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権力による国民拘束(弾圧)日常化の前触れか

この記事に書かれていない事実がこれから出て来る可能性もあるが、書かれた内容だけで判断すれば、驚天動地の事件(あまりにも過激な違法捜査)であるとしか思えない。あるいは、これからこの種の事件が激増していく魁(さきがけ)となる出来事かもしれない。つまり、「新しい戦前」のための国民拘束日常化である。権力による法律無視行為の日常化である。

(以下「大摩邇」から転載)

武装警官が「令状なし」で窓ガラスを破って突入した瞬間 住人に「違法逮捕」と訴えられる

ライブドアニュースより
https://news.livedoor.com/article/detail/24430810/
これから緊急事態条項ができた時の、予行演習ですね。
<転載開始>


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北海道警察の捜査員らが家宅捜索や逮捕の令状を請求せず、マンションの一室に突入して住人を「緊急逮捕」した事件で6月15日、違法捜査の被害を訴える男性らが道警に約1430万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。


問題となった逮捕行為を含む一連の捜査はすでに裁判所から違法認定されており、原告代理人らは「当たり前に守るべき手続きを守っておらず、あってはならないこと。裁判を通じてこの実態を世に知らしめ、将来の違法捜査を抑止したい」と、改めて捜査の杜撰さを批判している。

訴えを起こしたのは、札幌市中央区の自営業男性(25)と、同居する会社員女性(37)。本年3月29日、2人の住むマンションで事件は起きた。(ライター・小笠原淳)

●まるで「立てこもり事件」、警察突入で緊急逮捕

唐突に玄関の鍵が開けられた瞬間、住人男性は強盗が来たと思ったという。ドアの向こうには、数人の屈強な男たち。辛うじてドアストッパーが出入りを防いでいたが、それがなければすぐにでも踏み込んで来そうな勢いだった。


招かれざる客たちが札幌中央警察署の警察官を名乗り、男性に任意同行を求めてきたのは、その日午後3時50分ごろ。それからおよそ4時間が過ぎた夜8時過ぎ、同じ部屋のべランダの窓ガラスが割られ、銃で武装した一団が男性の身柄を拘束することになる。その部屋で起きたとされる傷害事件での「緊急逮捕」だった。



近隣住民などによれば、同夜の現場は周辺の道路が封鎖されるなど一時騒然となり、さながら「立てこもり事件」の様相だったという。結果的に武装警官による大捕物となったわけだが、先述した逮捕容疑は「同居人の腕を叩いた」という軽微な傷害で、しかも捜索差押許可状も逮捕状も発付されていなかった。それどころか――、


「そもそも“被害者”が被害を訴えておらず、被害届も出ていないんです」


そう呆れるのは、男性の弁護人を務めた青木康之弁護士(札幌弁護士会)。道警の捜査の端緒は、第三者からの情報提供だったという。

●当事者「事件にするつもりない」→警察は執拗に事件化

緊急逮捕から1週間ほど溯る3月22日、かの部屋に住む2人の間で他愛ない言い争いがあり、男性が女性の腕を叩くという出来事があった。“被害者”に怪我はなく、もとより被害の認識もなかったが、のちにこれが深刻な家庭内暴力事件に仕立て上げられたのは、女性が何の気なしに痴話喧嘩の顛末を打ち明けた相手が親族と共通の知人だったことによる。


話を聴いた知人は早合点し、あるいは不必要に気を回し、女性の親族に連絡、これを受けた親族が本人を飛び越して警察に相談を寄せてしまった。相談を受けた札幌中央署は同28日深夜、そのマンションを訪ねて女性への聴取を試みる。これが、問題となる緊急逮捕の前夜のことだった。


中央署の捜査員らはその夜「とっくに仲直りしてるし、事件にするつもりなんかない」という女性の訴えを聴き入れず、署への同行を求めてきた。あまりに執拗な要請に根負けし、女性は警察官らに従わざるを得なかったという。


被害を届け出るつもりのない“被害者”は、ひたすら事件化を促す説得を受け続け、翌朝6時までその身柄を拘束されることに。ほぼ不眠のままで職場への出勤を強いられた女性はその日午後、仕事を早退してペット霊園や自動車販売店を訪ねる予定があったが、職場で待ち構えていた中央署員に引き続き拘束され、否応なく自宅マンションへ連れ戻される。


捜査員たちは自宅近くに停めた車両内に女性を事実上軟禁し、新たな要求を寄せてきた。マンションのカードキーを貸して欲しい、と。驚いた女性がこれを拒んでも、警察は「1階のオートロックを開けるだけ」と食い下がってくる。気圧された女性は承諾せざるを得なくなり、「絶対に部屋には入らないで」という条件をつけてキーを手渡した。


ほどなく、それを手にした捜査員らはオートロックを突破して目的の居室がある6階へ直行、女性との約束をあっさり破って玄関ドアからの入室を試みた。在室していた同居人男性が不意の訪問者らに驚き、強盗の襲撃かと身構えることになったのは、すでに述べた通りだ。


●警察の不可解な対応 浮かぶ別件逮捕の可能性

被害届のない傷害事件の立件に固執するあまり“被害者”を騙して鍵を借り、約束を破って入室しようとした挙げ句、窓を割って侵入。しかも令状のない「緊急逮捕」という、異例ずくめの対応と言えた。先の青木弁護士は、捜査の杜撰さを次のように批判する。


「あくまで任意捜査だったわけですから、男性が同行を拒否できるのは当然です。警察がどうしても踏み込みたかったのなら逮捕状をとるべきで、4時間もあれば充分それができた。実際、逮捕後すぐに令状がとれているんです。


なぜ逮捕前にそうしなかったのかはわかりませんが、地上6階からは逃亡のおそれもないし、『立てこもり』と言ったって人質をとったわけでもないし、大勢の警官が武装して突入する必要なんてありませんよ」

刑事訴訟法210条では「緊急逮捕」の要件を下のように定めている。


《死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないとき》


要は「重大犯罪が強く疑われ、かつ令状をとる時間がない場合」ということだが、男性のケースがこれにあたるとはおよそ考えにくい。容疑は「腕を叩いた」という軽微な罪で、令状を請求する時間は短かくとも4時間以上あったはずだ。


なぜ札幌中央署が強引な逮捕に踏み切ったのかは知る由もないが、1つ推認できるのはそれが「別件逮捕」だった疑いだ。緊急逮捕後、警察は男性に薬物使用の疑いをかけて強制採尿、これに陽性反応が出たとして4月1日付で再逮捕している。


男性に薬物事件の前歴があったための対応だと思われるが、男性自身は筆者の取材に対して今回の薬物使用を否定、「2度も尿の採取に協力したにもかかわらず最終的に強制採尿された」と訴えている。警察と男性、どちらの言い分が正しいのかは現時点で検証困難だが、そもそも要件を満たさない勾留下での強制手続き自体が問題だったのは確かだ。

●裁判所、異例の更生決定 滲む警察への憤り

のちに弁護人を務め、また国賠訴訟の代理人も引き受けることになる青木弁護士が初めて男性と接見したのは、この再逮捕の2時間ほど後のことだった。


一連の経緯を知った青木弁護士はその日の夕刻、薬物事件での勾留請求を控えるよう札幌地方検察庁に申し入れた。地検がこれを聴き入れない可能性があったため、週末をはさんだ同3日には担当検察官に改めて口頭で要請し、加えて裁判所に勾留決定をしないよう意見書を出す。


しかし札幌地裁(斎藤由里阿裁判官)は同日付で勾留を決定、これに対する準抗告(不服申し立て)も翌日付で同地裁(井戸俊一裁判長)に棄却される結果に。これも不服とした弁護士は翌5日付で最高裁に特別抗告を申し立て、改めて被害者とされる女性の証言を引いて捜査の違法性を訴えた。すると――、


「翌日、裁判所から驚いた様子で電話があり、女性と連絡をとりたいと言ってきたんです」


青木弁護士がそう振り返る。さらにあくる日の7日午前、札幌地裁からくだんの女性に電話があり、裁判官3人が代わる代わるその証言に耳を傾けた。


この聴取結果をもとに「再度の考案」が行なわれた結果、同じ日の夕刻に伝えられたのは異例の「更正」決定。傷害事件での逮捕行為を違法と断じ、薬物事件での再逮捕も「違法な捜査との関連は密接」と指弾するもので、当初の勾留決定とは百八十度異なる結論だった。決定文に綴られた警察への苦言の一部を、下に採録しておく。


《捜査機関が被害者方居室の玄関ドアを開けた行為は、被害者の管理権及びプライバシーを侵害するものであり、違法な強制処分にあたる》


《窓を破壊した行為も危険かつ不利益性の高いもので、違法の程度は重大である》


《あえて詳細な事実関係を糊塗して緊急逮捕状等を請求したとみられるから、将来の違法捜査の抑止の見地からも相当でない》


最後の一文からは、裁判所の強い憤りが読み取れる。どういうことか。


本記事の半ばほどで青木弁護士が証言しているように、男性のケースでは緊急逮捕の「すぐ後」に改めて逮捕令状が示されていた。発付したのは、いうまでもなく裁判所。捜査機関を信用し、1人の容疑者の身柄拘束の必要性を認めた決定だ。これに異議を唱える弁護人の求めを2度にわたり棄却した札幌地裁は、準抗告棄却の決定でこんな認識を示していた(カッコ内註は筆者)。


《(捜査員らは)被害者の承諾を得た上で被害者方の窓を破壊して室内に立ち入った》


もはや言うまでもなく、この認識は事実と異なる。被害者とされた女性はそもそも警察にカードキーを預けることを拒み、それでも引き下がらない相手に「絶対に部屋には入らないで」と条件をつけてキーを渡していたのだ。無論のこと、窓を破っての突入など「承諾」するはずがない。ならば、裁判所はなぜ上のような理由で抗告を棄却したのか。


答えは1つ。捜査機関に騙されたためだ。女性を騙して鍵を入手した警察は、裁判所をも騙して男性の逮捕を正当化しようとした。今回、国賠の代理人となった青木弁護士らが最も問題視するのがその点で、裁判では道警による虚偽公文書作成などの疑いを追及していく可能性がある。



逮捕のあった夜、現場では「飛び降りの危険」があるとして札幌市内の複数の消防署から救助隊など計5隊が出動したことがわかっている。道警の『事件指揮簿』などの文書によれば当初の傷害事件は「署長指揮事件」で、決して重大な事案ではなかったはずだが、現場付近には警察マニアならば一目でそれとわかる機動隊の車輌が臨場していた。


その隊員らがライフル銃を手にベランダ窓から強行突入に及んだのは、これまで繰り返し述べてきた通り。突入時に割れたガラスで住人男性は手や脚に怪我を負ったが、警察からの謝罪は今もなく、窓の修理費用の弁償もなされていない。


●検察「勾留請求は適正」、警察「コメント控える」

札幌地裁が勾留決定を取り消した4月7日、男性は釈放。札幌地検は同12日付で傷害事件・薬物事件ともに不起訴処分とした。


10日あまりを経た同24日、記者クラブ非加盟者も参加できる会見で「当時の勾留請求は適切だったか」と尋ねた筆者の問いに、同地検の石井壯治次席検事は「適切だった」と回答。


また時期を同じくして北海道警察に寄せた逮捕の適正性を問う取材に対しては、5月上旬になって「コメントは差し控える」との回答が届いている。

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