前の記事に書いた「現代日本のモラルの喪失」に関係するが、モラルの無い社会で何が人を動かすかというと、力(暴力だけでなくカネの力、つまり金力や、地位の力、つまり権力も含む)と「空気」だろう。場の雰囲気や流れである。太平洋戦争時の「圧倒的な空気の力」については、多くの人が体験しただろうが、その被害者や加害者の多くは既に故人で、今では言及する人もほとんどいない。
(以下引用)
【江別集団暴行事件】起訴された16歳少年「暴行していたときのことが、夢に出てくる」暴行がエスカレートしたのは『空気感』拘置支所で取材に答える
北海道江別市で当時大学生だった長谷知哉さん(当時20)が集団暴行を受け死亡した事件から2か月あまり。 【写真を見る】犯行に加担…16歳少年の告白 逮捕・起訴された男女6人のうちの1人、16歳の少年がHBC北海道放送の取材に答えました。 少年(16) 「暴行していたときのことが、本を読んでいるときも、寝ている最中も夢に出てくる」 拘置支所では事件当時の記憶にさいなまれる日々だといいます。 少年(16) 「(被害者は)『やめて』と言っていた。耳に残っている。思い出したくない」 時崎愛悠記者 「少年は私との接見の時まっすぐ目を見つめ、はっきりとした口調で自分の思いや主張を語りました」 事件では、長谷さんの交際相手だった八木原亜麻被告(20)と友人の川村葉音被告(20)。 18歳の男子高校生、18歳のアルバイト従業員の男に加え、17歳と16歳の少年の6人全員が強盗致死の罪で起訴。 このうち、取材に応じた16歳の少年ら3人は長谷さんと面識がありませんでした。 八木原被告以外の5人は事件が起きた日に一緒に遊んでいて、八木原被告から川村被告に別れ話に関する電話があり、江別市で合流することになったといいます。 そして、現場の公園で集団暴行に加わりました。 なぜ長谷さんは、ほとんど面識のない人たちから暴行を受けなければならなかったのか。 記者がずっと抱いていた疑問を投げかけてみました。 記者 「知らない人をそこまで殴れますか」 少年(16) 「空気感。葉音がそういう空気感を出していた」 少年(16) 「亜麻から連絡が来た時点で、アルバイト従業員の男(18)は、殴ることを決めていた。車の中の空気感」 『空気感』。 暴行がエスカレートしたのは、そんな理由からでした。 終始、落ち着いた様子で受け答えしていた少年でしたが、家庭裁判所がアルバイト従業員の男(18)を「主犯格」と認定したと伝えると態度が一変しました。 少年(16) 「アルバイト従業員の男(18)が主犯格になっているのは違う。俺ら的には事件の発端は亜麻が持ちこんだし、(主犯格は)アルバイト従業員の男(18)ではなく亜麻だと思う」 アルバイト従業員の男(18)が積極的に暴行したとしながらも、少年は「交際トラブルを持ち込んだ八木原被告が主犯格」だとハッキリした口調で答えました。 一方で、長谷さんや残された家族への思いは、と尋ねると。 少年(16) 「(被害者に対して)言葉にしづらい」 謝罪の言葉は今も聞けないままです。
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