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恋愛の「結晶作用」と自己洗脳

「混沌堂主人雑記」所載の「国際秘密力研究」の一節だが、この部分は非常に面白い。私はこれまでこの「国際秘密力研究」はほとんど読んだことが無かったのだが、それは哲学用語や仏教用語が苦手だからというのと、箇条書きの文章が好みではないからだ。
箇条書きというのは、「すべて重要な内容ですよ」と言われているようで気疲れするのである。私は、「真面目さの塊」というのが苦手なのだ。それは私のふざけた文章からも分かるだろう。他人に誤解されようが、軽蔑されようが、下手な冗談や軽口をやめることは私にはできない。それは、私の文章は、私の思考の推移を追っているだけだからである。
その思考の推移の仕方は次のような感じだ。

たとえば、昨夜、NHK交響楽団の演奏を録画してあったのを見ると、ベルリオーズの「イタリアのハロルド」という曲をやっていて、ハロルドと言えば、「チャイルド・ハロルドの巡礼」、つまりバイロンだな、と連想し、それに続けて、バイロンと言えば、「一夜明けると有名になっていた」だな、と連想し、次に「目覚めると(つまり一夜明けると)毒虫になっていた」のはカフカの「変身」のグレゴール・ザムザだな、と連想し、この両極端が「一夜明けた」結果として存在するのが面白かったのだが、私の頭はこういう連想でしか機能しないから、真面目な思考を長く続けるのは非常に苦手なのである。その代わり、自分の頭の思考推移を眺めること自体が娯楽だ。

それはともかく、下の引用部分は、案外読みやすく、理解もできたと思う。で、

「つまり自分の中で繰り返す表象作用や思考作用が自分自身を洗脳していく」

というのは、まさにその通りだろうと思う。その分かりやすい例を言えば、恋愛の「結晶作用」である。もちろん、スタンダールの「恋愛論」の中心思想みたいな奴だ。要するに、誰かのことが気になって、その人のことを繰り返し考えているうちに、その人に勝手に空想上の美点をどんどんくっつけて行って、恋に落ちることだ。そうなると、相手のあばたもえくぼになるわけである。世の中には「あんな素晴らしい女性(男性)が、なぜあんなつまらない男性(女性)と恋人になったのか」ということがよくあるが、それは本当に恋をしたのではあるが、実は当の相手ではなく、自分で作り上げた幻影に恋をしているということである。
これを言い換えると、「恋愛とは自分で自分を洗脳することである」となるwww

(以下引用)


〇苦楽は正確に言うと五感=眼耳鼻舌身による色声香味触の感受について言う。意識による法(あらゆる事物・存在)の認識(表象や思考)では苦は憂、楽は喜とする。精神的な快と不快である。五感と表象・思考が同列の認識作用と捉えられている。五感と同じく表象や思考でも対象から影響を被るという洞察。

〇思想的に洗脳される場合も文章を読んだり演説や説教を聞いたりなどリアルタイムで五感で情報をキャッチした後に、表象(イメージ)や思考で脳内で繰り返し再生している間に刷り込みが深まっていくのではないだろうか。つまり自分の中で繰り返す表象作用や思考作用が自分自身を洗脳していく訳である。

〇そういう意味では「眼耳鼻舌身意・色声香味触法」として五感(眼識耳識鼻識舌識身識)と表象・思考(意識)を同列に並べたのは鋭い洞察だと言える。何を表象し、思考するかにも気を付けるべきという事だろう。例えば裏組織に踊らされている者は表象や思考=頭の中が滅茶苦茶になっているのだと思う。



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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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