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LIFE:生命、生活

  1. 毎度言うが、「筆は一本、箸は二本、衆寡敵せずと知るべし」という斎藤緑雨の言葉は、世の中の人間にとっては何より大事なのは自分自身の生命と生活であり、理想や正義感などは生命と生活の危機の前では沈黙を選択することを余儀なくされる、ということを明瞭に示した箴言である。昔の若者が反抗精神や批判精神に富んでいたのは、敗戦後の日本において批判精神や反抗精神を許容した社会風潮のおかげであり、つまりそれが「民主主義」の精神だったのだ。現在の青年の姿は、まさに民主主義の死滅を表象しているわけである。他人への同調だけで生きているその姿自体、実に生命感に欠けている姿だが。
  2. LIFEという英語が、生命をも生活をも意味するのは興味深い。





     小田嶋隆 @tako_ashi 10月25日
  1. 「人前で機嫌よくふるまうこと」が、社会人としての必須なマナーになったのは、たぶん、21世紀にはいってからで、それ以前、若者は無表情で黙り込む特権を持っていた。まあ、そのこと(若者がムスっとしていること)が良いことだったのかどうかはわからない。
  1. さきほどからの一連のツイートで私が伝えようとしているのは、アンケート調査に対して「現状に満足している」と答える若者の増加は、若い人たちの満足度そのものの上昇よりも、「満足している人間」に対する社会的な評価の上昇を反映した結果なのではなかろうか、ということです。当てずっぽうですが。
  1. 30年前は、現状に満足している人間を「浅薄」で「無知」な「チョロい」ヤツと評価する風潮があった。それが現在では、現状に満足している人間を「明朗」で「素直」な人間、不満を抱いている人間を「偏屈」で「ひがみっぽい」根性曲がりと見なす空気になっている。善し悪しは別としてだが。
  1. 世の中のトレンドが「疑問を持て」「現状に満足するな」から「疑問を持つな」「現状に満足せよ」にシフトしたのが、どのタイミングだったのかはわからない。ともあれ、不満を抱いている人間がうとまれるようになってきていることは、明らかだと思う。
  1. われわれが子供だった時代は、学校教育の中で「疑問を持て」「現状に満足するな」みたいな教条を押し付けられていた気がしている。私自身はその種のお題目を鼻で笑っていたクチなのだが、そうは言っても、案外自分の気づかなかった部分で影響を受けているのかもしれない。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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