内に留まり、免疫系、肝臓、腎臓、その他の臓器に損傷を与える可能性がある。
環境衛生監視機関は、18の異なるブランドの 40個の絆創膏のフッ素検査を行ったところ、そのうち 26個で検出可能なレベルのフッ素が検出された。
消費者監視ブログのママベーションと環境衛生ニュースは、EPA 認定の研究所を利用して、CVS、ウォルマート、ライトエイド、ターゲット、アマゾンなどの大手小売店で販売されている絆創膏の吸収パッドや粘着フラップに含まれる PFAS 化学物質を調べた。
100ppmを超える高レベルのフッ素を含む包帯には、バンドエイド、Care Science、Curad、CVS Health、Equate、First Honey、Rite Aidブランド、Solimo(Amazonブランド)、およびターゲット・ブランドの Up & Up などのブランドが含まれる。
バーンバウム博士は、「包帯は開いた傷口に巻かれるため、子どもや、そして大人も PFAS にさらされている可能性があると理解するのは憂慮すべきことです」と語った。
「創傷治療に PFAS が必要ないことはデータから明らかです。そのため、業界が PFAS から国民を守るために PFAS の存在を排除し、代わりに PFAS を含まない材料を選択することが重要です」
PFAS 物質には炭素原子とフッ素原子間の結合が含まれており、環境中に数年、さらには数十年にわたって残留する可能性がある非常に回復力の高い化学物質を生成する。
この化学物質はあらゆるところに存在しており、最も一般的には撥水・防汚製品や焦げ付き防止調理器具に含まれている。
キッチンの定番の焦げ付き防止コーティングであるテフロンは、ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) と呼ばれるフルオロカーボンで作られている。
PFAS は水道水や人間の血液からも検出されている 。アメリカ CDC の国民健康栄養検査調査の報告書では、アメリカ人の 97%の血液から PFAS が検出されたことを報告している。
消費者監視のママベーションによると、包帯に含まれる PFAS は耐水性と耐油性を目的として使用されている可能性が高いという。
これとは別に、PFAS は十代の少女の使用など、人気のある月経用品からも検出されている。
サンフランシスコ環境省で働いていたジェシアン・チョイ氏は、お気に入りのブランドの下着をラボテストすることにした。
この検査は、2017年にファストフードの包装紙に含まれる PFAS 化学物質をノートルダム大学で発見したグラハム・ピーズリー博士によって 2020年に実施された。
「オーガニック」と名打たれた製品には高レベルの PFAS が含まれていた。 また、股の内側には数十から数百ppmの銅が含まれており、両側には亜鉛が含まれていた。
この調査はシンクス社にとって悪い評判を呼び、後に集団訴訟で約 500 万ドルで和解することになる。同社は調査結果に反論し、自社製品には PFAS は含まれていないとピースリー博士に主張した。
ピーズリー医師はザ・ヒル誌に次のように語った。「彼らは私に折り返し電話して、『もう手に負えなくなってきたので、(これらの生理用品を)使用しても安全であるという声明を出してくれませんか?』と言ったのです」
「私はこう言いました、『申し訳ないですが、昨日私が言ったことを何も聞いていなかったのですか? 私は自分の娘をこんなことに巻き込むつもりはありません』」
PFAS が含まれる月経用品は生理用下着だけではない。 2020年と 2022年の別の一連の研究室分析では、46種類の生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッドを対象に PFA の証拠が調べられた。
そのうち 48%に相当する 22件でフッ素が検出された。
バーンバウム博士は、「月経用品からの PFAS への経皮曝露は大きな問題となる可能性があります」と述べた。
「膣の皮膚は非常に血管が多いため、内部被ばくはもう少し悪化する可能性があり得ます」
PFAS 化学物質への皮膚曝露の影響はよくわかっていないが、フッ素への曝露は重度の皮膚炎症を引き起こす可能性がある。
カーネギーメロン大学環境健康科学の主任研究員ピート・マイヤーズ氏は、「(PFASが)どれだけが皮膚から吸収されるかという疑問に答えることは現状では不可能ですが、あらゆる可能性のある曝露は避けるべきであることはわかっていることです」と語った。
「 PFAS は消費者製品に含まれるべきではありません、それは当然のことです」