英国とドイツの研究者らが研究の中でこうした事実を明らかにした。この研究結果は学会誌『Hypertension』で発表された。
フラボノイドとは天然色素のことで、さまざまな植物を着色しており、明るい色彩の果物やベリーがこれにあたる。化学的な特性として、フラボノイドはホルモンに近く、人体で発生するほぼすべてのプロセスで見られる。研究員らは、心血管症と人間の消化管の微生物の組成、また、フラボノイドが豊富な食品の摂取の頻度と量の関係性を明らかにすることに成功した。
英国とドイツの研究者らは共同でドイツの成人900人超のアンケートの回答内容を調査した。このアンケートでは、フラボノイドが含まれる112種の食品摂取の頻度と量が把握された。回答者の腸内微生物叢については、アンケート回答者から採取された大便内バクテリアのDNAによって研究者が評価を行った。また研究者らは、回答者らのライフ様式に関するデータを収集した。その中にはボディマス指数や性別、年齢、悪癖の有無、薬の服用、運動、1日に摂取するカロリーと繊維質の量、また、家族の中に虚血性心疾患を患った者がいるかなどが含まれる。
研究結果では、食事で少量のフラボノイドを含む食品を摂取した研究協力者よりも、より多くのベリーやリンゴ、ナシ、ワインを摂取した人には、収縮期血圧のレベルが低く、多様な腸内微生物叢が多く存在することが示された。こうしたことから、研究者らは、各人がフラボノイドを豊富に含む食品を十分摂取できる毎日の食事量を単純に変えることで、消化管や心血管システムの健康を維持することができると強調する。そのため、1日に赤ワイン1~2杯を飲酒することが健康的な食事の一部となる。
また、不適切な食事は、反対に健康にとって大きな危険をもたらす。以前、通信社「スプートニク」は、米国のミシガン大学の研究者らが、ホットドックを1本食べるごとに人生が36分短くなることを明らかにしたと報じている。