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サマータイムの及ぼす家計出費への影響

サマータイム実施に数千億円のコストがかかるということは、逆に言えば、一般庶民の懐から企業に数千億円が移動する、ということだ。それが税金でも出所は同じである。

「家庭内の機器の修正や買い替えの必要性を国民は理解せず、<実施すると絶対に「こんなはずではなかった」になる>と指摘する。 」

ということは、電機メーカーはウハウハ大喜び、となる。


(以下引用)




東京五輪

コスト高、健康被害… サマータイムに疑問の声


世界のサマータイム実施状況は?



 夏の一時期に国内時間を1時間ほど早めるサマータイム制が東京五輪の暑さ対策で浮上した。「国民の評価は高い」と安倍晋三首相は言うが、疑問の声が多数上がっている。夏時間を導入すべきか。そもそも可能なのか。三つの観点から考える。【中川聡子】

IT社会の壁

 ネット上で10日に公開された一つのスライドが注目されている。冒頭で「2020年にあわせたサマータイム実施は不可能」と断言し、詳しい理由を説明する。作成した情報システムに詳しい立命館大の上原哲太郎教授は取材にこう語る。


 「日本は高度なIT社会で、時刻入りの情報システムを持つコンピューターが行き渡っている。国際標準時を基準に日本時間に合わせた時間情報がプログラムされているものも多い。夏時間導入ではソフトウエアを書き換えることになる。4年程度、数千億円の時間とコストが必要だ」


 上原さんは「五輪までに導入など正気の沙汰ではない。絶望的な気分だ」とあきれ返っている。スライドでは<「世論の支持がある」は誤解>だとし、家庭内の機器の修正や買い替えの必要性を国民は理解せず、<実施すると絶対に「こんなはずではなかった」になる>と指摘する。

睡眠不足、残業増の懸念

 時間の切り替えに伴う睡眠不足や残業増加で健康被害も懸念されている。国民の平均睡眠時間は8年前の統計で434分と欧米諸国より30分以上短く、日本は世界有数の「短時間睡眠国家」だ。


 日本睡眠学会理事の三島和夫医師は「交通事故や心筋梗塞(こうそく)の増加など負の面は明らかなのに」と首をかしげる。同学会は12年に「日本での夏時間は利益より不利益が多い」とする報告書を公表した。


 日本でも1948年に1時間早める夏時間が導入されたが残業増加で労働界が反発し、51年に廃止された。日本労働弁護団の山内(さんない)一浩弁護士は「労働時間は現状でも長い。残業規制の仕組みもなしに導入するなどあり得ない」と話す。

「国家総動員」に批判も

 近現代史を研究する辻田真佐憲(まさのり)氏はツイッターで<全国民を強制的に巻き込む国策イベントの本性がにじみ出ている>と発信。取材に「時間全体をずらすのは権力者の発想そのものだ」と語る。


 その典型が北朝鮮だという。日本の植民地支配で朝鮮の時間が奪われたとして2015年8月15日、日本や韓国より30分遅い独自の「平壌時間」を定めた(今年5月に廃止)。


 辻田さんは「夏時間を設ければスポーツに興味のない人も一人残らず巻き込まれる。五輪への無関心や不参加を許さない『国家総動員』だ」と批判する。

EUは廃止を検討

 【ブリュッセル八田浩輔】夏時間を設けている欧州連合(EU)は日本とは逆に、見直しに向けて検討している。健康への悪影響などの不利益が利益より大きいとして廃止を望む声があるためだ。


 EUの欧州議会は2月、夏時間の影響を徹底的に評価し必要なら見直しを求める決議を採択した。EU加盟国が採用する夏時間は夜間のエネルギー消費を減らす効果などをうたい、3月の最終日曜日に時計を1時間早め、10月の最終日曜日に元に戻す。見直しの動きのきっかけは、人口約550万人の加盟国フィンランドで昨年、夏時間廃止を求める7万人超の署名が国会に提出され、国会も支持したこと。夏時間はEU法で義務づけられ、同国がEUに対し協調した対応を求めた。


 廃止を求める人々は時間の切り替えが「体内時計」を狂わせ、睡眠や心身の健康に悪影響を与えるとする。同国のトゥルク大研究チームは16年、国内の10年分のデータを調べたところ、夏時間開始から2日間の脳卒中発症率が8%上昇し、65歳以上では20%高かったと報告した。


 一方、ロシアは救急出動や心筋梗塞が増えたなどとして11年3月をもって時間変更を廃止した。


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