電通で過労死の事件があった。これを批判した大学教授がいた。一方、英国の警備員は……
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これは三題噺ふう。
(1) 電通過労死 電通で過労死の事件があった。東大卒の新卒女性が、滅茶苦茶な残業をさせられたすえ、自殺してしまったことに、労災認定がなされた、という事例。
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電通の女性新入社員自殺、労災と認定 残業月105時間 →
現実の残業は 100時間をはるかに超える →
申告した残業時間は虚偽(短め) →
本人のツイートの解説

(2) 大学教授の批判 この自殺を見て、「簡単に自殺するなんて、根性がない」という趣旨の批判をした大学教授がいた。のちに取り消して、謝罪したが、その謝罪が不十分で、謝罪までも取り消した。
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長谷川秀夫教授「残業100時間超で自殺は情けない」 投稿が炎上、のち謝罪 本人の発言は、こうだ。
月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。
一読してわかるように、変なことを言っている。
・ 自分が請け負った仕事をプロとして完遂する
・ 自分で起業した人
・ プロ意識があれば……人的資源を獲得すべく最大の努力 完全に勘違いしているね。正しい事実は、こうだ。
・ プロではなくて、ただの労働者である。
・ ペーペーの新卒社員である。(1年目) プロではなくてただの労働者であって、労働者のなかでも階級が最下位に属すると言っていい。(何らかの権限もない。)そういう人に向かって、何を言っているんだか。
それはいわば、コンビニのアルバイトの店員に向かって、「ミシュランで三つ星を得ているシェフとしてのプライドを持て」と言うようなものだ。見当違いというしかない。呆れる。

(3) 英国の警備員 英国で 360億円の宝石盗難事件があった。
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イギリス最大の盗難事件!宝石350億円分盗み取る →
イギリス【史上最悪規模の強奪事件】- NAVER まとめ この盗難にあったビルで、気づかず見逃した警備員の言い分がふるっている。
ともあれ、上の大学教授には、この警備員の言葉を見習ってほしいものだ。だいたい、
「給料は下っ端分の金しか出さない(それどころか残業代も出さない)が、責任だけは最上級の責任をもて」
なんて、どの面下げて言えるんだか。ブラック体質丸出しだね。

[ 付記 ] この手の過労死問題については、「どうすればいいか?」という議論がしばしばなされる。
しかし、解決策は簡単だ。こうだ。
「法律を守る。つまり、残業をしたら、残業代をきちんと出す」
これだけでいい。
今回も、きちんと残業代を出せば、途方もない金額の残業代になっただろう。だから、会社側が、「残業禁止」というふうにしたはずだ。
しかし現実には、電通の場合、「残業代は 70時間まで」という規定があるそうで、いくら残業しても、残業時間は 70時間までしか認められない。(実際には 69.5時間。)それ以上の残業は、サービス残業。(正しくは「不払い労働」「無賃労働」)
これは明らかに違法だ。こういう違法行為を野放しにしているからいけない。違法行為をした会社をさっさと営業停止にするとか、社長を逮捕するとか、そういう処分を下せば、日本は法治国家となり、犯罪は見逃されなくなる。
法律を守るだけで、悪は消えるのだ。
( ※ それが現実には消えないのは、犯罪者の味方が政権を握っているから。そして、犯罪者の味方を、国民が支持しているから。……自民党のことだけどね。)
( ※ だいたい、自民党の政治家自身が、政治資金という名目で国の税金を盗んでいる泥棒だ。→
前項 )(犯罪者が政権を取っているんだから、日本で法治主義が成立するはずがない。法治主義が成立したら、まずは首相以下の自民党議員がみんな逮捕されてしまう。)
は、自分の知能レベルの低さを露呈しているだけ、となる。
(以下引用)