忍者ブログ

超訳「踊るドワーフ」#47

私は唇を舐めた。それが本当ならうますぎる話のように聞こえた。私がこのドワーフを体の中に入れたら、二度と出てこないのではないか。私の体はこのドワーフに乗っ取られてしまうのではないか。私があの少女を愛するかぎり、そういう事態にはなりたくない。
「君は怯えているね」私の心を読んだかのように彼は言った。「私が君の体を奪う気だと思っているんだろ?」
「君の話をいくつか聞いたことがある」私は言った。
「思うに、良くない話だろうな」
「ああ、良くない話だ」
彼はずるそうな笑いを浮かべた。「心配するな。私は力があるが、人の体を完全に乗っ取ることはできない。そのためには同意が必要なんだ。お互いに同意しない限り、そういうことはできない。君は永遠に自分の体を乗っ取られたくはないだろう?」
「ああ、もちろんだ」私は震えながら言った。

拍手

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
4
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析